SPECIAL 2007

2007年3月15日 第11号 掲載


JC-COC ビジネスワークショップ
第1回インターネットマーケティング
〜ネットビジネス成功への第一歩


参加者数は33名(撮影:ケイコ・アイ)

薮田雅子さん

 日本・カナダ商工会議所(JC-COC)では、ビジネスワークショップと題して各分野の専門家を招き、ビジネスを展開していく上で必要とされるホットな情報をはじめ、対応策や解決策を提供する機会を今年から設けていくことになった。その第1回目として、バンクーバーを拠点に Web ホスティング・ソリューションを提供している Neo Site Solutions, Inc. の薮田雅子さんを講師に招き、2月22日、リッチモンドにあるJTBインターナショナル・カナダにおいて、インターネットマーケティング―ネットビジネス成功への第一歩―というテーマで講演が行われた。

なぜ儲からない? インターネットビジネス
 先月21日、NHKが『グーグル革命の衝撃』という番組を放映した。『あなたの人生を検索が変える』と副題にあげたこの番組では、Googleのみならず、インターネットがどれだけ私たちの生活に浸透しているかという驚きを伝えた。実際、日本でのインターネット利用者は55.2%に達したことが発表され、今後もインターネットは人々の生活にますます浸透していくことが予想されている。しかし、これだけインターネット環境が拡大・充実しているにも関わらず、「インターネットを使ったビジネスは儲からない」と聞いたことはないだろうか。薮田さんは「ほとんどの企業が、インターネットを使っているだけで、インターネットを活用しているとは言えない」とその理由を述べ、また逆に「真のインターネットマーケティングを実践している企業は企業価値を高め、成功を収めているところも多い」と説明した。

インターネットマーケティングのメリット

 「では、真のインターネットマーケティングとは何か?」ということになるのだが、その前に、インターネットマーケティングの内容の確認から行ってみることにする。インターネットマーケティングとは、宣伝用のWebサイトを開設するという単純な方法から、ネット上でのマーケットリサーチ、ネット技術を応用した顧客との対話など、その手段は多岐にわたるが、主なものとして、Webデザイン、コンテンツの工夫、検索エンジンの最適化、ディレクトリ登録、相互リンク、オンライン広告、メールマーケティングなどがある。

 これらの手法から得ることができるメリットは、マーケティングにおけるコストの大半を新規顧客を獲得することに費やしていた従来の方法と異なって、特定顧客(個客)の獲得が可能であるということ、さらに、営業費や広告費といった販売管理のためのランニングコストを削減できるということなどが挙げられる。印刷物などよりも、タイムリーに情報を伝達できるのも大きな特長といえよう。

成功する3つの鍵

 さらに、インターネットマーケティングを行う際に、その骨組みともなる総合プランを知ることも重要である。
(1)しっかりとしたビジネスモデルと優良な製品やサービスを用意する
(2) 販売を目的とし、効率よく設計されたWebサイトを用意する
(3)予算に見合ったターゲット市場に適したマーケティング戦略を行う

 つまり、Googleに広告を出したり、他のWebサイトでのバナー広告を買うだけではインターネットマーケティングでの成功は難しいということになる。以下、手法ごとに順を追って具体的に考えてみよう。

検索エンジンへの登録は必要か?
 北米においてGoogleは検索エンジンシェアの47.3%、Yahoo!が28.5%を占める。日本ではYahoo! Japanが52.0%と大半を占め、Googleが26.6%となっている。薮田さんは「検索エンジンへの登録は必要ですか?」という質問をよく受けると言う。答えはYesでもありNoでもある。それは、大きく分けてGoogleに代表されるロボット巡回型のものと、エディタと呼ばれる人の審査に合格したサイトのみが登録されるディレクトリ登録型のものと2種類あるが、前者はサイトの情報量が多いのでSEO(Search Engine Optimization: 検索エンジンの最適化)でページの先頭にヒットしなければ意味があまりなく、後者は商用サイトに登録したい場合、審査料として5万2500円が必要となってくるなどの理由があるからである。

 いずれにしても、星の数ほどあるWebサイトの中から、見込み客が自分のサイトにヒットしてくることが重要なポイントである。ほとんどのWebへの入り口が検索エンジンからのものであり、実際98%のインターネットユーザーが検索エンジンを使っていることから、「初期のインターネットマーケティングとしてSEOにフォーカスする場合が多い」と薮田さんは語る。検索エンジンはその都度アルゴリズムを変えているが、以下にSEO専門家が一般的にコメントしているポイントをあげる。

*Flashとフレームの使用を最小にする「検索エンジンFriendly」なコードのテクニックを使用してWebサイトを作る。
*ターゲット市場に合った、適切な「キーワード」か「検索用語」を探す。
*キーワードを入れた、Webサイトのドメイン名、メタタグ、タイトルタグ、altタグ、見出し、および総合的な内容に組み入れて、定期的に内容をアップデートすることを確実に行う。
*検索エンジンへのWebサイトのアドレスを登録する。
*他の関連サイトへリンクを張ってもらうことも検索エンジンのランクを上げることにつながる。

オンライン広告(1)検索連動型
 検索エンジン上で、検索結果に対して広告を掲載できるサービスのこと。クリックされた回数について課金されるので Pay Per Clickと呼ばれ、1クリックあたりの入札価格が高いサイトから順に掲載されている。現在、GoogleのAdwordsとYahoo!の子会社であるOvertureのスポンサー検索が主力。これらと提携しているパートナーサイトにも自動で広告が掲載される。この手法により、顧客ターゲットを絞り込め、クリックされなければ課金されないため、うまく活用すれば、非常に費用対効果の高い広告となることも可能である。

オンライン広告(2)第三者サイト
 次にローカル・ビジネスディレクトリ(van-info.com, kiyukai.orgなど)に登録することによってアクセスアップを図るという手法。バナー広告などはオンライン広告の代表と言えるが、最近よく耳にするアフィリエイトというのは、バナーとは多少異なり、提携したパートナーサイトを経由して商品の販売・サービスや申し込みがあった場合のみ、報酬を支払うという手法(成果報酬型広告)のことである。月々高い広告費がかかるのに比べ、低コストで高い効果をあげることができるため人気が高い。

その他のマーケティングツール

 Eメールを使って、マーケティング活動を行い、結果的に「売上を上げる」「問い合わせを増やす」といった目標に達成する手法をEメールマーケティングという。Eメールは、顧客ごとに名前を入れたり、属性に応じて文章を変えたりすることができるので、マーケティングツールとしては便利である。最近は、ひとりが受信するEメールの量が増えているため、読んでもらえるEメールを作成することが成功のポイントとされている。

 また、ビジネスブログも、商品・サービスの紹介、イベントやキャンペーンの案内、顧客サポート、広報として社長ブログやスタッフ日記など、多くの企業が利用している。ブログはコンテンツの管理が楽に行える上、SEO対策に優れているため、検索エンジンでは上位に表示されやすいというメリットがある。

測定の重要性

 最後に、効果の測定なしにインターネットマーケティング戦略を進めることはできないということついて説明があった。何が特定のビジネスに効果を上げているのかを見極めるためには、測定ツールを使う必要がある。これは、それぞれの手法をトラッキングすることによって、費用対効果を測定し、それらが効果的かどうかを調べることである。例えば、500ドルをオンライン広告キャンペーンに投資したとして、それが1500ドルの収益を上げたとすると、費用対効果は1000ドルで200%となる。

 統計ツールで、ウェブサイトのトラフィックを測定すれば、どこのサイトから訪問者が来たのか、どのくらいサイトに留まっていたのか、どのページがよく見られているのか、どのページから訪問者が去っているのかなどを分析することができる。

 さて、「真のインターネットマーケティングの実践」だが、それにはトライ&エラー、つまり試行錯誤が大切であると薮田さんは最後に締めくくった。

 講演の後は、PRタイムと称し、参加企業の代表者からの挨拶がそれぞれ行われた。また、ドアプライズとして、JTB新川宏巳支店長が参加者の名刺をランダムに選び、当選者のユミ・タケイさんには、薮田さんからMP3プレイヤーが贈られた。

(取材 佐倉ななみ)

主催: 日本・カナダ商工会議所 (JC-COC)
後援: JTB International (Canada)
& JEIC (JTB Educational Institute of Canada)、Moritasse Coffee、 Keiko Photography