●オセロ・トンネルズの成り立ち
1900年代初頭、CPR(Canadian Pacific Railway)は、クートニー地域とBC州沿岸地区を結ぶケトル・バレー・レイルウェイ鉄道路線開設の計画を立てた。
その間には厚さ300フィートの花崗(かこう)岩層のジョージア山峡があり、この山間部を直線で突っ切る形で1914年にオセロ・トンネルズが完成された。コクイハラ山頂(標高1244km)からホープでフレーザー川を越え、CPR本線につながる38マイルを30万ドルの予算で建設したこのトンネル工事は、ケトル・バレー・レイルウェイ線の中で最も高額を要した。
オセロ・トンネルズのネーミングは、大のシェークスピア・ファンだったこのトンネルの技師、Andrew McCullough氏が施したもので、この路線の駅名もリア、ジェシカ、ポーティア、ロミオ、そしてジュリエットなどシェークスピア作品の登場人物の名から名付けられている。オセロ・トンネルズはコクイハラ・キャニオンに位置するオセロ駅の近くにあることから、こう呼ばれるようになった。
1916年に正式に開通したこのケトル・バレー・レイルウェイ線はバンクーバー − ネルソン間を旅客車と貨物車の両方を運行したが、降雪と崖崩れのために運休を余儀なくされることも多かった。
トンネル工事着工の年号か? |
1959年にはトンネル地帯の北側で修復不可能な侵食が発見され、この路線は永久に封鎖されることになった。そして1961年に正式に廃線にされてしまった。その後、1986年にこのケトル・バレー・レイルウェイ線が通過していた地域は州立公園として認定され現在に至っている。
コクイハラ・ハイウェイ(HWY#5)はケトル・バレー・レイルウェイ線の通っていた線路が取り壊された跡地に建設された。それでハイウェイを車で運転していると未だにポーティアやジュリエットという地名のサインを目にするのだ。
●オセロ・トンネルズの歩き方
ハイウェイをホープの町を通り越し、オセロ・ロード(出口#183)で降りて道なりに走るとCoquihalla Canyon Provincial
Parkのサインが見える。道なりに行って、今度はOthello Tunnelsのサインを左に折れると、公園の駐車場はすぐそこ。1日3ドルのチケットを買って車のダッシュボードに掲示したら、歩きやすい靴に履き替えてトンネル見学に出発。途中に売店などはないので水や食料は持参で臨みたい。
整ったトレールなので子供連れの家族も多い。滝の轟く渓谷を左手に見ながら歩いていくと、第一のトンネルに出くわす。記念撮影をしたい人々で入り口は立て込んでいた。トンネルの中は真っ暗でひんやりとした冷気に包まれた。冷たい雨が降り出したようにポタッと水が滴り落ちてくる。目を凝らして見上げると所々に鍾乳洞のような侵食部分があった。暗い中、水溜りを避けながら歩くのは難し
い。そこで、公園のウェブ・サイトには懐中電灯の携行を呼びかけている。地図なども事前にこのサイトから印刷して持っていける。
(BC Parks HP: http://www.env.gov.bc.ca/bcparks/explore/parkpgs/coquih_can.html)
トンネル間に架かる橋 |
中にはとても短いトンネルもある |
最初にトンネルに入ったときの感動は幾つかのトンネルを通っている間に薄れてはくるのだが、トンネル間の橋から臨める渓谷は正に絶景。写真を撮るのが趣味でなくとも思わずシャッターを切りたくなるポイントがたくさんあるのだ。サイクリングをしている人もいたが、トンネル内は降りて歩かなくてはならない。
その他、川では釣りを楽しむこともできる。お弁当を持ってピクニックするのもいいが、園内にベンチはあまりないので、敷物持参で行くことをお勧めする。
(取材 北風かんな)
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