「生活があってこその仕事。仕事のための生活ではない」。日本での生活と正反対の考え方を見つけたという遠山望美さん。本紙のDTPデザイナーとして活躍する傍ら、友人のウェブサイトの製作を手伝ったり、数人の仲間とクーポンマガジンの製作を試みたり、自分の能力を最大限に利用し、新しいことにも精力的に挑戦した。
「日本で好きな仕事をしていても、納得がいかない形で終わることが多かったんです」。外国語大学を卒業後、独学でDTPを勉強し、就職。毎日、身体を壊すくらい必死に働いて、壁にぶつかったという。「大学時代にフロリダに留学した時、当地の人の生活を見たり、感じたりしたことがカナダに来たきっかけです。海外の人たちは生活を楽しむのが上手ですね」
来加当初は、短期で語学学校や、ウェブサイトデザインの学校にも通った。「新しいことが学べて楽しかったです」とカナダ生活を懐かしそうに振り返る。「有志が9人集まって、ダウンタウンで使えるクーポンマガジンの製作を試みました。会社の地所を取得して、サンプルまで作って、もう一息という時に、ちょっとした問題が発生して、会社自体が解散したのですが、あの時、どうにか頑張り通していればと未だに残念です」。日本で人気のクーポンマガジンを参考に、バンクーバーのマガジンを立ち上げる計画だった。マーケティング調査をし、印刷所を決定し、設置場所の営業のために冬の寒い中を歩き回った。「カナダの人は考え方が合理的で、自分達のビジネスプランをきちんと伝えれば、見た目にこだわらず、前向きに検討してくれる人が多かったです。時には褒められたり、怒られたりしましたが、どちらにしろ筋の通ったアドバイスをしてくれました」
結局、発行には至らなかったが、いろいろな人との出会いや経験は、彼女の将来の貴重な糧となったはず。「日本で雑誌を作りたい」という夢、必ず実現させて欲しい。
(取材 船津美帆)
|