家族でおでかけ
2005年12月1日 第49号 掲載
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ノースバンクーバー、ロンズデールキー。海の向こうにバンクーバーの高層ビル群が、晴れた日には青い海と空に映えてはっきりと、雨の日には淡い空気のベールに包まれてうっすらと見える様がなんとも美しい。 そのロンズデールキーのお馴染みのマーケットに、生きた貝やロブスターなどの硬骨類をその場で調理して食べさせる店がある。Screaming Mimi's は、特に魚介類の味に詳しいアジア人の顧客が多いというだけに、カナダ近海で取れる生きのいいものを揃えていると評判の店。ここは量り売りで、生きたまま豪快に網で掬い上げたものをそのまま家に持ち帰ることもできるが、プラス3・ ドルで、その場で蒸すか、茹でて調理したものを食べることもできる。 今回はオーナーのコースターさんが「高かったんだよ」と自慢する特注のスティームマシンから蒸しあがったばかりのムール貝を試食。味が凝縮された熱々のムール貝は甘く、ガーリックバターにレモンを絞っただけのシンプルなソースとの合性は抜群。さらに、オーナー自ら「大西洋で捕ってきたばかり」というBARS D'OR産の生牡蠣も試食。レモンと塩だけで食べる身はぷりぷり、しこしこ。これぞ美食の醍醐味と痛感させるおいしさだ。その他、シーフードサラダやスープなど新鮮な魚介類を使った軽食メニューも豊富。
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| 同じくマーケット内で、新鮮なお肉とイケ面のお兄さんたちで有名なのがLonsdale Gourmet Butcher。
ここはカナダでは見つけるのが難しい日本式の薄切り肉(牛肉・豚肉)が手に入る貴重な店でもある。冷凍ではなく、注文後、その場で骨を取り除き、手作業でスライスしてくれるこだわりの肉は、色もきれいで、見るからにやわらかそう。 「うちの自慢は安さと質の高さ。いろいろなリクエストにも応じます。事前に注文されれば、鍋用のつくねなどもご用意しますよ」とオーナーのショーンさん。クリスマスなどのイベントには、家族用の大きなターキーの他に、独身者やカップルで過ごす人のために、オーブンで焼くだけになった小ぶりのものを用意。ハンサムでフレンドリーなお兄さんたちと、お肉について楽しいスモールトーク。あんまりロマンチックでもないけど、肉のおいしさは保障つきだ。
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| マーケットを出て、右に曲がった突き当たり。北に向かってまっすぐ伸びるロンズデールアベニューへ。この界隈はアンティークショップや昔ながらの本屋など、個性的な店が多い通りだ。 その中で、フレンチカントリー風の一際かわいらしい店構えはBakery Cafe Sweet Art。フランス、イタリア、ドイツ、デンマークからの4人のシェフが、それぞれ持ち前の腕を振るったケーキやペーストリー、クッキーなどが所狭しと並ぶ。店内はその名のごとく、美しくデコレーションされた小さな芸術作品の宝庫だ。天然素材にこだわり、油を使わず全てバターで仕上げられた商品は、おいしい上にヘルシー。フレッシュフルーツの色も鮮やか。 自他共に認めるティラミスフリークの記者は、イタリアに伝わるオリジナルレシピから作られたという人気のティラミス(3・95ドル)を試食。マスカポニーチーズを使用したクリームは、これぞ完璧という甘さ加減で、口の中でまったりと広がった瞬間、ふわっと溶けてなくなる絶品。上にかけられたエスプレッソパウダーのほのかな苦味が、その味を締めくくる。また、ここでは糖尿病やダイエット中の人のためのノンシュガーアイテムや、アレルギー体質の人のためにはグルテンフリーパンや、米や豆、芋などを使ったパンなども用意している。店内はカフェにもなっており、スープやキッシュなどの軽食も楽しむことができる。
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| さらにこの通りの坂を数件上ると、オーガニックブレッドの店として人気のThe Artisanがある。毎日店の奥の工房で焼かれるパンは新鮮そのもの。「チーズなどオーガニック製品では味が良くなく、単価が高くなるもの以外は、全ての素材にオーガニックを使用しています。また、余分な調味料も入っていません」とオーナーのマークスさん。どうして簡単な材料だけでおいしいパンができるかと問うと「時間と手間を惜しまないからです。 例えば、うちのチバタブレッドは 時間もタネを寝かせます。イースト菌によって短時間でタネを膨らます代わりに、菌を入れず、長時間かけて味を育てるのです」と、いわゆるスローフード思考を強調。一番人気は、エンシャントグレインブレッド(500g3・65ドル、1.5k8・80ドル)BC州のオーガニックアソシエーションの2005年ベスト・オブ・ザ・ブレッドに選ばれた商品で、小麦粉の代用品としてエジプトで発見されたKamutがたくさん入った、ヘルシーなRyeとSpeltのパン。また、サンドイッチはNorth Shortニュースで本年度のベスト・オブ・ザ・サンドイッチバーに選ばれたほど有名。客にパンと中に入れる材料を選ばせ、その場でできたてを食べさせる新鮮さが受賞の決め手だ。 しかし、栄誉ある賞におごることなく「大切なのは、お客さんがうちのパンをおいしいと思うかですよ」と、あくまでパンの質にこだわるところが人気の秘訣に違いない。
(取材 船津美帆) |