SPECIAL 2005

2005年8月18日 第34号 掲載


英語を学びながらカナダをエンジョイ!
〜シニアのカナディアン・カルチャー遊学〜


テーブルマナーの講習はクイーン
エリザベス公園内のレストランで

ガーデニングを教わる皆さん

衣装を身につけて気分は
すっかりルネッサンス時代に


 本プログラムの感想を尋ねると、参加者の一人・川村芙美子さん(72 歳)は顔じゅうをほころばせ、弾む声で言った。「すべてが楽しい。どれが一番楽しいとは絞りにくいです」。そこへ間髪を入れずに「とにかく毎日が楽しく充実していて、笑いが絶えないのよ」と木村嗣子(つぐこ)さん。二人を含め、今回参加の女性 人、男性5人計13名全員がカナダ留学のリピーターである。

個室の寮に滞在して、午前は英語、午後はアクティビティ

 「カナディアン・カルチャー遊学!」のプログラム参加者の年齢は55 歳から81歳。プログラムの英語指導にあたるのは、経験豊富な英語教師のキャサリン・コーニングさんと ボニー・ゴスさん。そしてコーディネートは、シニア留学を専門とするトワイライト・トラベラー(株)社の菊地真澄さんはじめスタッフがあたる。

 宿泊はUBC の新築の寮で全室トイレ・シャワー付き。教室までは徒歩2分。食事は日本食が3食提供される。

 プログラムは平日の午前中が英語学習、水曜以外の午後にはアクティビティが組まれている。英語の授業では、参加者の英語の理解度に応じて2つのクラスが組まれており、初級クラスは日本語も流暢に話せるキャサリンさんが担当。学習内容は、午後のアクティビティと直結した事柄を取り上げている。例えば、午後にレストランでのテーブルマナーの教室が予定されている日は、注文の取り方や食器の名称を学び、午後が太極拳のクラスならば、スポーツの好みを尋ねる受け答えを学ぶといった具合である。そしてレストランに行った際には自分で注文を伝え、実地で使ってみることを講師は促している。

楽しむことを忘れずに英語学習に取り組む

 授業には、アクティビティとからめ、基礎的な文法事項を網羅して独自に作成した英語のテキストを用いている。参加者によれば、英語の実力をつけるために役立っているのは毎日の宿題だという。課題は授業後、道行く人に声をかけて、設定された質問を3人の人に投げかけ、その答えを授業内で発表すること。

「四苦八苦で英語を絞り出すようにしてなんとか言葉にしています」と、力を振り絞るようなゼスチャーを交えて苦笑しながら語るのは前出の木村さん。「学んだ端から忘れていくけれど、学ぶことが楽しい」―そんな声が参加者から次々と語られる。「先生は勉強していてもエンジョイしなさいと言ってくれる」(川村さん)という講師の働きかけも、学習の心地良いムード作りに多いに役立っているようだ。

好奇心をかきたてるアクティビティの数々

 特徴的なのは午後のアクティビティの充実ぶりである。カナダの社会福祉の講義、弁護士による日系移民についての講演、ガスタウン歴史ツアー、先住民のレクチャーによる織物作りの体験、先住民のガイドによるパシフィック・スピリット・パークのエコロジーツアー、ビール工場見学、クイーンエリザベス公園内のレストランでのテーブルマナー教室、フラワーアレンジメント教室、ルネッサンスの舞踏教室、釣り体験、ブルーベリー摘み、カナダ人宅訪問等々。

オプショナルツアーでシアトルマリナーズ観戦の1泊旅行も組まれている。数人ずつに分かれてカナダ人宅を訪問したときには、その家庭の所有しているスポーツカーに乗せてもらったり、一緒にクッキーを焼いたり、参加者が書道を紹介したりといった交流を行った。 「何でも参加しています。毎日楽しいことばかりです」(木村さん)、「先生は疲れたらお休みしても良いですよと言ってくださるし、外へ行った際に疲れたときも、車椅子の用意があり、きちんと車椅子を押す担当の方もついてくださっている。参加者は体のどこかに病気をもった人ばかりですが、みなさん気持ちの上ではとても元気ですよ」(川村さん)。

健康管理に配慮した体制作り

 車椅子という話が出たが、参加者の健康面や身の回りのことにいつでも対応できるよう、スタッフは交替で参加者と同じ寮に 時間常駐する体制をとっている。大学内に病院があること、スタッフが救急法の資格を所持していることも参加者にとって心強い。

 そもそもカナダ滞在の目的に「体調が良くなること」を掲げる参加者も多い。「梅雨の時期は持病のリウマチのために痛みが出ますが、ここでは痛くならないです」と語る本西キミコさんは参加者中最高齢の 歳。「バンクーバーは気候が良いので体が欲してやってきました」とは中越康世さん。「バンクーバーの環境はとても心地良い。すごくリラックスできる場所で身障者にもやさしい」と川村さんは語る。

自分のカルチャーを見つめ、人生を考える
 プログラムのタイトルに掲げるカルチャーについて、キャサリンさんは語る。「プログラムのなかでカナダと日本の文化の違いを紹介したら、生徒の皆さんには『あなたはどうしてそのように振舞うのですか?その考え方は自分の人生にとって大事ですか?』と問いかけ、日本人である自分たちの文化をみつめて考えてもらっています」。

そして最終日の授業の終わりには、「どうやってこれからの人生を過ごしていきたいのか」と問うつもりだとキャサリンさんは語った。


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 スタッフの皆さんは、授業の合間に日本茶や昆布茶を出したり、翌日朝食後のフルーツを用意したりと小まめに働く。日本人のニーズに応じたスタッフの細かな配慮が参加者の心に響いているようだ。「今回の参加は先生の魅力で」と言われる方が多いこともうなずける。

 プログラムの最後はサヨナラパーティで締めくくり。参加者は皆、スタッフや仲間との別れを惜しみ再会を誓い合って、7
月29 日カナダを飛び立った。
 本プログラムは10月7日から11月2日にも実施が予定されている。詳しくはトワイライト・トラベラー社へお問い合わせを。
(取材 平野香利)

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