SPECIAL 2006

2006年10月12日 第42号 掲載


バンクーバー日本語学校並びに日系人会館
創立100周年記念祝賀晩餐会開催


鏡開き。鏡は円満を、開は末広を現すという。
左から、ムーア議員、雑本名誉理事、大塚総領事

100周年バースデーケーキ。最後には出席者に振る舞われた

「ありがとう」と日本語であいさつを締めくくる、サリバン・バンクーバー市長

子ども達と一緒に100周年バースデーケーキカット。ナイフを入れるのはムーア議員

在校生からの"Happy Birthday"

ステージの最後を飾る、琉球太鼓

 今年創立100周年を迎えたバンクーバー日本語学校並びに日系人会館で、10月7日記念の祝賀晩餐会が開催された。卒業生や在校生、日系コミュニティ関係者など約350人が出席。創立100周年記念イベント最後を飾るに相応しい華やかで楽しい晩餐会となった。

 スティーブストン・テラ太鼓の力強い和太鼓で開幕した会には、日系コミュニティを共に支える各界から多くの祝福の言葉が寄せられた。

 連邦政府カナダ民族遺産・女性の地位省ベヴァリー・J・オダ大臣に代わり出席したジェームス・ムーア議員は、「この記念すべき歴史的瞬間に参加することができて光栄に思います。今回出席できなかったオダ大臣の母親はここの生徒だったと聞いています。日系人のこの国への貢献はこの国の歴史と共にあるといっても過言ではありません。ハーパー首相、小田氏に代わって、心から創立100周年のお祝いと、日系人の貢献に対して敬意を表します」とあいさつ。リビー・デイビス連邦議会議員も、お祝いの言葉と、「1976年のジャパニーズ・カナディアン100周年のこともよく覚えています」と日系人にとってこの土地、この建物に対する特別な思いに感銘した思い出を語った。

 サリバン市長は、バンクーバー市役所で24時間体制の日本語サービスが始まったことを知らせ、「バンクーバーで最も歴史が長いコミュニティのひとつとして、次の100年に向けて成功をお祈りします」とあいさつした。

 大塚聖一在バンクーバー日本国総領事は、日本語学習だけでなく、歴史的に貴重な建物として、日系の歴史そのものとして、そして「日系人にとって大切な場所としての存在意義がここにあると思います」と述べた。
 
 この日のために用意された日本料理の数々と楽しい顔、懐かしい顔に出逢う喜びに満ちた会場は、楽しいおしゃべりと笑顔で溢れた。

 ステージでは、2歳から88歳までの同校生徒、卒業生、スタッフ、学友会メンバーによる歌の披露や音羽流日本舞踊、琉球太鼓など最後まで華やかでにぎやかな催し物が人々の目を楽しませていた。

 100年目の誕生会は、激動の歴史を生き抜いてきた日本語学校と日系コミュニティに確かな足跡を残すと共に、次の100年に向けて新たな一ページを開いた特別な日となった。

100年分の思い出

 1941年以前の同校卒業生で作られている学友会。この日は多くの学友会メンバーが参加。昔話に花を咲かせ、在校生たちとステージで歌を披露するなど、元気な姿を見せた。

 もうすぐ89歳になるというエザキフミコさんは1917年生まれ、24年から33年まで日本語学校に通った。「当時はパウエルストリートに住んでいたからね。こうして元気でみんなと一緒に食事ができて嬉しい」と語る。「耳が遠い以外はどこも悪くないのよ」と大きく笑う。

 戦前バンクーバーで活躍し、カナダ野球の殿堂入りした『朝日』ベースボールチームの一員で、同校卒業生のケイ・カミニシさんは、「懐かしいですね」と目を細め、「この(学校の)裏で、よくソフトボールなんかをしていたんですよ」と当時を思い出す。




和やかな歓談のひととき。中央は、「朝日」のカミニシさん


 学友会代表のフレッド・スナハラさんは1941年、戦前最後の卒業生。「この学校がこんなに長く続いて嬉しいですね」と笑い、「この学校や建物のバックグラウンドや歴史などを子ども達や街の人にもっと知ってもらえるといいですね」と語った。

未来に向かって

 現在同校生徒は約200人。国籍もさまざま。同校年少組「こどもの国」の本間真理園長は、「100年という歴史はすごいですよね」とその間にここを巣立っていった生徒達に思いを馳せた。「これからはこの建物が日本語だけでなく、日本文化を伝える場であり、日系人の故郷のような場所になっていけばいいと思います」

 新納基久理事は、「100周年という節目の時にここにいられるのが不思議な感じです」と語り、長い歴史の中でこの学校と地域が日系コミュニティに果たしてきた役割は、「日本人にとっての故郷としての意味があると思う」と言う。「これからは日本の文化を子ども達、そしてカナダの人々に伝えるのが使命だと思っています」

 すでに月に一度の日本文化体験プログラムが始まって3年になり、年間約1000人が参加している。


日本から駆けつけた目白学園大学代表の佐藤さん(左)。右はVJLS-JHのリカ宇都さん

最後のメインイベント、50/50の当選クジを引く88歳のエザキさん



 

 

 

 


100年の歩み
 創設1906年1月。7月には439アレキサンダー通りに木造校舎が完成する。この一帯は日本人が多く住む『ジャパンタウン』として繁栄、多くの子ども達がここで日本語を学ぶ。 年日本語学校並びに日本人会館が完成。現在もその当時の外観を残している。多い時には1000人以上の生徒が学んでいた時期もあった。

 41年から太平洋戦争勃発による日系人強制移動政策により学校は閉鎖。11年後の52年、ようやく学校としての機能を復活、戦前からそのままの姿を留める日系所有の唯一の建物として日系コミュニティに引き継がれている。95年、バンクーバー市歴史保存建造物に指定された。2000年には5階建ての新校舎が完成、現在に至る。1937年には秩父宮殿下ご夫妻、65年には三笠宮ご夫妻、2004年には高円宮久子さまがご来校、100年の歴史に華を添えている。

(取材 三島直美)


バンクーバー日本語学校並びに日系人会館
 幼児から大人まで、幅広い年齢層を対象にレベルに応じた日本語を教えるプログラムを提供している。さらに、日本文化の伝承としての役割も担い、少林寺拳法や書道などアートプログラムも行っている。

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