SPECIAL 2006
2006年11月30日 第49号 掲載
![]() 「金持ち」になるコツを話す島田友子氏 |
![]() 約100人の参加者は、熱心に島田氏の話に耳を傾けていた |
金持ちになるには基本的なルールがある。誰にでもあてはまるこのルールについて、スカイランドトラベル/escapes.ca社社長の島田友子(しまだともこ)氏が解説する講演会が、11月16日、リステルバンクーバーホテルで行われた。
約100人収容の会場はほぼ満席。氏の話を熱心にメモする姿も多く見られ、講演に対する関心の高さがうかがわれた。
金持ちになる「大ルール」
金持ちになることは良いことでも悪いことでもない。ついお金のことになると何か特別な感情を抱きがちだが、これは私たちが人生の様々な場面で繰り返し行っている他の選択と同じ性格のものだ。
ただそのためのルールは、数学の公式のように学校で教えてくれないので、私たちはいろいろな事例からそこに共通するルールを見出して、自分の場合に当てはめなければならない。
そのルールを自らの経験に基づき整理したものを、多くの人に役立ててもらおうというのが今回の島田氏の講演の主旨だ。
まず講演の冒頭で紹介されたのが、五つの大ルール。これを守れなければ金持ちにはなれないし、維持することも出来ない。
| 大ルール 1.金持ちになることを、人生の目的にしてはならない。人生の目的は別にある。 2.お金を儲けるのに、決して人を傷めつけたり、だましたり、悪用してはならない。 3.楽しむ。ゲーム感覚でする。 4. 人を喜ばせる。 5.慈善をする。 |
「ゲーム感覚でする」とはどういうことだろうか。島田氏は、日本の長者番付ベストテンに毎年入っている斉藤一人(さいとうひとり)氏の言葉を引用してこう説明する。「斉藤さんは、株も不動産もやらない。自分が持っている健康食品のビジネスだけで『来年も長者番付に載りますよ』と目標を立てます。そうやって自分にハンデをつけたほうが面白く、ゲーム感覚で打ち込めるわけです。たとえばサッカーをやるのに、ゴールキーパーがいなくてどんどん点を取ってもいいよ、なんてなったら面白くないですよね」つまり楽しめる余裕を持ってやれることでなければ、金持ちにはなれないということだ。苦しみながらやるのだったら、何か別のことをやるべきだろう。
また「人を喜ばせる」というのが最も重要なルールだと島田氏は強調する。本田健(ほんだけん)氏の著書「ユダヤ人大富豪の教え〜幸せな金持ちになる17の秘訣」の中からの引用だとしてこう語る。「映画俳優や歌手は一本の映画、ひとつのアルバムで何ミリオンドルというお金を稼ぎますね。これは彼らが一度に多くの人を楽しませ、喜ばせることが出来るからです。身近な例で言えば、靴屋が一生懸命靴を修理しますね。すると修理してもらったお客さんは喜びますが、一人だけです。今度はこの靴屋が10人の職人を雇って一度に10足を修理できるようになったとしましょう。すると10人の人を喜ばせることが出来て、より多くのお金を儲けることにつながるわけです」
人を幸せにすることが、必ず巡り巡って自分の成功につながることを忘れてはならない。
ところで「慈善をする」とはどういうことなのか。島田氏はこう説明する。「腑に落ちない人も多いかもしれませんが、これが宇宙の法則とでも呼べるもので、人に与えれば、それは必ずブーメランのように自分のところへ戻ってくるものなのです。それも前よりも多くなって」
「昔、ブッダは弟子が托鉢に出るとき『金持ちのところへは行くな、貧乏人のところへ行きなさい』と言ったそうです。貧乏なのに、さらに寄付をさせろとはどういうことかという弟子の問いに、ブッダは『貧乏人は普段寄付をする機会がないため、貧乏から抜け出せない。その彼らに寄付の機会を与えることが、彼らの救済につながるのだ』と答えたそうですが、まさにこのルールのことを言ってますね」。島田氏はこんな例も話してくれた。「『金持ち父さん、貧乏父さん』シリーズの著作で有名なロバート・キヨサキは、お金が足りないなと思う時は、いろんな支払いよりも前にまず先に寄付をしちゃうそうです」。日本でも昔から「金は天下のまわりもの」と呼んでいたことを思い出す。
経済的自由を得て、資産を作るためには
この大ルールの説明のあと、前出のロバート・キヨサキの著書「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント(Rich Dad's CASHFLOW Quadrant)」から次の図(図)を引用して、金持ちになる具体的な説明に入った。「金持ちになるためには、経済的自由を得なければならなりません、そして資産を作らなければなりません」

図・キャッシュフロー・クワドラント
(ロバートキヨサキ著・「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」より)
まず経済的自由を得るためにお金を稼ぐ方法が、前出の図の4つのタイプのどれかになることを説明。E(従業員)は、会社、役所などに勤め、給料をもらうタイプ。S(自営業者)は、たとえば開業医や弁護士のように、自分がいなければ仕事が成り立たないタイプ。世の中は大体この二つのタイプが80%かそれ以上を占めている。B(ビジネスオーナー)はビジネスを経営して、その収益でお金を稼ぐタイプ。そしてI(投資家)は余剰資金をビジネスに投資して、そのビジネスが成功することで得られた収益でお金を稼ぐタイプのことだ。
お金持ちになれないタイプは
ここで島田氏がはっきり語ったことがある。「この図の左側(EまたはS)にいては、お金持ちになることはできません。たとえば従業員の中でも重役クラスや特別な技術で高い給料をもらっている人もいますが、この場合は稼ぐ金額が大きくなれば、出て行くもの(支出)も大きくなっていきます。自営業者の場合、自分の仕事量で稼ぎが決まってしまう以上、一日の稼ぎには限度がありますし、自分が病気などで働けなくなったらこのシステムは機能しません」
つまり金持ちになるにはBかIになる必要があるということだ。しかし自分が今は従業員だからといって、急に仕事をやめてビジネスオーナーや投資家になる必要はない。従業員で得られた給料から少しずつ投資に回していき、自分の中で投資家の部分を徐々に増やしていく方法もある。いずれ投資だけで生活が出来るようになれば、従業員をやめて投資家に専念すればいい。
「でもこの方法だと時間はかかります。お金持ちになる近道は、やっぱりビジネスをすること。ここで重要なのは、自分がいなくてもビジネスが回るシステムを作ることです」と島田氏。「もちろん、ビジネス立ち上げの最初には、自分が中心となって一生懸命働かなければなりません。私がスカイランドトラベルという会社を借金して買ったのが1996年でした。買った時には三人いた従業員も、私が行ったら一人もいなくなっていて、最初は友達に電話番を頼んだほど。それを軌道に乗せるまではせっせと働きました。大事なのは、そのビジネスを育てていって、自分がいなくても回るようにしていくことです」
お金持ちになるタイプになる
また自営業者の場合は、それをビジネスに発展させれば前出のクワドラントの右側に移行できる。ビジネスで成功するためには、自分よりも高い能力や知識を持った従業員やアドバイザー(弁護士や会計士など)を雇い、彼らにいい仕事をしてもらえばいいわけで、自分自身がその道のエキスパートになる必要はない。
ただし、中には例外もある。「たとえばタイガーウッズ。彼はゴルフをプレーするだけで何ミリオンドルというお金を稼いでいますが、別にお金儲けをしようとしてプレーをしているわけではありません。ゴルフが好きで好きで努力してきたことと、天才的な才能で今のステータスにたどりついたわけです」
「今日は若い方も多数参加されていますが、もし何か得意分野があるのだったら、これからその道を極めていくというのもお金持ちになるひとつの方法です」
島田氏は話を進める。「ビジネスオーナーでお金持ちになる人もいますが、最終的には稼いだお金で資産を作り、そこから投資をしていかなければ、なかなかお金持ちにはなれません。ビジネスオーナーは、雇った人が自分のためにお金を稼いでくれたわけです。投資家は、投資したお金が貴方のために稼いでくれます。お金がお金を生んでいき、その増えたお金がより多くのお金を生んでいくわけです」
(前編終了。来週はお金持ちになるルールをより具体的、実践的なレベルで島田氏が解説する)
(取材 平野直樹)