MAPLE 2005

2005年7月7日 第28号 掲載
 
カナダといったらナイアガラ瀑布!
 カナダ東部の代表的な観光地のひとつであるナイアガラの滝(先住民の言葉で「Thunder of the water」)。この滝はおよそ1万2000年前の第四氷河期の終わりに誕生したといわれている。アメリカ五大湖のエリー湖から流れ出た川(ナイアガラ川)が断層を流れ落ちたところがナイアガラ滝の発祥の地だ。現在よりおよそ10キロ下流にあるこの断層から、莫大な水量によって年々侵食されて現在の位置になった。

正式に測量が始まったのが1842年のことで、1905年までに116cm。1906年から1927年の間に70cm。現在は滝の上流で水力発電用に水が取水され、コントロールゲートで水量もコントロールされているので侵食は少なくなったが、それでも毎年約2.5cm侵食が進んでいるという。
 
 
 ナイアガラで有名な「霧の乙女号」のクルーズ船は150年以上前に始まった世界で一番歴史のあるクルーズ船だ。「霧の乙女」の伝説はIMAXシアターで「ナイアガラ」の上映をみると面白い。先住民族の伝説で、長老との結婚を嫌がった乙女が滝つぼに住む精霊に導かれて飛び込んだ。それが「霧の乙女」の伝説。
 I MAXの「ナイアガラ」の中では、滝にロープを張って綱渡りをした人、滝の下流の激流を下った人、初めて樽で滝から飛び込んだ人、いわゆるナイアガラの冒険者達の映像が流れる。ちなみに初めて樽で滝から落ちて生還した人はアニー・タイラーという63歳の女性で1903年のことだった。樽の中には一緒に真っ黒い飼い猫も入っていたが、救い上げられたときには真っ白な猫になっていたという。1960年には事故で生身のまま滝から落ちた男の子もいたが奇跡的に助かった。これは「霧の乙女」が守ったのだとも言われている。現在は自殺でも事故でも滝から落ちたら1万ドルの罰金が科せられる。
 ナイアガラには年間1500万人の観光客が訪れる。滝はゴート島をはさんでカナダ滝(幅約700m、落差約50m)とアメリカ滝(幅約300m、落差約50m)に分かれる。両方合わせて約1キロになる。南米のイグアスの滝、アフリカのビクトリアの滝とならんで世界3大瀑布に数えられる。落差はないが流れる水量は世界一で街からすぐに見に行けるという気楽さでは最も身近だ。
 アメリカ滝に行くにはもちろん国境を越えなければならない。レインボー・ブリッジを渡ればアメリカ側だが、橋の途中が国境になっているので国境をまたにかけて滝をバックに写真も撮れる。意味はないと思うがなんだか偉くなったような気になる。アメリカ側では是非「風の洞窟」に行ってもらいたい。8米ドルでサンダルやカッパも持ち帰れる。

エレベーターで滝の下の方に降りる。そこからガイドさんに連れられてアメリカ滝の方に向かう。この道はとにかくカモメが多い。カモメのウンチもたくさん落ちているので必ずカッパは頭までかぶっていた方がいい。ハリケーン・デッキに近くなるにつれて滝の飛沫がものすごい勢いで降りかかってくる。まるで台風の実況中継のようだ。ハリケーン・デッキに行きたくない人は回り道もあるので安心を。

 アメリカ滝の付近にカモメが多い理由は魚も滝から落ちているので、一時的に気を失ったり、落ちた衝撃で死んでしまった魚を狙ってカモメが集まるのだそうだ。魚の種類はサーモンやバス、トラウト、パイクなど。どう計算したのかはわからないが魚の生存率は90%とのこと。
 ナイアガラは滝だけでなく、滝周辺にはカジノ、ギネス館、お化け屋敷、ロウ人形館、プラネットハリウッドなどのアトラクションがあり飽きない。ナイアガラの滝から26キロ下流には、ビクトリア朝の趣のある町並みやたくさんのワイナリーで有名なナイアガラ・オン・ザ・レイクという街がある。途中には世界一小さい教会といわれる「ウエイサイド教会」もある。レンタカーがあれば是非足を伸ばしてもらいたいが、オプショナル・ツアーで行くこともできる。
 ナイアガラの滝は横や下からだけでなく、滝を上から見るのならスカイロンタワーやヘリ観光があり、滝の裏側をみるビハインド・ザ・フォールというのもある。ここでは滝をあらゆる角度から楽しむことができる。

また、滝というとマイナス・イオンを思い出すが、ここのマイナス・イオンは山のきれいな空気の50倍はあるそうだ。マイナス・イオンはストレス解消になるといわれるが、滝のおかげで夏の蒸し暑さもカナダで一番といわれている。
 隣街のセント・キャサリン市にはウエーランド運河がある。これはスエズ運河、パナマ運河と合わせて世界3大運河といわれている。エリー湖とオンタリオ湖の間の長さ43.5キロ、高度差99.6メートルを8ヵ所のロックで大体12時間かけて大きな船が移動する。興味のある人はビジターセンターもあるが、車でないといくことはできない。
 ゴルフ場もナイアガラ周辺には多く、ジョン・デイリーやグレッグ・ノーマンのコースもこの夏にオープンする予定。自然散策に興味があるならナイアガラ・グレンがお勧め。滝からは約8.5キロ下流と離れているが、ピープル・ムーバーというバスに乗れば気軽に行くことができる。バスを降りると目の前が公園になっていてBBQをする人や日向ぼっこをする人に会えるだろう。

公園のすみにナイアガラの川の方に降りる階段が設置されているので、そこからナイアガラ川の辺まで降りていくことができる。激流をはしるジェット・ボート、魚釣りをする人、クライミングをする人など見ながらだいたい1時間で散策できる。ナイアガラでは9月4日までの毎週金曜と日曜の夜10時からは花火が上げられる。カナダ東部へ旅行に行くなら是非ナイアガラを訪れてみたい。
●ナイアガラのアトラクション●
霧の乙女号(Maid of Mist)$13
最もよく知られたアトラクション。滝つぼのかなり近くまで船は行ってくれる。乗るときは屋根があるところにいるといい。そうしないと滝つぼの近くでは嵐のようでびしょ濡れになってしまうだろう。晴れていれば船から虹が見られる可能性大。
風の洞窟(Cave of the Wind)$8US
ハリケーン・デッキの迫力は霧の乙女号に引けは取らない。ゴート島は全体がきれいな公園になっているのでのんびりできるし、カナダ滝とアメリカ滝の両方を近くまでいって見ることができる。
スカイロン・タワー$10.17
展望台は網格子になっているので、風を感じながら滝を見下ろせる。夕方だったら昼の滝とイルミネーションの滝の両方を堪能できる。また滝を見下ろしながら食事のとれるレストランがある。1時間で1周まわる回転レストランだ。
IMAXシアター$12
約40分。日本語の聞けるヘッドフォンも借りられる。滝にまつわる色々な物語を迫力のある映像で楽しもう。絶対おすすめ。
ビハインド・ザ・フォールズ$10
カナダ滝の滝つぼ近くのデッキまでおりて見ることができる。また滝の真裏にもトンネルがあってそこまで行くことができる。
スパニッシュ・エアロ・カーゴ$10
滝の下流、5.2kmのワールプール上を往復する。秋の紅葉の綺麗なところだ。
ナイアガラ・ヘリ$100
ヘリコプターでナイアガラ上空から見学。
ジェット・ボート:ウエット・ジェット$52、ジェット・ドーム$39
ナイアガラ・オン・ザ・レイクの街からワール・プールまでの往復。どうせ乗るならウエット・ジェットの前に座ろう。迫力満点。
ナイアガラパークスの主なイベント
6月24日−8月28日(毎週金・土・日 10:00-16:00)
テーブル・ロックにてRCMPオフィサー・ミート・アンド・グリート。RCMP(騎馬警察隊)と写真撮影や質問ができる。
6月19日―8月28日(毎週日曜 14:00-16:00)
クイーン・ストーンツ公園にてコンサートが行なわれる。
10月23日
カジノ・インターナショナルマラソン。カナダとアメリカにまたがって開催されるマラソン大会。事前にアメリカへの入国許可を取っておかなければならない。
5月20日― 9月4日(毎週金・日20:00−22:07)
20:00からクイーン・ビクトリア公園にてコンサート。その後カナダ滝の近くで花火が始まる。花火は7分ほどなのでよい位置を確保しよう。
ナイアガラのオフィシャル日本語HP
www.niagarajapan.com:ナイアガラの様々なことがこのHPで得られる。
ナイアガラ内での移動
○ピープル・ムーバー 1日券$5.50
 自分で滝の周辺を探索するならこれが一番便利。1日券と霧の乙女号、ビハインド・ザ・フォールズ、ホワイトウオーター・ウオーク、バタフライ温室館の4つのアトラクションが組になったアドベンチャー・パス($38.07)もある。
(写真・取材 野口英雄)