SPECIAL 2006

2006年6月1日 第23号 掲載


全身が震える迫力
歌の祭典・2006
情熱と気迫に喝采!


ステージの余韻にひたりながら出場者およびスタッフ全員で。


オープニングはグラッドストーン日本語学園の子どもたちの明るい声で


歌声ステージでは懐かしの曲を会場と共に

 5月19日の夜、マイケル・J・フォクスシアターで紅白歌合戦を思わせるバラエティに富んだ歌謡ステージが華々しく繰り広げられた。

■第一部は、
 グラッドストーン日本語学園の子どもたちの可愛い歌声で幕開け。平居美也子さんが手がけた花のあふれるステージにお茶目な子どもたちが並び、観客の気持ちがなごんだところへ、実力派の地元アマチュア歌手が次々とのびやかな歌声を披露した。

 競馬の実況中継のセリフを交えて「走れコータロー」を歌う青木ケンさんの周りでは、秋田谷リックさんがおもちゃの馬にまたがってステージを駆け巡った。華麗なフラメンコの舞いで観客を魅了したのは荒巻奈々子さん、荒巻麻梨子さんのお二人である。次第に会場のボルテージが上がってきたところで「歌声ステージ」に突入した。これは日頃、「歌声喫茶」と称して集う仲間たちが舞台に立ち、会場の人々と共に歌うという趣向である。前田多枝さんのピアノ伴奏で皆がほがらかに「春の小川」そのほかを歌唱し、「津軽海峡冬景色」の曲の際にはバイオリン奏者の田川徹さんが伴奏を担当し、一味違った「歌声」を楽しんだ。

■第二部では、
 司会を村上桂子さんから、やまと奈緒美さんにバトンタッチ。舞台の節目節目には、辰己会による日本舞踊が、きりりとした雰囲気をかもし出していた。

 地元の歌い手からは地元カラオケ大会で活躍する赤木加代子さんが白地の振袖姿で「夜桜お七」を歌いあげ、舞台ではスペンサー幸子さんと板垣多恵子さんの踊りが花を添えた。同じく地元からは渡邉宣之さんが、ご自身のロマンが伝わってくるようなさわやかで心温まる歌「ひとりじゃないね」ほかを披露した。

 このステージのためにと招かれた加賀美ケンさんと大城清子さんは、この場が日本であると錯覚させるほど、演歌の世界を見事に繰り広げてくれた。ロス在住の加賀美さんの威勢が良く切れの良い歌声は、会場の熱気を盛り上げるのに十分で、世界カラオケ大会優勝経験の実績は大いにうなづけることだった。彼の歌を聴いて全身がしびれる経験をしたのは筆者だけではないだろう。

 そして、「歌の祭典・2006」本命の大城清子さん。握ったこぶしに力を込めて見得を切る姿、張りのある声と胸のすくような歌いっぷりは、プロ第一線の演歌歌手にひけをとらない。「梅川」の曲では、情感たっぷりのセリフと演技を交え、観客をしっかりと見据えて歌った大城さん。主催者が大城さんの還暦記念公演として、「特にこの歌を聴きたい」と、企画準備 に大きな情熱を傾けてきた理由がはっきりとわかった。

■フィナーレは、
 出場者全員が舞台に出て、「ありがとう・・・感謝」を斉唱。バラエティに富み、趣向が凝らされた魅力いっぱいのステージは、終了後、観客と出場者双方の満足した表情が会の成功を語っていたようだ。

 なお、この企画は猪腰洋三(いのこしひろみ)さんが代表を務めるグループ99の主催であり、中野義達さんによって作られたステージ台は会の終了後にマイケル・J・フォックスシアターへ寄付されている。

(取材 平野直樹)

 


左から渡邉宣之さん、前田多枝さん、加賀美ケンさん、大城清子さん、赤木加代子さん 

演歌の心を会場中に届けた大城清子さん(シアトル在住)

わずか一小節の歌唱でも
本物とわかる、
実力派の加賀美ケンさん