SPECIAL 2005
2005年5月19日 第21号 掲載
![]() Ocean View Burial Park |
![]() 霊廟・納骨堂 |
|
前編では身内の死に際してまずどうするか、葬儀とその費用を中心に紹介した。今回は、葬儀と墓地を取り扱うオーシャンビュー/フォーレストローン社の葬儀および墓地のアドバイザーである奥山清太氏にプリアレンジメントについて話を伺った。
葬儀・墓地のプリアレンジメント(事前手配)
墓地に比べると、葬儀の事前手配はなじみが薄いかもしれない。だが遺族が身内の死に際して、悲しみに沈むなか、ある程度限られた時間で葬儀を準備していく労を考えると、葬儀についても事前手配をしておくことのメリットは大きい。(一般に葬儀のプリアレンジメントとは、葬儀の方法を事前に決めて葬儀社に伝えておき、費用の支払いを済ませておくことを指す)。
奥山氏はプリアレンジメントの利点として次の3点を挙げている。
1.葬儀費用を契約した時点の料金で支払えること。
葬儀費用は年々着実に値上がりしているが、プリアレンジメントをしていた場合、たとえ契約の何年後に葬儀が発生しても、契約時点の料金に追加料金を支払う必要はない。
(*オーシャンビュー/フォーレストローン社の場合、契約時から5年間の分割払いが可能であり、1年間の分割払いの場合は無利子となっている)。
2.冷静な判断に基づいた葬儀が考えられること。
身内の死に際して悲しみに沈む遺族は、通常よりも理性的な判断が難しくなるために、必要以上に経費のかかる選択をすることにもなりがちである。その点を回避できるのがプリアレンジメントの利点でもある。
3.本人の希望通りに葬儀が実施できること。
身内が亡くなってから葬儀を計画する場合、遺族は故人の希望を思い描くことしかできない。その点、本人の希望をもとにプリアレンジメントがなされていた場合には、遺族の精神的負担ははるかに少なくなる。
奥山氏は「プリアレンジメントによる遺族の精神的負担軽減のメリットは、経済的メリットを超えるものがある」と述べている。
プリアレンジメントを行う人は年々増えており、実際、プリアレンジメントに沿った葬儀を行った人々から「プリアレンジメントをしておいて良かった」という感想が寄せられているという。
なお、葬儀社によっては、葬儀方法の希望をまとめた書類を葬儀社が保管するのみで、費用の支払いは葬儀が発生したときに行うサービスも提供している。オーシャンビュー/フォーレストローン社の場合、事前の費用支払いを含まないプリアレンジメントは行っていない。また同社では葬儀の細かな準備に関する希望は、葬儀社に保管する形ではなく、本人に希望を整理して記録するためのノート式の資料を配布して、各自で保管する形式を取っているとのことだ。
墓 地
カナダの墓地は、全体が芝生で覆われ樹木や花々が植えられており、日本の墓地に比べて明るい印象がある。「公園のようなイメージを大切にして作られています」と墓地購入のアドバイスも手がける奥山氏は語る。
BC州の法律では、遺体は棺に入れてそのまま墓や霊廟(mausoleum)に収めるか、火葬することが定められている。火葬した場合、遺灰を骨壷に入れて同じく墓や納骨堂(columbarium)に収めるか、遺族の手元に置く、もしくは自然のなかに遺灰を撒(ま)くという選択が考えられる。
なお火葬後の遺灰は純粋に骨だけが残ったものであり、遺体を焼いた後に一度粉砕してあるため、日本の火葬後の遺骨と違って、砂に近い状態になっている。
現在グレーターバンクーバーには、オーシャンビュー墓地(Ocean View Burial Park)フォーレストローン・メモリアルパーク(Forest
Lawn Memorial Park)、バレービュー墓地( Valley View Cemetery)、ビクトリー・メモリアルパーク(Victory
Memorial Park)、マウンテンビュー墓地(Mountain View Cemetery)の5つの墓地がある。マウンテンビュー墓地は完売済みであり、その他の墓地も年々購入できるスペースは少なくなってきている。オーシャンビュー/フォーレストローン墓地に関しては、あと5年くらいで完売しそうであると奥山氏は述べている。
(取材 平野香利)
|