MAPLE 2005

2005年2月10日 第7号 掲載


 

冬こそ楽しいカナダ東部の旅!Pat3
アンの気持ちで春を待つ!PEIの旅

 

 『赤毛のアン』シリーズの舞台、プリンス・エドワード島(PEI)の冬は、モンゴメリーが生き生きと描き続けたように、雪に包まれた白い天国のような世界です。時おり強い吹雪に見舞われることはあっても、太陽が顔を出せば大地はキラキラと輝き、グリーンゲイブルズの屋根もひときわ美しくみえます。おばけの森の神秘さも夏とは全く違うのです。
アンの世界にたっぷりとひたりたいなら、冬にPEIを訪れてみてはいかがでしょう。


アンのような笑顔の少女に出会えるかも!?

雪につつまれたグリーン・ゲイブルズ・ハウス

●自分だけのアンの世界を想像してみたい

 PEIの観光シーズンは6月から9月。特に7月、8月は海水浴客がたくさん島を訪れるので、おお賑わいです。たくさんの観光客といっしょに、アンにゆかりの場所を尋ねるのももちろん楽しいですが、やはり想像力の翼を大きく広げて、静かに自分だけのアンの世界を想像してみたいですよね。PEIへのリピーターで、モンゴメリーの本をじっくり読んだことのある人なら、冬に出かけてみるのも一案です。長い冬を過ごす島の人々ならではの「春を待つ心」の動き、雪景色の美しさ、ツララや木々についた霧氷の輝きなど、モンゴメリーが丁寧に描いたPEIの素顔に触れることができるでしょう。

 残念ながら、グリーン・ゲイブルズ・ハウスをはじめとして、モンゴメリーの生家などほとんどのみどころは冬の間は閉鎖してしまい、内部の見学はできません。しかし、グリーン・ゲイブルズ・ハウスの周辺を歩くことはできますし、他にも楽しみ方はたくさんあります。


●ツアーは冬も運行中


 PEIには公共交通機関がありません。夏はシャーロットタウンとキャベンディッシュの間にシャトルバスが運行されることもありますが、冬はこれも運休中。雪道ですから、レンタカーの利用もあまりおすすめしたくありません。ところがありがたいことに、プリンス・エドワード・ツアーズ(tel:902-566-5466)社などが催行する、『赤毛のアン』の物語に関連した場所を巡るツアーは冬も運行されているのです。ツアーに同行する人数が少なければ料金も割高になりますが、一人でチャーターすることも可能なようです。

 もう一つの過ごし方は英語の勉強です。例えばシャーロットタウンにある英語学校Study Abroad Canada(tel:902-628-2379)は、小さな英語学校ですがアットホームな雰囲気で日本からの留学生にも人気があります。ここの学生のほとんどはホームステイ。冬も開校していますから、島の人々の冬の過ごし方に触れながら英語を学ぶことができそうです。


●シャーロットタウンをゆっくり歩くのも素敵

 冬景色が特に美しいのは、PEI国立公園の中にあるクラシカルな邸宅ダルベイ・バイ・ザ・シー周辺の海辺。雪に覆われたフレンチリバーのなだらかな丘の斜面も印象的です。住宅や倉庫の壁が、赤や緑、青などの鮮やかな色に塗られているのも、冬景色のアクセントになっています。

 あまり遠くへでかけたくない気分の日はシャーロットタウンの中の古い住宅や教会めぐりをしてみましょう。この島には、ウィリアム・ハリスという建築家の設計した素敵な家や教会がたくさんあります。観光案内所でリストをもらうとよいでしょう。特におすすめなのは、聖ペトロ教会の隣にあるオール・ソウルズ・チャペルと呼ばれる小さな礼拝堂。平日でもたいていはドアが開いています。電気を自分で点けて入ってください。壁に描かれた優しい表情のキリストと子供たちの絵はハリスの弟の作品です。一人でゆっくりと考え事をしたり、思い出にひたってみたい気分の日ならここがベストでしょう。出るときは電気を消すのをお忘れなく。

 シャーロットタウンのレストランは、ほとんど冬も営業しています。アン関係のグッズ中心のおみやげ屋さんは休業しているところもありますが、島の住民の生活に関係したお店なら大丈夫。インテリア小物のお店などへ行けば、おみやげになりそうな手作りの品も見つかるでしょう。島の赤土で染めたTシャツや手作り石鹸などをチェックしましょう。

(取材・文 宮田麻未 / 写真 神尾明朗)