SPECIAL 2005

2005年7月28日 第31号 掲載



日本国総領事公邸でJET壮行会
 バンクーバーからは 名が希望を胸に渡日予定


参加者にはなむけの言葉を述べる
多賀敏行日本国総領事

 爽やかな快晴に恵まれた7月22日、今年度のJETプログラム(Japan Exchange and Teaching Programme)参加者を迎えた壮行会が、在バンクーバー日本国総領事公邸で行われた。第一陣の旅立ちを翌日に控えた参加者らは、期待と緊張の面持ちの中、互いに希望を語り合った。

 40歳未満の青年を対象として1987年から始まったこのプログラムは、財団法人自治体国際化協会が、総務省や文部科学省、外務省と協力し、語学教育と国際化の充実を図ることを目的として立ち上げられた事業で、これまで世界44ヵ国から約6000人の参加者が日本へ渡っている。カナダからはこの18年間に6512人の青年が参加しており、現在日本に滞在するカナダ人参加者は459人。

今月23日と30日に新たに渡日する319人を含めると、今年度は778人のカナダ人青年が日本全国で活躍することになる。うち、95名がBC州からの参加。JETプログラムにはALT(Assistant Language Teacher=外国青年を語学指導助手)とCIR(Coordinator for International Relations=国際交流員)があり、どちらも特別職の地方公務員として前者は主に公立の小中高へ、後者は市役所などへ勤める。契約期間は1年間で、再契約も可能。数年間滞在する参加者も多い。

 壮行会は午後4時から、戦前からの瀟洒な洋館がそびえる、手入れの行き届いた日本国総領事公邸庭園内で開催された。多賀敏行在バンクーバー日本国総領事は挨拶の中で、庭園内に飾られた日本の伝統七夕飾りについて解説。「7月7日は過ぎたが、まだ間に合う。ぜひ願い事を」と、場内を沸かせた。続いて、BC州JETプログラム協会代表で、自身もかつてJETに参加、五島列島への滞在経験がある大鹿アンジーさんより、「JETの功績は大きい。五島列島の人々はそれまで外国人を見たことがなく、日本の本土さえ行ったことのない生徒が多かったが、現在は留学や海外旅行へ行く人々が続出している。地域に根ざし、日本人の友人をたくさん作ること。JETの経験は必ず自分を成長させる」と、出発間近の参加者へエールが送られた。

 会場となった日本国総領事公邸は、各国公邸が並ぶ住宅地の中でもひときわ広大な敷地を誇る。鬱蒼とした木立も美しく、近くを走る幹線道路の喧騒が嘘のような静けさに包まれ、数十名の参加者とJET卒業生などの関係者らは振舞われた寿司やそうめんなどの日本食を楽しみながら、思い思いに歓談した。願い事を書いた短冊には日本語も多く見られ、これからの希望へと満ちていた。

(取材 藍智子)

JET担当の黒江浩介領事とコーディネーターのスティーブン・シェバリエさん(右)。スティーブンさんもJET卒業生で、小豆島の中学を中心に3年間英語を教えていた。「小豆島は自然が美しく、人々の絆が深い。今も当時の友人たちとは連絡を取り合っています。生徒たちとの時間は本当に楽しかった」。 将来は弁護士になりたいというジョセフ・リャウさんは、大学時代に1ヵ月の夏季プログラムで日本へ行った。「僕はシャイなので、会話力がなかなか伸びない。でも日本人はシャイな人が多いから、ちょうどいいかな(笑)。行き先が静岡の海辺の町なので、サーフィンが楽しみ。普段はトフィーノで乗りますが、実はサーフィンを覚えたのは日本なんですよ」。 カップルでALTに参加のジェニファー・デ・ブリーズさん(左)とグレッグ・シャノンさん。グレッグさんは福島に1年、ジェニファーさんは仙台に3年滞在の予定だ。
ジェニファー「彼とは偶然1時間半で行き来できるところ(笑)。私は中学に教えに行きます。最近、ジオキャッシングを始めたので、日本でもそのサークルに入りたい」。グレッグ「大学で2年間日本語をとっていました。日本では語学プログラムに参加するのでホームステイ。勤務先は高校です。日本の伝統芸術にも興味があるし、剣道を習いたい」。
4年前に愛知県内の小さな町に滞在していたライアン・ホンさんは、祖母が日本人のため、戸惑いは少なかったという。「小中学校の他に、主婦の方たちに英語を教えていました。JETは姉から教わり参加したのですが、今や姉の夫やその兄弟・従兄弟、僕の彼女までJETの参加者(笑)。JETで教える楽しさを学んだので、将来は小学校の教師になる予定」。
UVI Cを卒業したばかりのヘザー・メイさんは宮城県の漁師町へ行く。「幼稚園から中学まで5つの学校を担当します。シーフードが大好きなので、漁師町滞在はラッキー!鯨肉にも挑戦します(笑)。とにかく日本語を学びたい」。 CIRとして北海道旭川市役所へ行くジェームス・マッターさんは、大学時代に1年間東京へ留学、その後ワーホリとしても滞在。その後もUBCで日本語を学び、語学力に磨きをかけた。「専門の国際関係・政治経済についてのプレゼンや、イベント企画をやってみたいですね。帰国後は外務省に行きたい。滞在先が北海道なので、アイスホッケーの道具一式を持っていくつもり」。 BC州JETプログラム協会代表の大鹿アンジーさん