SPECIAL 2005
2005年4月7日 第15号 掲載
![]() 日系ホーム |
![]() 編み物のクラス |
日系シニアズ・ヘルスケア住宅協会がBC州住宅局及びサイモンフレイザー保健支局との共同事業として、「日系プレース」に「日系ホーム」を完成させてから早2年半がたつ。日系の複合施設「日系プレース」には、シニア集合住宅「新さくら荘」とケア付きシニア住宅「日系ホーム」の高齢者向け施設の他、日系ヘリテージセンター、カナダ日系博物館、日系ガーデンが併設されており、様々な日系の催し物活動がここを拠点に行われている。
2つの高齢者向け施設はどちらも好評で、申込者は空室待ちとなる。また、日系ホームは、BC州住宅局、フレイザー保険支局と日系シニアズ・ヘルスケア住宅協会三者の合同事業という点で、BC州初のモデル・プロジェクトであったため注目を集め、各方面からの見学も多い。現在、同様の施設がすでに数ヵ所建設されており、日系ホームが社会に与えた功績は大きい。
入居者は90歳前後の高齢者が多く、6割強が日系。また、一時期は常に満室で入居が困難であったが、実際には入居者の交代も多く、申し込みをしておけば意外とすぐに入居ができるとのこと。新さくら荘の方は入居者の移動があまり無く空きは少ないが、申し込み者はプールシステムによって入居条件や資格が合えばチャンスはある。
なお、両施設への入居条件・資格の詳細は担当者に直接問い合わせを。
日系ホームの設備
■居室
訪問者の数日の宿泊は自由だが、職員への事前連絡は必要。全館禁煙、ペット禁止。
1ベッドルームタイプ(600〜700平方フィート)
59室(うち車椅子用居室3)。キッチン(4口の電熱式コンロ、オーブン、冷蔵庫付き)、洗濯・乾燥機、手すり付きのバスルーム、収納スペース、バルコニーがあり、ゆったりした1ベッドルームには夫婦で入居している高齢者も多い。バスルームとベッドルーム間はスライド式ドアで行き来できるようになっている。もちろん、室内に段差は無い。
スタジオタイプ( 平方フィート)
3室。ワンルームのスタジオタイプは流し、電子レンジ、冷蔵庫の付いた簡易キッチンとバスルームが設備され、洗濯はランドリーサービスを利用できる。
■公共スペース
ダイニング(ハイ・ゲンキレストラン)
昼食や訪問者との食事などに利用。一般にも開放されており、手頃な値段・味・ボリュームすべてにおいて人気が高い
理美容室
毎週月曜日(予約制)。料金はカット11ドルなど。
手工芸室
絵画、クラフト、手芸、編み物など各教室が開かれている。
談話室(多目的ルーム)
各階ごとにテレビ室や、カラオケルーム、図書室なども兼ねている。入居者が自由に利用できる他、会議室としても使われている。
入浴室
入浴介助が必要な入居者のための特浴設備のあるバスルーム。ゆりかご状の座浴バスは支援者からの寄付によるもの。
ライフライン
24時間職員が常駐、緊急通報システムが完備されている。また、火災などの際にはパニックを避けるため各部屋が自動的に閉鎖され、入居者は自室で救助を待つ。
その他
壁や廊下の絨毯の色が各階ごとに変えてあり、視覚的に自分の部屋がある場所がわかりやすくなっている。また、廊下には手摺りが取り付けられ、エレベーターにも衝撃吸収用のクッションが張ってあるなど、細部にも配慮されている。
■レクリエーションなど
ホーム内ではエクササイズ、ボランティアによるハンドマッサージ、ゲーム、麻雀、ビンゴ、誕生日会など、盛りだくさんのレクリエーション・プログラムがある他、出張店舗での買い物やリッチモンドへの買い物ツアーなども楽しめる。
日系ヘリテージセンター
渡り廊下で繋がっている隣接された日系ヘリテージセンターでも多くの催し物があり、日系ホーム入居者も楽しめるようになっている。また、広い会場を利用してのクリスマスパーティーなども行われる。
■駐車場
車を所有する入居者は、インターホンの付いた地下駐車場を月極めで使用できる。訪問者の駐車は無料。
受けられるケア
日系ホームは中程度介護施設。完全看護のケアが必要な人は残念ながら入居できない。医療サービスも無いので診療は引き続きかかりつけの医師となる。入居費に含まれるケアサービスは次のようなものである。
・ 1日2時間以下の生活介助
・ 常勤看護士による、常用し ている薬の管理
・ 日常の着替え
・ 入浴
・ 排泄後の手助け
・ 寝起き、立ち座りなどの移 動の介助
・ ダイニングルームなどへの 歩行の際の介助
・ 病床時における食事の居室 への配膳
有料サービス
・昼食
・ 洗濯(介護プランにこのサー ビスが含まれている入居者 を除く)
・ 自室の電話料金
・ 自室のケーブルテレビ料金
職員・スタッフ
現在、フルタイム、パートタイム、オンコールを合わせ、約40人の職員がいる。うち看護士は12人、介護士は18人、ハウスキーパーは3人、アクティビティ・ボランティアコーディネーターが1人、メンテナンスコーディネーターは1人、その他事務スタッフ。
食事について
入居者には朝食と夕食が付く。体調の悪い時には自室への配膳も可能。昼食は希望すれば別途料金で追加できる。食事は和食と洋食から選択ができ、治療目的の特別食にも対応する。各部屋にはキッチンが設置されており、入居者は自分で調理することもできる。
〜ある日の献立〜
■朝食
フルーツミックスジュース、オートミール、トースト、オムレツ、ヨーグルト、果物
■昼食
和食:みそ汁、牛肉と人参の炒めもの、玄米、オートミールクッキー
洋食:クリームマッシュルームスープ、ターキークラブハウスサンド、オートミールクッキー
■夕食
和食:茶碗蒸し、寿司盛り合わせ、お浸し、梨
洋食:ビーフヌードルスープ、豆のサラダ、チキンタラゴン・マッシュポテトと野菜添え、梨
入居の条件
「自立・尊厳・プライバシーを尊重しながら、加齢によって必要となった部分の生活の手助けをする」というのが日系ホームの目的。入居中に重篤な介護が必要になる場合には、相当する施設を斡旋するなどの対応がなされる。また、介護を全く必要としない健康な高齢者は日系ホームには入居できないが、併設された『新さくら荘』への申し込みが可能。
3カ月毎に専門カウンセラーによる面接を行い、最善の生活を提案してゆく方針が採られている。
・ 55歳以上(夫婦の場合はどちらかが55歳以上)で、18歳以降、10年以上BC州に居住した人
・ 日常の介助は職員1人で可能な範囲であること
・ 自分で意思表示や判断が行えること
入居費用
入居者(夫婦なら2人合わせた額)の収入に基づいて算出され、A(1800ドル未満)・B(1800以上2500未満)・C(2500ドル以上)の3段階に分けられる。
例1:総収入がAで、月額1000ドルの場合、入居費は790ドル
例2:総収入がBで、月額2000ドルの場合、入居費は1300ドル
例3:総収入がCで、月額3000ドルの場合、入居費は1773ドル
この他、保証金(家賃の半分の額)が必要だが、退去時に利子を付けて返還される。修繕が必要な場合や未払いの入居費があればここから差し引かれる。なお、月額入居費には、水道光熱費、食事(2食)、飲み物(お茶やジュースなど)、各プログラムへの参加費、家事サービス、サイモンフレイザー保健支局が容認する範囲での生活介助サービスが含まれている。
●●●日系ホーム●●●
■住所:6680 Southoaks Crescent , Burnaby ,BC V5E 4N3
■電話:604-777-5000/FAX:604-777-5050
■見学説明会:毎月第1水曜日 14:00〜(日本語・英語)予約制
*日系ホーム及び新さくら荘への入居の申し込み・問い合わせは電話にてサニー・アリノブ さん(内線104)、または ユウコさん(内線100)まで。
月〜金 8:00〜16:00/土 9:00〜13:00
(取材 藍智子)