SPECIAL 2005
2005年5月12日 第20号 掲載
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日系人の葬儀を多数経験している葬儀ディレクターのラリー・トンプソン氏(右)とマネージャーのブレア・マレー氏(左) |
親しい人の死に直面することは、大きな悲しみである。たとえそれが成仏や神のもとへ召されためでたいことであったとしても、肉体的な死を目の前にしては多くの人が悲しみに打ちひしがれる。
そのような状況でも、故人を見送るにあたっての一連の儀式を滞りなく行うのが故人を見送る人々に残された仕事だ。普段はなじみのないことだけに、その場になってからどうしたものかと迷うことも多い葬式について、今回は取材した。
<葬儀社を決めて連絡を>
医師が死を告げた場合、遺族はまず親族や友人、葬儀社、(宗教に則って葬儀を行う場合は)教会の牧師や寺院の僧侶へ連絡することが必要である。
葬儀社(Funeral Home)は、地域の電話帳(イエローページ)で検索できる(Funeral Homes & Director'sの欄)。また、BC州の葬儀サービス教会(Funeral
Service Association of BC)のホームページ(www.bcfunerals.com)で調べる方法がある。葬儀社は通常24時間、いつでも質問に答えられる体制が取られている。
葬儀社とは、初めの連絡の際に、葬儀についての打ち合わせ日時を相談することから始まる。遺族から連絡を受けた後、葬儀社は遺体の受け取りに病院等へ出向き、遺体を葬儀社に運び、衛生処理を行うことになる。
また、葬儀社は医師から書類(Medical Certification of Death Form)を受け取り、その書類を持って政府機関に死亡登録を行う。その登録により、葬儀社はその後の遺体処理の許可を受ける。
![]() リッチモンド葬儀社の外観 |
![]() 小・中規模の葬儀に対応できる会場 |
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<葬儀社との打ち合わせ・葬儀のタイプ>
葬儀の全体を取り仕切る人は葬儀ディレクターと呼ばれ、法律に従った遺体の扱い方、死亡登録等の書類手続きに加えて、支払いにかかわる金融知識、遺族の悲しみを踏まえた対応のできるカウンセリングスキルなども習得した、葬儀を扱う資格のある人である。
「どのような形で故人を見送るかは、故人の遺志もしくは家族の意向次第でどのようにでもアレンジ可能」と語るのはリッチモンド葬儀社のディレクターであるラリー・ソンプソン氏。一人として同じ葬儀はないといえるほど、個々の意向でその葬儀の内容は変わってくるというが、葬儀をタイプ分けすると、次の4つに分類することができる。
1.トラディショナルサービス:遺体を火葬または埋葬する前に、棺に入った故人を前にしての葬儀。
2.メモリアルサービス:火葬を終えた後に行う葬儀。
3.グレイブサイドサービス:墓地で埋葬時に行われるサービス。
4.一切サービスを行わない
・ 上記のいずれかを単独で行う
・ 1〜3のすべてを行う
・ 1と2を組み合わせる-たとえば近親者だけで棺を囲む葬儀を、火葬後に友人・知人を呼んで行うといった方法に加えて
・ 宗教的な儀式を伴うかどうか
・ 場所を葬儀社にするか、教会や寺院あるいは一般会場で行うかと様々に考えられる。
また会場内の準備の工夫として(以下は例)
・ 故人の生前の趣味に合わせたセッティング:例:花で一杯の祭壇を用意する/故人の好きだった音楽を流す
・ 生前のビデオやスライドの上演葬儀の内容では、一般的な弔辞のほか、
・ 詩の朗読
・ 歌を捧げる
を行う形も考えられる。
葬儀ディレクターとは、まず葬儀の様式や会場、集まる人数について打ち合わせをする。次に葬儀社に置かれているさまざまなタイプの棺や骨壷から購入するものを選ぶ。支払い方法についても相談し、通常はトータル1時間半から2時間程度で打ち合わせが終わることになるだろう。なお、この打ち合わせのときには、遺族は故人に着せる服を持参することなる。
訪れたリッチモンド葬儀社では、教会式の600名収容の大ホールがあるほか、仏式に適した設備のある会場、小規模や中規模の葬儀にも対応可能な会場、落ち着いた風格あるインテリアの施されたレセプションルーム、パティオのついたレセプションルームと、バラエティに富んだ葬儀に対応できる会場設備がある。
<気になる費用は?>
リッチモンド葬儀社の場合、トラディショナルサービスを中心としたパッケージが4000ドル程度。グレイブサイドサービスのパッケージは約3000ドル。こうしたパッケージは、葬儀のコーディネート、遺体の運搬、遺体の保管・衛生処理、火葬の手配等が含まれる。トラディショナルサービスにはさらに会場と設備使用費が含まれる。特別な葬儀は行わず遺体の処理を中心とした業務のみの場合は1700ドル程度となっている。
こうした費用については、どの葬儀社もサービス項目別の価格を開示することが州の法律で決められており、リクエストに応じて確認することができる。リッチモンド葬儀社のサービスも個別に料金表が設けられており明瞭である。
会場や食事のセッティングによって費用に差が出てくるが、棺(caskets/cremation containers)や骨壷(urns)も選ぶ材質・デザインによって大きく値段が変わってくる。
リッチモンド葬儀社の場合、パイン材のシンプルな棺で700ドル、オーク材を使った光沢のある飾りのついたタイプで4000ドル台、マホガニー材を使った豪華なデザインでは1万ドルを超すものもある。しかし値段そのものよりも、故人の生前の趣味に合わせて材質やデザインを選んでいく人も少なくない。
葬儀社によっては、強化ダンボールや合板材を用いた廉価な棺を提供しているところもある。これは弔問客を迎えるトラディショナルサービスを行わず、シンプルに火葬・土葬のみを行う場合のニーズに対応したものだ。一例として、バンクーバーのファーストメモリアル葬儀社はダンボール製の棺を125ドルで提供している。バンクーバーのケアニー葬儀社では、合板材のものを195ドルで提供している。
後編では葬儀のプレアレンジメントを中心に紹介の予定。
(取材 平野香利)
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