SPECIAL 2006
2006年9月14日 第38号 掲載
![]() インタビューに応じるジェフ・ブラウンさん |
![]() ヒマラヤ国際映画祭でインタビューを受けるジェフさん |
![]() "Mrs. Wetherby's Treasure"の撮影風景。左はジェフさん |
![]() NHKの撮影所内 |
![]() 東京のレストランで |
![]() 撮影の舞台裏。右がジェフさん |
チベットのギャルテン・リンポチェ(Gyalten Rinpoche/リンポチェとは高僧のこと)を追いかけたドキュメンタリー映画『Call
It Karma(邦題/チベットの高僧)』が、8月14日から東京で開催された「ヒマラヤ国際映画祭Tokyo2006」で上映された。監督として招待され訪日したジェフ・ブラウンさんに、映画祭や東京の印象、今後の作品などについて話を聞いた。
「ヒマラヤ国際映画祭Tokyo2006」について
まずは、東京で行われた「ヒマラヤ国際映画祭Tokyo2006」の感想について聞かせてください。
「私の作品は期間中に3回上演されたんですが、おもしろかったですね。自分の映画に日本語の字幕がついたりして」
観衆の反応はどうでしたか?
「よかったと思いますよ。結構多くの方に見てもらったし、コメントや質問などももらいました。舞台あいさつもやったんですよ。日本語であいさつも考えて。例えば、『今日は来てくれてありがとうございます』とかね。でも、お客さん笑いもしないし、無反応で(笑)。あとで友達に聞いたら、どうやら私の日本語がおかしかったみたい(笑)。映画に関しては、はっきりいつとはわかりませんが日本のテレビで上映される予定です」
東京で何かおもしろい体験はしましたか?
東京に行くのは初めて?
「東京には以前にも行ったことがありました。その時は私用でしたけど(笑)。東京はいつ行ってもおもしろい街ですね。今回は、NHKインターナショナルが主催で、共催がNHKだったので、同局のテレビドラマのセットなんかも見学させてもらいましたよ。ドラマの名前はちょっと忘れましたけど(NHK大河ドラマ「功名が辻」を見学)。興味深かったですね。私も東京で仕事ができればおもしろいだろうなと思いました(笑)。その他にも渋谷とか浅草寺とか東京のいろいろな所をツアーみたいにして案内してもらいましたよ」
『Call It Karma(邦題/チベットの高僧)』について
この作品を監督する経緯については前回のインタビュー(2005年第2号掲載)で話されていましたが、なぜそんなにチベットに惹かれたのですか?
「偶然といえども最初にチベットに行ってからはチベットの虜になりましたよ。チベットという街にもそこに住む人たちにも。これが私の最初の西洋文化からまるっきり離れた経験でした、何もかもが新鮮でした。この映画は私にとって人生を180度転換させた映画になりました。バンクーバーでリンポチェに会ったのも運命的でしたよね。彼の話にはほんとに惹かれました」
アジアには興味があったのですか?
「よく聞かれる質問ですね(笑)。正直言うと、こどもの頃忍者が流行ってて、ハロウィーンなんかではいつも忍者でしたよ(笑)。バンクーバーでは『無料で日本を教えます』といったものに参加したりして。アジアの言葉ってすごく『外国語』なのでかっこいいなぁとその辺がアジアへのほんとの始まりだったというか。そういった潜在的になんとなく興味があったものが、偶然とは言え実際にチベットに行ってますますおもしろくなったというか」
映画の撮影のために2回チベットに行っていますが、一体バンクーバーからチベットまでどれくらいの時間がかかるのですか?
「すごくかかります。ハハハ・・・。映画は見てもらいました?」
はい。
「あれは、2回目にチベットの村を訪れた時はリンポチェが一緒じゃなかったんですよ、実は。横にいるように見えますけどね。その時は、バンクーバーから北京で一泊して、途中もう一カ所中国の空港を経由して、チベットのラサに着く。そこでまた泊まって、それからリンポチェの村まで車で移動。17日の撮影旅行で、実際にチベットの村にいるのは3日ぐらいでラサに3日、土を踏んでいたのは7日ほどで後はずっと空の移動ばっかり(笑)。それでも、苦労しがいのある貴重な経験になりました」
これからの作品
今後の予定は?
「今現在構想を練っているのは、戦前にあったバンクーバーの日系カナダ人の野球チーム『Asahi』ですが知っていますか?」
ええ、知っていますよ。『Asahi』がカナダの野球殿堂入りをしたときに選手の方々にお話を伺ったことがあります。
「そうですか。その映画のためのリサーチをしているところです。脚本の構想もだいたいできあがっています。東京にいる時に、日本で一緒に映画を撮ってくれるスポンサー的存在がいないかとも思っていろいろあたってみましたよ。実際完成するのはいつになるかわかりませんけどね(笑)」
今回もドキュメンタリーですか?
「いえ、ドラマになると思います。ドキュメンタリーではなくて、そろそろドラマを撮りたいと思っているので」
『Call It Karma』の後、『Catching the Chameleon』(ドキュメンタリー)を撮ったりと忙しそうですね。
「そうですね。あの映画以降はとても忙しくなりましたね。『Chicken Soup for the Soul』という本を知ってますか? あれは短編の物語集ですが、その中のひとつ『Mrs.
Wetherby's Treasure』を監督しました。これは監督だけでしたけど、『Call It Karma』の時と違って、出演者や大勢の制作スタッフなど大きなセットで撮るのは楽しかったですね。チベットでは、スタッフは私一人、機材は私のカメラのみでしたからね(笑)」
前回のインタビューの最後にまたチベットに戻ってきたい、映画を撮りたいといったニュアンスの言葉がありましたが?
「そうですね、また別のチベットについてのドキュメンタリー映画の制作に取りかかっています。それに、『Call It Karma』の第2弾の話も出てますよ。それから将来チャンスがあれば、日本でコマーシャルを撮りたいですね。日本でコマーシャルを撮ったり監督をしたりするのがどんなものか経験してみたいです。アジアはとにかくおもしろいです。エネルギッシュで、パワーがあって、これからももっと関わっていきたいと思います」
今回は、映画の構想を練るためにフランスに発つという直前の忙しい合間を縫ってインタビューに応じてくれたジェフさん。今計画、制作している映画は5本もあるという忙しさ。これからも、日本と関わりを持ちながら、いろいろなアジアの国々を紹介できる映画を撮れれば楽しいと笑って語った。
(取材 三島直美)
| ジェフ・ブラウン(Geoff Browne)さんプロフィール |
| 21歳の頃から本格的にフィルムの世界に入る。20代の頃にはロシアやアジアなどを中心に世界各地を巡ってドキュメンタリーを撮影。2004年に発表した"Call It Karma(邦題/チベットの高僧)"が、2004年ウィスラーフィルムフェスティバルでBest Adventure Film賞を受賞する。その他にもコカ・コーラやFox World Sportsなど、コマーシャルも多く手掛けている。"Call It Karma"はVideomatica(1855 W. 4th Ave Vancouver)で、DVDがレンタル・購入できる。 |