MAPLE 2006

2006年2月23日 第9号 掲載
 

え、冬のオンタリオがおもしろい!?
寒いからこそ楽しい ウィンター・ワンダーランド


 オンタリオ州は「冬の本場」。ナイアガラの滝は凍りつき、オンタリオ湖の岸辺には流氷がやってきます。マイナス10度以下の気温はアイスワインの収穫にはベストコンディション。果てしなく続くスノーモービルの専用路から犬ぞりのルートまで、冬ならではのアクティビティもいっぱいです。トロントでは市役所の前の広場がアイスリンクに変身するし、冬はコンサートやシアターのシーズン。もちろんアイスホッケーの試合で熱く盛り上がるのもこの季節ならでは。そして何より、輝くような冬の青空も待っています。寒いからこそ楽しいオンタリオへでかけてみましょう。
(取材・文 宮田麻未 写真 神尾明朗)



例年なら、こんな風にしっかり凍っているはずのナイアガラの滝だが・・・

犬もおしゃれに冬支度

「白いナイアガラ」を眺めながらワインを味わおう


  真冬になると、ナイアガラの滝周辺は氷が積み重なり、白い氷の宮殿のようになります。晴れた日なら、滝の水煙が空中で凍りつき、太陽にキラキラと輝くエンジェルダスト状態を見ることもできるのです・・・例年なら冬のナイアガラは、こういう風に紹介されるのですが、オンタリオ州南東部は、今年は異常と言っていいほどの暖冬。それでも、雪や氷で化粧した滝の美しさは冬ならではです。夏のシーズン中はいつも人でいっぱいの滝周辺ですが、冬になるとさすがに人影も少なくなります。こんなときの方が、しみじみとこの大自然の驚異を堪能できるでしょう。

 冬は、ナイアガラ周辺のホテルも手ごろな値段で宿泊できます。滝が見渡せる部屋を指定して、温かい自室からゆっくり見物するのがおすすめです。暖炉のついている部屋なら、より冬の旅らしい思い出になることでしょう。そんなときは、ナイアガラ産のワインもお忘れなく。食後のデザート代わりにアイスワインを楽しむのがベストです。お酒は苦手という人には、バニラアイスにアイスワインを少しかけてみてはいかが?ロマンチックな雰囲気を静かに盛り上げてくれることでしょう。

 ナイアガラのワイナリー巡りも冬ならゆっくりと楽しめます。人気のあるワイナリーでも、冬なら試飲室のカウンターが人でいっぱいということもめったにありません。ワイナリーの人とじっくり相談しながら、飲み比べてみましょう。ナイアガラのワイナリーは、まだまだ規模の小さいところが多いので、試飲室でなければ入手できないワインも少なくありません。お気に入りのワインに出会えるかもしれませんね。


ワインはじっくり試飲できるワイナリーで選びたい

アイスワインをかけた贅沢な
アイスクリーム
 

『ロード・オブ・ザ・リングス』の世界初公開を見に行こう


 トロントにも冬ならでは楽しみがたくさんあります。この都市は、カナダの、いや北米屈指のエンターティンメントのメッカ。話題の作品が、ニューヨークよりも早く見られることも時々あるほど。今月オープンしたばかりのミュージカル『ロード・オブ・ザ・リングス』(www.lotr.com )もその1つ。世界初のプレミア公演です。

小説や映画でファンになった人も多いでしょうが、舞台で見ると物語のイメージがさらに広がります。人間の肉声を通して語られ、歌われるファンタジーの迫力に圧倒されるでしょう。映画とは全く違う「特殊効果」技術もみどころです。この作品が上演される、プリンス・オブ・ウェールズ劇場は、93年にオープンしたものですが、音響効果の素晴らしさやハイテク技術を駆使した舞台装置など、ミュージカルの上演には北米で最も適した劇場の1つといわれています。

 トロントには、エレガントなロイヤル・アレキサンドラ劇場から、クラシック音楽の殿堂ロイ・トムソン・ホールまで、大小の劇場やコンサートホールが集まっています。冬はミュージカルやオペラなどのシーズンでもありますから、チケットマスター(www.ticketmaster.ca)で、情報の入手やチケットの予約をして出かけましょう。現地では、イートンセンターの向いの広場にあるT.O. TIXもぜひチェックしてください。当日券が半額で入手できる可能性があります。

 もちろん、トロントはショッピングのメッカ。ダウンタウンのビルのほとんどは地下道で連結されているので、外の冷たい風に触れることなく、モールからモールへとショッピング・ハイキングを楽しむことができます。


トロント市内のあちこちで見かける『ロード・オブ・ザ・リングス』の広告

市役所広場のスケートリンクはトロントの冬の名物


冬のアクティビティならムスコーカ地方がベスト


 トロントの北、約250キロのところにある、ムスコーカ地方からアルゴンキン国立公園にかけての一帯は、大地が燃え上がっているような鮮やかな紅葉で日本でも知られています。たくさんの湖や池と、それを囲む楓などの広葉樹の林、ムースや鹿、きつね、そしてオオカミたちも住んでいるという大自然です。トロントなどに住む人々には、夏の別荘地として人気がありますが、実は冬をアクティブに過ごしたい人にもぴったりです。旅行日程の半分をナイアガラやトロント周辺で過ごし、後の半分でウィンター・アクティビティを満喫するのはいかがでしょう。

 ムスコーカ地方の中心、ハンツビルの郊外にあるディアハースト・リゾートなら、スキーやスケートから、犬ぞりまで、さまざまなアクティビティが用意されています。広大な敷地には、スノーシューをはいて自然観察をしながら散策するルートや、大きなタイヤのチューブに乗って斜面を滑り降りるチュービングの場所なども整っています(このチュービングは、子供向きのシンプルな遊びですが、実は大人の方がはしゃいでしまうようです)。


犬ぞりも人気のアクティビティの1つ

 オンタリオ州の冬のアクティビティで一番人気があるのはスノーモービル。ディアハースト・リゾートでも、厚い氷に覆われた湖の上を疾走することができます。なかなかスリリングですよ。リゾートの敷地内だけではなく、州内には、なんと4万3000キロ(4万6000キロ説もあります!)にもおよぶ、スノーモービルのルートがあるのです。各地のスノーモービル協会が作った地図や標識も整備されており、「スノーモービルでどこまでも大地を走って行こう!」という冒険にチャレンジすることも可能です。ディアハースト・リゾートには、新型のスノーモービルが多数用意されており、日本の運転免許があればレンタルすることもできます。しかし、経験者でないなら、ガイド付きのツアーに参加するのが本当はおすすめです。



大人もつい夢中になるチュービング

スノーモービルのルート標識


 

まだまだある冬のオンタリオの魅力


 オンタリオでオーロラというのは、あまり知られていませんが、実はムスコーカ地方あたりまで北上すれば、天候しだいでオーロラに出会うチャンスは十分にあります。ムスコーカ地方で最も高台に設置されたエコー・バレー天文台(www.naturetrails.ca )で、冬の星空を眺めながらオーロラの出現を待つというのはいかがでしょう。トロントなら、改築中のロイヤル・オンタリオ博物館(www.rom.on.ca )へ行ってみましょう。改修が終わった展示室から順次公開が始まっていますので、最新の展示を楽しむことができます。恐竜などの古生物の展示は見逃せません。

 このように、オンタリオの冬は魅力に満ちています。しっかりした防寒具(帽子、手袋、そして暖かな靴は必携です)を用意して出かけましょう。


エコー・バレーの天文台

06年末には改築が終わる予定のロイヤル・オンタリオ博物館