エミリー・カー美術学校で開催された1年生の展示会に松野智恵さんの作品があった。セラミックで作られた「My 24th Birthday Cake」。自身の凝り固まりが積みあがっていく「若さと年をとる変わり目」を象徴した。
両親は歯医者や歯科衛生士の姉たちのように手に職をつけてほしいと願っていたそうだが、松野さんは日本の美術大学を受験した。しかし留学の夢を捨てきれず渡米。ラスベガスのコミュニティーカレッジの一般教養科からウェブデザイン科へ編入。その後ウェブデザイナーとして勤めていたが、海外で働いていくには学士号がなければいけないと感じ、昨年9月エミリー・カー美術学校に入学。「おかげで学校に戻る機会に恵まれました」
なぜ海外で美術に携わりたいと考えたかという問いに松野さんは「(日本で)高校に進学したとき、ふと中学で3年間も英語を勉強しているのにまったくしゃべれないのはおかしいと思いました。そのころから漠然と将来海外に留学することを意識し、英会話をしていました。美術は小学校のころ通っていたピアノ教室の下にあるお絵描き教室がおもしろそうで『編入』したのが始まりです。ピカソが描くような人物画を描いていました」
今年1年は課題に追われていたが、時間があれば趣味の料理、作曲、服作りなどをしていた。
松野さんは今年9月から工業デザイン科に進むことが決まった。狭き門に挑戦した動機は「未知の分野だから」。将来は「身近だけど感動をあたえる作品を作っていきたい」と語る。
(取材 船橋敬子)
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