MAPLE 2006

2006年10月12日 第42号 掲載
 
祝NHL2006-07シーズン開幕!
新制カナックスの今期を大胆予想!


 National Hockey Leagueの2006・07年シーズンが、10月4日の公式戦を皮切りに開幕した。バンクーバー・カナックスは10月5日デトロイトでのレッドウィングス戦が今季の初戦。そこで今回はシーズン開幕を祝してカナックスの今季を予想してみよう。
 


 


新制カナックス、大解剖!


 昨季のヘボかったカナックスのことなどすっかり忘れて、今季カナックスのフレッシュな顔ぶれを大解剖してみよう。

 と、その前に昨季シーズンオフのおさらい。昨季シーズンオフバンクーバーに衝撃を与えたニュースといえば、なんといってもFWバツゥージとGKルオンゴの電撃トレード。バンクーバーで何かと話題のネタになるゴーリーにカナダ代表クラスの選手が入団したのはいいが、カナックスのスーパースターがいなくなったのは「バンクーバー」というチームに何ともぽっかりと穴が空いたような感じがした。さらに、クロフォード監督、GKクルーチェ、守りの要DFジョボノフスキーまで放出。FWルーツー、GKオールドとそれこそカナックスの核としてフル回転した選手を惜しげもなく大盤振る舞い。3年経ってやっとバークGMからノーリスGM色の濃いチーム作りに乗り出したシーズンオフだった。


カナックスの今期を大胆予想


 さて、ここまできて今季のカナックスを大胆予想といきたいところだが、なにしろ全くの手探り状態で、ホッケー解説者や地元リポーターの間でさえ、その意見は二分するところ。メジャー級の選手放出で、一からチームを立て直すためプレーオフにさえ出られないのではないか、という意見がある一方、GKルオンゴを破格の金額で獲得、監督とバツゥージとの確執に両者を放出することで解決を図るなどGMの今季に懸ける並々ならぬ思いがみられるため、うまく機能すればプレーオフのいいところまではいくのではとの予想もある。

 が、現実に目を向けて、うまくいってプレーオフ進出ではないだろうか。なんといっても得点力がどれほどなのかが全く読めない。第1ラインのナズランド、セディーンズでどれほど得点を獲れるのか。第2ラインはモリソン、パイアット(9)、ブリス(38)、第3ラインのバロウズ(14)、ケスラー(17)、クック(24)もかなり未知数。守備はGKルオンゴを要にオーランド、サロー(6)、ミッチェル(8)などが固めることはある程度予測できるが、といったところである。

 あくまでも予想は予想。周りの喧騒をよそにヴィニィアルト新監督体制のもと、力を十二分に発揮して今季こそ上を目指してほしいというのが本音。ちなみにカナックスはまだ一度もスタンレーカップを手にしたことがないのである。スタンレーカップを高々と掲げるナズランドを見てみたいのものである。。
 


新制カナックス、白星発進!


 10月5日、カナックスの今季がスタートした。前評判とは裏腹に、新制レッドウィングス相手に3−1とヴィニィアルトカナックス初陣は白星発進。

 スコア3という得点もさることながら、この日光ったのはなんといっても守り。GKルオンゴの精彩な動きと、9つの相手パワープレーを全て無得点で乗り切る堅守に新しいカナックスのスタイルを見た気がした。
 

 
今年のカナックスはディフェンスが鍵。
新加入のDFミッチェル(左)にも
オーランド、サローと共に大車輪の働きが要求される


アイスタイム


 いよいよ開幕したNHL。昨季オフは各チームとも選手の入れ替えが激しく、戦力地図も大きく様変わりした感がある。その原因は、NHLに押し寄せる世代交代の大きな波と03・04シーズンを棒に振ってまで行き着いたサラリーキャップ(年俸制限制度)導入にある。

 サラリーキャップについての詳しい解説はいずれまたすることにして、とにかく高年俸選手を多く抱えていたチームがスタンレーカップ常勝チームという構図は解消されつつあるように思う。

 昨季の覇者ハリケーンズも、対戦したオイラーズもいずれも、低予算チームだった。

 そういう意味では、NHLが面白くなったし、カナックスはじめ、「カナダ在郷チームにスタンレーカップを」という大きな期待が持てるようになったことはファンにとってプラスだろう。

 プロスポーツの定めとはいえ、「お金がすべて」という戦力構図から脱却するシーズンを期待したい。

(取材 三島直美)
(Photos by Jeff Vinnick / Vancouver Canucks)


チケット、スケジュールなどの詳細は、http://www.canucks.com/ 参照。
 


●主要選手紹介●

 

キャプテン 19 LW マーカス・ナズランド

 カナックスで今季8シーズン目。2000年シーズンからキャプテンを務める。03・04シーズンには最も活躍が顕著だった選手に送られるthe Lester B. Pearson Awardを受賞。毎年得点王争いにも食い込むなどカナックスになくてはならない存在。02年冬季オリンピックにはスウェーデン代表として活躍。スウェーデン出身。 

 

22 LW ダニエル・セディーン(左)
33 C ヘンリック・セディーン(右)

双子の兄弟で、2000年シーズンから2人一緒にプレーしている。ラインも常に同じで、息のあったプレーが魅力。今季はナズランドと第1ラインでフル回転の活躍が期待される。スウェーデン出身。

 

 
2 DF マティアス・オーランド

 1997年からカナックスとして活躍。以来NHLではカナックス一筋。毎年最もアイスタイムが多い守りの要。98年長野オリンピックスウェーデン代表として日本を訪れたこともある。02・06スウェーデン代表。スウェーデン出身。

 

7 C ブレンダン・モリソン
 アシスタント・キャプテン。1999・00年シーズンからバンクーバーに。昨季まではナズランド、バツゥージと第1ラインで活躍。派手さはないが確実なプレーで2人の得点マシーンをアシスト。今季は第2ラインでゴールを生むプレーが期待される。ピット・メドウ(BC)出身。
17 C ライアン・ケスラー
 03年バンクーバードラフト1位選手。昨季はシーズンを通してバンクーバーでプレーしたものの期待はずれの結果に。今年こそその実力を発揮してもらいたいカナックス期待の若手選手。
16 C トレバー・リンデン
 アシスタント・キャプテン。1988年ドラフト1位でカナックス入団以来、カナックスの顔として活躍。91年からは21歳の若さでキャプテンを務め、94年カナックスがスタンレーカップファイナルまでいった時の経験を知る唯一の選手。98年シーズンから5年間カナックスを離れたが02年にカムバック。カナックスファンのみならずバンクーバーが大歓迎した。いわずとしれたMr.カナックス。昨季まではNHLPA代表も務めたNHLの顔でもある。メディスンハット(AB)出身。
1 GK ロベルト・ルオンゴ
 今年一番の注目選手。フロリダ・パンサーズからトレードで今季からカナックスに。その実力は、カナダ代表として04・05シーズンワールドカップに出場。03・04シーズンには最優秀ゴールキーパーに送られるthe Vezina Trophyの候補選手として名前が挙げられたほど。27歳の若手GKがバンクーバーでどんな活躍をするのか街全体が見守っている。モントリオール(QC)出身。
アラン・ヴィニィアルト監督
 今季から第16代カナックス監督に就任。NHLでは97−01モントリオール・カナディアンズの監督を務めた。昨季はカナックスのマイナーチーム、マニトバ・ムースで監督として指揮。今季の若手起用にその手腕を発揮することが期待される。ケベック出身。