SPECIAL 2006

2006年7月6日 第28号 掲載


訪日旅行促進キャンペーン
ようこそ ! Japan


あいさつする多賀敏行在バンクーバー日本国総領事

JETプログラムの経験者、JETAABCの皆さん

約140人のバンクーバー地元旅行関係機関と日本をプロモートするサプライヤーが参加

 ルネッサンス・バンクーバー・ホテルで、6月15日、日本の国土交通省主催による、Yokoso ! Japan show caseが日本への旅行を推進するビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)のイベントとして行われ、約140人のバンクーバー地元旅行関係機関と日本をプロモートするサプライヤーが参加した。

 このVJCが始まった経緯は、国土交通省が、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」に基づき、外国人旅行者の訪日を促進する「グローバル観光戦略」を関係府省と協力して策定したことがきっかけである。日本人の年間海外旅行者が約1600万人であるのに対して、日本を訪れる外国人旅行者はその3分の1以下である約500万人に過ぎなかったことから、このキャンペーンにより日本への外国人訪問者を増やし、その格差をできる限り縮めることが目的である。そのため、2010年までに1000万人の訪日外国人誘致を実現することを目標としている。キーワードは「ようこそ」という言葉。「ようこそ」は、日本へ来てくださった方に対する感謝の意と、もてなしの心を表現している。

 国土交通省の大臣官房審議官(国際担当)(Assistant Vice Minister for International Affairs, Minister's Secretariat)の前田隆平さんの歓迎の辞では、このキャンペーンの趣旨と、日本の素晴らしい伝統、自然だけでなく新しい文化も紹介していきたいこと、キャンペーンが実際に始まった2003年から去年までに世界各国から日本への外国人訪問者が実際 %増えていることから、カナダから日本への訪問者もさらに増えていって欲しいと語った。

 続く、多賀敏行在バンクーバー日本国総領事からのあいさつでは、若い人たちが日本へ語学を教えに行くJETプログラム(Japan Exchange and Teaching Program)で様々な経験を積んでいることを先日JETプログラム参加者から聞くことができたこと、日本とカナダの間で を超える姉妹都市関係が結ばれていること、若い人が働きながら海外生活ができるワーキングホリデー・プログラムの紹介などを例に出し、日本とカナダの交流が深いことから、カナダに住んでいる人が日本にさらに興味を持ってもらえるよう、プロモートしていって欲しいと語った。

 また、尺八の演奏や、実際JETプログラムの経験者から成るJETAABC(The JET Alumni Association of British Columbia)から3人のユーモア溢れる日本体験記のスピーチがあった。国土交通省旅行振興課の田口芳郎さんによるVJCのプレゼンテーションおよびDVD放映では日本の伝統と現在の姿、四季の美しさが大きな画面に映し出された。

 日本とバンクーバーからの9つのサプライヤー(愛知県、エアー・カナダ、ANA、JAL、グローバル・パートナー・インスティチュート、ホテルグランビア京都、国際観光振興機構、JR東日本、JTBグローバル・マーケティング&トラベル、ル・メリディアン・グランド・パシフィック東京)から、それぞれ日本のよさと独自の組織をアピールするユニークなプレゼンテーションが行われた。

Yokoso! Japan オフィシャルウェブサイト
http://www.vjc.jp/
http://www.japantravelinfo.com/

(取材 上田由美)

 

 

 

 

ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)とは
 日本を訪れる外国人の数は、海外に行く日本人の数に比べると格段に少ない。そこで、外国人にもっと日本の魅力を知ってもらい、日本に来てもらおうと、国と民間企業が一体となって推進しているのが「ビジット・ジャパン・キャンペーン」だ。もちろんカナダもターゲットであり、バンクーバーでイベントも行われた。そんなキャンペーンの概要を、来加中の国土交通省大臣官房審議官・国際担当の前田隆平さんにお聞きした。

年間1000万人が目標
 ビジット・ジャパン・キャンペーンは、2003年にスタート。2010年に訪日旅行者数を年間1000万人まで増やすことを目標にしている。「2005年の訪日旅行者数は673万人。同年の日本人の海外旅行者数は1740万人で、約3倍です。この差を埋めて、日本を諸外国の方々に、より理解してもらうのが目的です」と前田さん。

 キャンペーン開始から今年で3年目だが、徐々に効果は現れているようだ。「2002年の訪日旅行者数は524万人。2003年は、SARSの影響が大きく横ばいだったものの、2004年は614万人、2005年は673万人と増え続けています」。2006年の目標は750万人。1〜4月の時点で約238万人となっており、昨年同時期より9.2%の伸びを示している。

まだまだ知られていない日本
 キャンペーンは2本の柱で成り立っている。ひとつは日本を外国にPRすることだ。
 「本当に日本はまだ、外国の人に知られていないんですよ。例えばアメリカでも、少し田舎に行くと、東京は知っていても京都は知らないというのが現状です。それに、『日本は先進国だけど、(観光で)見るものは少ない』というイメージも。それは日本に関する情報が少ないからです。ですから、外国メディアの方を呼んで日本を案内し、観光資源や文化、自然を見てもらうなど、情報発信を行っています」

 もうひとつは、日本に行くための「手段」の提供だ。「外国の旅行会社に、パッケージツアーなど、日本を訪れるための旅行商品を作ってもらうのです。そのため、外国の旅行会社を日本に招き、案内するなどしています」。今回、バンクーバーで開催された「ジャパン・ショーケース」もそのひとつで、カナダの旅行関係者を招いた商談会が行われた。

新幹線が観光資源に

 2005年に日本を訪れたカナダ人の数は約 万人。国別に見た訪日旅行者数のランキングでは8位と高位を占めている。そのため、カナダは2005
年の重点地域のひとつに。特にアジア系住民の多いバンクーバーは期待度が高い。
 カナダ人旅行者は、一体、日本のどんな点に関心を抱いているのだろうか?カナダ人のみの統計はないが、欧米諸国全体の傾向として、京都・奈良観光などを含む日本の伝統文化に興味を示す人が多いそうだ。
 「ただ外国人の場合、観光ニーズは非常に多様ですね。例えば台湾人には、本来オフシーズンの、冬の北海道が人気。また『海岸線の美しさ』『新幹線』などに惹かれる人もいます。何が観光資源として求められているのか、こちらも考える必要があるんです」と前田さん。それゆえ、京都や奈良といった観光都市のみならず、地方にも、日本人が気づかない観光資源があるはずと言う。「このキャンペーンは地方自治体とも連携しています。地域活性化や地域の国際化につながれば」と期待を込める。

草の根の日本PRを!
 今回のバンクーバー訪問では、「ジャパン・ショーケース」のほかに、キャンペーンの現地推進会も立ち上げられた。多賀敏行在バンクーバー日本国総領事を筆頭に、日系企業などが参加し、地元の人に対して、草の根的な日本のPRを行っていくと言う。

 前田さんはさらに「在住者のみなさんにも、日本のPRに協力していただきたい」と言う。「日本には、伝統文化や、カナダの雄大な景観とはまた違う、繊細で優美な自然などがあります。カナダから見ると、日本は距離的に遠い国ですが、訪れる値打ちのある国であることを、カナダの方々にも理解していただきたいと思っています」

(取材 宗圓由佳)

 

 


国土交通省の大臣官房審議官
(国際担当)前田隆平さん