SPECIAL 2005

2005年1月 5号 掲載



投資の基礎知識


投資アドバイザーとして実績のある、スコシア・マクラウドの矢嶋淳さん


  
 個人投資ブームが続いているが、なにから始めていいか、どんなものがあるのかわからないという初心者に投資の基本を、資産管理・投資会社として実績のあるスコシア銀行・証券部門、スコシア・マクラウドの投資アドバイザー、矢嶋淳さんにうかがってみた。


 まず、投資を大きく分けると2種類。
1.債券(GIC/ Bond/ Fixed Income Securities)2.株(Equities/ Stock)になる。

1.債券(GIC/ Bond/ Fixed Income Securities)

GIC (Guaranteed Investment Certificate)

・ 途中解約できないタイプの定期預金(GIC)

 定期預金にはふた通りあって、ひとつはCashable GICと呼ばれる一定の期間が過ぎれば途中解約できるものと、Guaranteed Investment Certificate (GIC)といって、途中では解約できないものがある。

投資について全くの素人でも安心して始められるのがGICで、期間は金融機関によっては1ヵ月という短期のものから5年にわたるものまでいろいろ。

預ける期間が長いほど金利が高い。

扱っているのは銀行、信託銀行、信用組合、生命保険会社になる。


・GICの種類

 GICの大きな違いは、各金融機関によって利回りが違うこと。

(利回りとは投資した元本に対する収益の割合。1年当たりの収益率を年利回りといい、%で表示する。投資元本$1000に対して1年間に$20の収益がある時、利回りは2%。)利回りには、毎年利息が支払われるタイプのものと複利利回りといって、利子を投資元本に組み入れていく方法で収益率を高めるタイプがある。

・元本保証タイプ

 GICは元本保証タイプ。

つまり運用成績や手数料差引などにより最初に預け入れた金額を下回ることがなく、満期の際には当初預入元本金額は必ず返却される。

加えて満期まで利息が支払われる。

・万が一の倒産でも、$60,000まで支払いが保証

 GICにはCDIC( Canada Deposit Insurance Corporation)というカナダの預金者を保護する機関があって、万が一自分が預け入れた銀行が倒産しても、ひとり当たり上限$60,000までお金が返ってくるように保険がついている。

債券(Bond)

 債券とは、連邦政府や州政府、市政府、大手銀行、大手企業が、多数の投資家から資金を借り入れ、その際に発行する“借用証書”のことをいう。

債券の紙自体に財産価値があり、有価証券と呼ばれ、債権者としての権利(元本の返済請求権、利子の支払い請求権)を一定の条件のもとに他人に譲渡できる。

・満期まで待てば「確定利回り」

 発行される時に決められた利息が定期的に支払われ、満期になれば額面金額が戻ってくるので、満期まで待てば確定した利回りが確保できる。

利率が(クーポン)額面金額に対する利子の割合であるのに対し、投資元本に対する収益の割合が利回り(イールド)と呼ばれる。

・クーポン(表面利率)とは

 投資元本に対する収益の割合を利回りと呼ぶことに対して、額面金額に対する年当たりの利子の割合を利率という。

以前は債券一枚ごとの券面に、1回ごとの利払いのために利札(クーポン)がついていて、利札と引換えに利子を受け取ることになっていた。

そこから、利率のことをクーポンレート、または単にクーポンと呼ぶようになった。

・返済の信用度を評価する機関

 債券発行者のクレッジトリスクをはかる機関が北米にはいくつかある。

DBRS (Dominion Bond Rating Services)、S&P(Standard Poor)、Moody’s などで、これらの機関での評価(Credit Rating)を基準に債券を選ぶのが賢い投資の仕方である。

同期間投資をする際に、金利(Interest)が高い発行体は、信用度、安全性が低いことが多い。

逆に信用度、安全性が高いということは金利が低くなる。

このことをよく理解せずに、単純に利息がいいから買ってしまうとハイリスクの債券であったりする。

・信用度評価(Credit Rating)と金利(% Return/Interest)の関係

 それでは、具体的に信用度評価はどうなっているのだろうか。

最も評価が高いものは、連邦政府が発行している国債(Federal Bonds)で評価はAAA (トリプルA)。

次に評価が高いのが、州政府発行の州債(Provincial Bonds)や大手銀行が発行する債券で、AA (ダブルA)の評価がついている。

大手企業などはA (シングルA) の評価をされており、BBB(トリプルB)以下の評価は業界ではジャンクボンドと呼ばれ、ハイリスクで、保守的な投資家には向かない。

・ 市場価格で売買

 債券は、OTC市場(Over the Counter)にて売買ができる。債券は金利の動きに非常に敏感で、その時の市場価格で債券を売却したり、購入するため、購入価格を上回る場合も、下回る場合もある。例えば、プライマリー・マーケット(Primary Market)では常に100ドルと価格が決まるが、公社債流通市場、セカンダリー・マーケット(Secondary Market)では例として95ドルだったり、105ドルだったり変動する。

債券を額面金額と比べて安い価額で取得すると、償還金額はパー(100ドル)なので差額が利益となる。

(例えば、割引債95ドルで買えば、100−95=5で5ドルが利益)その反対で高い価額で買うと、差額が損失となる。

ただし、クーポンレートがよければ満期時のキャッシュフローのおかげで、利益につながる可能生もある。

・取り扱い機関

 債券の取り扱い金融機関は、銀行、証券会社、生命保険会社などだが、インターネットのウェブサイトなどを使って、購入することも可能。

ただし、自分ひとりで債券投資をし、成功するためには、ある程度の知識が必要となってくる。

信用度評価(Credit Rating)は一定ではなく、企業の業務内容によって変化するので、個人投資家は常に評価のチェックをすることが重要。

2.株式(Stock)

・ 株の種類
 株には大、中、小企業のものがあり、カナダ、アメリカ、アジアやヨーロッパの株が購入できる。

また、株式には、一般的な普通株(Common Share)と、債券と同様に金利に敏感で、換金性が低く、配当に重きをおいた優先株(Preferred Share)がある。

一般的に株価の値上がりを期待して買う株は普通株である。

・株式と債券の違い

 株式も債券と同様、企業が事業を行う上で資金が必要なときに株を発行して投資家から資金を調達する。

債券の場合は、あらかじめ決められている償還日に、企業(=発行体)が投資家に償還金(=債券の額面金額)を返すことが約束されている上、分配金としてクーポンが支払われる。

そのクーポンは通常、債券の発行時より償還時まで、企業の業績の影響を受けず一定である。

しかし、株式の場合は償還がないので、投資家が売却しない限り投資資金は返ってこない。

また、配当金も一定ではない。

一般に株式は債券に比べてリスクが高いと言われるのは、株式投資では将来返ってくる収入が不確定であるからである。

資産の分散(Asset Allocation)と投資信託(Mutual Funds)

 投資をするには、まず投資目的(Investment Objective)と資金のリスク許容度(Risk Tolerance)をよく確認した上で、分散して投資するのが賢明な方法だと矢嶋さんはいう。

資産の分散というのは、例えば、株式、債券、キャッシュ等に集中投資する危険性を回避し、配分することで、安定的かつ高い収益を得ようとするものである。

 また、投資には興味があるが、十分な資金がないという人におすすめなのが投資信託(Mutual Funds)。

投資信託は、投資家から小口の資金を集め、その資金をまとめて株式や債券などで運用し、その収益を投資額に応じて投資家に分配するもの。

集められた資金は、多数の銘柄・商品に分散して投資され、運用はプロのファンドマネージャーという投資管理者が行なう。

分散して投資することにより、リスクを抑えながら高い収益を得ることが可能。

ただし、投資信託は、元本が保証されているわけではないので、リスクもあることを忘れてはならない。

(取材 ミネ内田ビイラー)

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投資アドバイザーの矢嶋淳(やじま じゅん)さんへ
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