SPECIAL 2005

2005年9月8日 第37号 掲載



日加商工会議所、バーナビー商工会議所、
ジョイント・メンバーシップ成立

 

 去る8月、日本-カナダ商工会議所とバーナビー商工会議所の間で、ジョイント・メンバーシップが成立した。これまで移民のコミュニティの商工会議所が、カナダのビジネスの集まりと提携を組むことは例がなかったことで、日系社会の快挙ともいえるだろう。日加商工会議所初代会長、現在は副会長を務める、パシフィック・ウェスタン・ブリューイングの小松和子社長に話を伺った。

日本-カナダ商工会議所とバーナビー商工会議所のジョイント・メンバーシップが成立したということですが、経緯を教えてください。初代会長として奔走してこられたと聞いていますが。

 日加商工会議所が発足してから、この7月末まで、会長を務めてまいりましたが、就任した際に自分自身の使命を決めていました。それは商工会議所の横の関係、つまり他の民族の人たちとのつながりを強化すること、そして地域社会への還元を行うことです。

 横のつながり強化としては、中国人起業家の皆さんと共催でのイベント、多民族の商工会議所アライアンスとの提携を行いました。さらにカナダ人と連携体制を築こうと、日加商工会議所の設立当初から、カナダの商工会議所に連絡をとってきました。カナダ人ではない他民族の企業の集まりと、カナダの商工会議所が合同メンバーシップを成立させるということは、前例がないこともあり非常に難しかったのですが、今回やっと実現しました。発足から努力してきましたので、2年がかりでしたね。これによりネットワークを拡大して、これまで以上に日系ビジネス社会が発展するよう願っています。

 それから、もう一つの使命、地域社会に還元できるようにすることですが、カナダで「グッド・シチズン」、と言うのはつまり悪いことをしなければ良い市民であると言うことではなくそれは当たり前の普通のことです。ですから、その都度、何か行動を起こして、他の人に、地域社会に還元していくようなことができればいいですね。

 今回、バーナビー商工会議所とのジョイント・メンバーシップが実現したことで、日系企業の皆さんにも地域のカナダ人の商工会議所を通して、その折々、その地域が必要としている実際的活動に参画して、何らかの貢献をしていただけたらと思っています。

ジョイント・メンバーシップはどのような仕組みになっていますか?

 日加商工会議所のメンバーは必然的に、バーナビー商工会議所に入らなければならないということではありません。日加商工会議所の会員にのみバーナビー商工会議所Burnaby Board of Tradeが与えてくれた選択出来得る権利です。強制ではなく、入りたい方は入ってください、という形式です。商工会議所の体制も会則も今までのものと変わっていません。

 ジョイント・メンバーシップで日加商工会議所のメンバーは、バーナビー商工会議所に年会費125ドルで入ることができるようになりました。最も大きな特典は、バーナビー商工会議所のエクステンデッド・ヘルス・プランに入ることができるということですね。

 特に従業員が少ない企業が、福利厚生の一環で、歯科関連の治療などをはじめ、州の医療保険でカバーされない部分を保証する医療保険を用意する場合、非常に高いものになります。しかし、バーナビー商工会議所を通してなら、お得な料金で福利厚生を準備できます。

 バーナビー商工会議所の8000人の会員へのネットワーキングまた、それを通してのマーケティングをすることも魅力があることです。

 その他の有益な点ですが、通常3%以上するクレジットカードの手数料が、1.75%で利用できます。また、ペトロカナダでは、割引料金でガソリンが購入できます。

クレジットカードの手数料率は大きいですね?

 はい。通常でしたら3%以上するものですから、レストランのようにクレッジトカードの使用頻度数が多いと、1%の違いでもかなりコストが変わってきます。

このメンバーシップ成立で期待していることは?

 なによりも会員が特別な特典を大いに利用して経費を節減して、8000人の会員のネットワークを十分に活かして、ビジネスの発展を大いに図ってくださることです。

 また、日系の大手企業で駐在されている皆さんは、数年で日本に帰国されます。そのような状況で、カナダにいらっしゃる間に地元の人たちとつながりを持って、また地域に貢献していただきたいと言っても、なかなか難しいものでした。でも、地元の商工会議所と連携することで、地域に根ざした活動を行う機会が増えます。ぜひ、カナダ駐在中にジョイント・メンバーシップを通して、どんどん交流を深めていただきたいと思います。

その意味で、ジョイント・メンバーシップは非常に意義のあるものですね。

 ジョイント・メンバーシップが実現したという事実は、すなわち日加商工会議所をはじめ、地元の日系ビジネスがカナダの主流ビジネス組織に認められたということでもあります。

 今年初めにポール・マーティン首相が訪日された際、アジア・太平洋地域へのゲートウェイとして日本を重要視しているという認識を明らかにしています。太平洋をはさんだアジアへの玄関口である日本との外交政策を強化、促進することで、平和と繁栄に貢献していくという見解ですね。

 一方、 州は太平洋地域にとってはカナダへの玄関口です。今後更なるアジア太平洋諸国とのビジネス機会の増加と発展が期待されている今、ジョイント・メンバーシップにより、日加商工会議所とバーナビー商工会議所が両国間の架け橋になることができると思います。さらに、日加商工会議所は、日系社会がカナダ社会に入っていくための、そして逆にカナダ社会が日系社会とのつながりを深めるためのゲートウェイになることができます。
今後の展望について聞かせてください。

 ネットワーキングで横のつながりを強めていくことで、日系の商工会、日本人、日系人が、カナダという国で友好を深めて地域社会と親密な関係になっていくことができれば嬉しいですね。それぞれのメンバーが、カナダ人やその他の民族のグループと一人でも友好を深めることで、相手を理解して、ひいては日本人のことも理解してもらう。自分たちを理解してもらうにはまず相手を理解しなければなりませんから。

 私たち、日系人がカナダで仕事をしていくうえで、良いことも悪いことも含めて、「日系人」という民族として見られる傾向があります。だからこそ、それぞれ民間レベルの「外交官」として、カナダ社会と交流を深めていくことで、相互理解を促進していくことが大切ではないでしょうか。

 例えば、今年春には中国で始まった反日デモが世界各地に飛び火しました。このような事態があっても普段から地域に密着して、交流を行っていることで日本が国際社会で孤立することを防ぐことができると思います。

ジョイント・メンバーシップ成立を記念して、合同で夕食会を開催されるそうですね。

 10月12日にバーナビー商工会議所と合同で特別講演ディナー会を催すことになりました。連邦政府において、アジア太平洋諸国で中心的な役割を果たしているエマーソン産業大臣を特別スピーカーに迎えて、カナダ側のアジア太平洋諸国への取り組みについてお話を伺います。

 また、日本側としては、三菱カナダの松浦史一社長にアジアにおける三菱の取り組みについてお話いただきます。新しいネットワーク作り、ビジネスのさらなる発展のための素晴らしい機会ですので、会員以外の皆さんも是非ご参加ください。

最後にメッセージをお願いします。

 大きな視野で、また長い目で見て、民族の絆、日本と日系人の絆は断ちがたいものがあります。民族の絆は日本と日系人だけでなく、中国と中国系人、イラクとイラク系人、という様に当人達が意識しなくても、その本国に何かよきこと悪しきことがあると、その国出身者をまるでその本国の代表のように他民族は見る傾向があります。

 従って、日本人も日系人も世界で活躍していくために、そのお互いの絆の重みを十分に理解して、どの地に居てもどの時も、私たち、ひとりひとりが親善大使になったつもりで、その国の地域社会や市民との実際的な交流活動に参画、貢献するべきです。それよって相手を理解し、つながりが深まる。そして信頼関係も発展し、さらにビジネスの機会も友好的に広がると思います。

 それから、日加商工会議所は、2003年に日系社会のビジネスの発展を促進するため、当時の井坂領事、大昭和丸紅インターナショナル河村元社長、ジェトロ中村元所長、バンクーバー新報津田社長と私の5人が発起人となり、成立しました。でも、そのうち津田社長と私以外の三人の皆さんは帰国されましたので現在持木領事、中嶋ジェトロ所長にご協力いただいています。

 今回の偉業はぜひ、賛同支持して下さった会員や理事の方達、また既に日本へ帰国されましたが、最初どうなるか判らない時点で、勇敢に発起人となってご支持下さった方達にも報告したいです。

 7月末に役員が変わり、新しく会長となったCoast Hotel & Resortsの内藤修八氏を盛り立てて今後も日系社会のビジネスを更に発展するためにメンバーが協力していきたいという。日加商工会議所の今後の活躍がさらに楽しみだ。

(取材 西川桂子)

 

 
 今回のジョイント・メンバーシップですが、カナダで活躍する日本の会社がいわばカナダの国における主流社会と手を組んだということで、非常に画期的なことです。カナダには日系社会のグループをはじめ、様々なエスニックグループの集まりがありますが、同様の仲間が集まることは当然です。普通のことです。
 しかし、このジョイント・メンバーシップは自分たちのグループから一歩踏み込んで、別のグループと交流するものです。バーナビー側にもメリットがあります。多文化社会にあって日系社会と連携を深めることで、ビジネスのチャンスも広がります。
 このようにお互いにとって経済面、また個人的にも活躍する機会ですので、日加商工会議所に参加していただきたいですね。

スティ−ヴ・コフマン Steve Kaufmann
日本-カナダ商工会議所副会長
マギル大学卒業。フランス・パリで政治学(国際関係)の修士号取得。その後、カナダ外務省に入り、1971年から1974年まで在日カナダ大使館一等書記官。1980年には林産業大手マックミランブローデル社のアジア本部設立に関わり、東京本社の社長を務める。現在、KP Wood Ltd. 社長、The Linguist Institute Ltd. 社長兼CEO
 
日本-カナダ商工会議所 ビジネス交換夕食会
日時:2005年10月12日 (水) 午後6時〜
会場:Terminal City Club 837 West Hastings Street, Vancouver
参加費用:日加商工会議所会員: 一人あたり$50.00
           非会員: 一人あたり$64.20
問い合わせ Fax:604-421-0090 E-mail: info@jc-coc.com