「あなたの思い出、映画にします」
こんな印象的なキャッチコピーの映像制作会社が、今年の4月に立ち上がった。日本人代表のTOMOさんは、ここバンクーバーで現在オリジナル長編映画の製作を手がけている人物。
「生活のためです」と笑うTOMOさんだが、実は良い映画を作り続ける上でいろいろな映像を撮っていきたいとの思いにあふれている。「自分に何が出来るのかと考えた時〈思い出を映像化することが出来たなら素敵な事じゃないか〉と思ったんです」。
TOMOさん自身バンクーバーに来て3年。日本ではとてもできない体験をたくさんし、この3年間の方がずっと有意義だったという。
そのドキュメンタリーを作りたいと思った時、同じ事を思っている人が他にもいるのではないかと考えた。写真はうまく加工すれば映画のような作品になり得る。思い出の詰まった写真を自分の持った知識や技術で加工すればもっと素晴らしいものになり、それがまた思い出となって他の人にも見せられる。
写真コラージュ
様々な出会いや経験、大自然…そんな写真を合わせて加工し、音楽を入れるなどして編集し、5分ほどの映像にする。
結婚式などのイベントの他、CMや会社のプロモーションなども手がけている。人生のドキュメンタリーを作る場合、その人となりをよく理解した上で制作に入る。インタビューや生活の様子なども加えることができ、オリジナルロゴを入れるなどし10〜20分の映像作品に仕上げる。劇場公開や映像披露パーティーなども。「自分のアイデンティティーを残したいと考えた時、昔は画家に肖像画を描かせたりしていましたが、それが今は写真となり、デジタル技術の進化と低価格化によりだんだん映像になっていくんじゃないかと思うんです」。脚本も書くTOMOさんにとって、いろいろな人との思い出を映像化することは熱中する作業であると同時に楽しみであるに違いない。
大勢のスタッフとの1年間
1年かけて制作されこの冬公開予定の長編映画〈TheTears of the Rabbit〉はボランティア・プロジェクトのため、様々な紆余曲折があった。その体験から愛情とコミュニケーションを大事にしているという。人に対する敬意と相手を大切に思うこと、相手の目線に立って物を見、真摯な態度で臨んでいる限り相手も応えてくれるという。
「今作っている映画を販売し映画祭にも出したいと考えているが、そんな人がごまんといる中、何より努力し続けるしかない。僕は才能は努力あってこそ生きると思っています」と語るTOMOさんの力強くも暖かい眼差しは、人間への興味と愛情で溢れている。そんな彼が作る映像は、様々な人の思い出を通し感動を広げていくに違いない。
(取材 菊池友里)
|