MAPLE 2006

2006年2月9日 第7号 掲載
 
もっと知りたいチーズのこと
私のチーズノート


 チーズが大好きな私。でも食べるチーズはいつも同じ。カマンベール、クリームチーズ、チェダー、パスタなどに入れるパルメザン。もっと違うチーズを試してみたいのだけど、新しいチーズにトライする勇気がない。まずかったらどうしよう。匂いがきつかったら・・・。そんな私が、今回は3人のエキスパート達の協力を得て、未知のチーズに挑戦。はじめて綴るチーズノートを一挙公開。

(取材 船津美帆)

 

アリサさんお勧めホンヂュレシピは、Swiss Raclette、Vacherin Fribourgioisを合わせて一人分につき150g。最初にシャーロットをいためて、その中に甘めの白ワイン2カップとチーズを混ぜる。

Fortunatoさんお勧め。Fattorie Garofalo(フレッシュモッツアレラ)とトマト、バジルのサラダ。ソースはエキストラバージンオリーブオイルと塩のみ。


「チーズは英語の勉強と一緒です。徐々に難しいものに挑戦していくように、自分の味覚を開発していくことが大切です」とはLes Amis de Fromageのアリスさん。チーズは1年を通して作られるが、一般に春から夏の間に作られたものが上質とされている。

チーズの原料となる乳を出す牛やヤギなどの動物が、青々とした草を食べている間は、クリーミーで口当たりのスムーズなチーズが、逆にヘイを食べる冬に製造されたものは、比較的味が濃くて、口の中で塊感が残るようなものが多い。しかし、決して悪いチーズというわけではない。

味の濃いチーズや少々苦味のあるチーズは、オムレツやパスタソースなどに入れるには、むしろ最適。チーズは同じ種類でも季節や産地によって味が変わる。気に入ったチーズがあれば、同じ産地のもので別のタイプのチーズを試してみたり、また同じ仲間のチーズで少し風味の強いものを試してみたり、徐々に自分の舌に教育を施していくのがチーズ道なのだ。


おいしいチーズを選ぶには


  最初にチーズエキスパート達に尋ねた愚問は、おいしいチーズの選び方について。しかし、いづれの回答も「食べてみることです」と、やや期待外れ。味の好みは人それぞれ。おいしいチーズを見つけるには、ひとえに食べて、自分の好みを知ることから始まるのだ。「初心者はマイルドな白カビチーズなどから初めて、徐々に味の濃いものに挑戦するといいですよ」とLa Grotta Del FormaggioのFortunatoさん。

OYAMAソーセージのアリサさんは「チーズを触ってみて硬いものは若いチーズ、柔らかいものは熟成が進んでいるチーズです。例えばカマンベールチーズは賞味期限の1〜2週間前が食べ頃と言われていますが、若い時はフレッシュ感があるし、芯まで柔らかくなって中身がとろけそうに熟成したものも、風味が加わっておいしいです」と言う。チーズは作りたてがおいしいモッツァレラなどのフレッシュタイプから最長7年間熟成させるハードタイプまで、味も触感も様々。チーズ上級者になればなるほど、味も匂いも強いものを好むというから面白い。



OYAMAソーセージのアリサさん。チーズの他にもスローフードと呼ばれるソーセージやハムなどのグルメフードも充実。

アリスさんの極秘マカロニ&チーズは、Gruyere、Double Gloucesterをメインに好みでComteまたはStiltonを追加するという本格派。



チーズノートからおすすめチーズを紹介


 
チーズテイステイングはワインのそれとよく似ている。いいチーズは口の中で味が広がると言う。チーズは産地や熟成度で味が変化するのはもちろん、ワインと違って料理に加えたり、クラッカーやフルーツなどと一緒に食べると味の全容が変わってくるから奥深い。ワイン好きの人はワインノートをつけるというので、チーズ通になるためにチーズノートなるものを書き留めることに。

まずはテイステイングの基本にしたがって、最初にチーズだけで、そしてワインと一緒に、最後にクラッカーやフルーツなどの付けあわせと一緒に食べる。忘れてならないのは、食べる30分から1時間前に冷蔵庫から出して、チーズを室温に戻しておくこと。そうすることで、口に入れた時にその香りも十分に味わうことができるのだ。ノートにはできるだけ詳しく味の感想や匂い、触感、どんな食材と合性がいいのかを記す。いろいろと試すうちに、次第に自分の好みが分かってくるし、自分の持つ意外な味覚に驚いたりもする。

私のチーズノート。産地や味の特徴を詳しく書く。

Moonstruck (B.C)☆☆☆☆
アリサさんお勧め。とってもクリーミー。甘みが少なく、ちょっと苦味を含んだ後味の良いチーズ。ワインはもちろんビールにも最適。じっくり飲みたい時のつまみに。
Comte de Montagne (フランス)☆☆☆☆
今回は18ヶ月ものを試食。味はかなり濃いが、マイルドで甘みがある。口の中で味がいくようにも膨らんでいくのが分かる。
Beaufort d' Alpage Savoie (フランス)☆☆☆☆☆
アリスさんお勧め。Comteに近いが、はじめのパンチがもっとシャープで、だんだんマイルドになっていく絶品。Comteより硬めで甘みも少ないが、薫りがよい。ワインのように口の中で転がしながら、香りを楽しみたい。
St.Agur (フランス)☆☆☆
ブルーチーズが苦手な人にもチャレンジしてほしいチーズ。味はかなり濃いが、甘みがあり、やわらかく口の中で広がる感じがたまらない。干しイチジクとの合性が抜群。苦味がとれ、クリーミーで甘くないチーズケーキのようになる不思議な組み合わせだ。
Piave Mezzano(イタリア)☆☆☆
Fortunatoさんお勧め。Beaufortと味が似ているが、もっとドライでスムーズな口当たり。酒かすのような薫りがあり、日本酒と合性が抜群。
Testun Al Barolo (イタリア)☆☆☆☆
製造過程で何度も赤ワインで洗われたチーズ。ヤギ乳だが特有の臭みがなく、香りが抜群。ブドウの渋みが濃く残っており、そのまま食べるのもいいが、蜂蜜やフルーツともよく合う。
Wensleydale (イギリス)☆☆
口の中でごろごろと塊が感じられる。苦味があるので、フルーツとの合性がいい。これで野菜がたくさん入ったオムレツを作ると抜群においしい。

(※ ☆の数は私の主観的な批評。あくまで参考程度に)



チーズ道のススメ

 
  チーズ道を極める最初のステップは、チーズ専門店に足を運び、エキスパート達に相談することだ。例えば「いい赤ワインが手に入ったから、そのつまみに」「すしパーティの前菜に」など、どんな大雑把な好みでも専門家の知識に委ねることで、思いのほかいいチーズにめぐり合うことができるかも。

そして、自分の好みが分かってきたら、そこから本当のチーズへの挑戦が始まる。大好きなビールを始めて口にした時、「なんだこんなまずいもの」と思った記憶はないだろうか?しかし、だんだんその味の虜になっていったはず。チーズもビールと同様、食べれば食べるほど、微妙に違う風味が分かるようになってくる。人によって好みはあるが、より風味の強いものへと舌が進化していくのだ。

 取材中に食べたチーズはおよそ20種類。私のチーズノートはまだ始まったばかりだが、新たなページを綴るのが楽しくてしょうがない。そこにチーズがある限り、私のチーズへの挑戦は続く。


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<インフォメーション>

Oyama Sausage Company
Box 126-1689 Johnston Street Granville Island Public Market Vancouver, V6H 3R9
604-327-7407
営業 (日〜土)8時30分〜19時

Les Amis du Fromage
1752 West 2nd Avenue Vancouver, V6J1H6
604-732-4218
営業(日)9時〜17時(月〜水/土)9時〜18時(木〜金)9時〜18時30分
※ 祝日の月曜日は休み

La Grotta Del Formaggio
1791 Commercial Drive Vancouver, B.C. V5N 4A4
604-255-3911
営業(日)10時〜17時30分(月〜木/土)9時〜18時(金)9時〜19時