SPECIAL 2004

2004年11月 47号 掲載




あなたの生活に合った生命保険はどのタイプ?


  
  結婚した時、家を買った時、子供が生まれた時、友人が不慮の事故や病気で亡くなった時など、自分の生活を見つめる機会のあった時に、生命保険について考える人も多いのではないだろうか。

しかし、家や車のように実際に自分の目で、気に入ったものを見つけるというわけにいかないのでなかなか難しい。ライフスタイルや、家族構成、価値観なども人それぞれに違い、生命保険も今やオーダーメイドの時代になってきた。 

 今回はバンクーバーで25年以上保険外交の実績を持つカナダ・ライフの浅野イサオさんに、何をポイントに生命保険を選ぶか、また基本となる生命保険にはどのようなタイプがあるかをうかがってみた。

A) 生命保険はなぜ必要か

1.資産創造(Creation of Estate)

 一つ目は多くの人たちが理解している生命保険が必要とされる理由である。一家の働き手に万が一のことがあった場合に、あとに残された家族が困らないで生活できるようにするため。

2.資産維持(Conservation of Estate)
 それでは、十分に財産を持っている人なら生命保険に入らなくてもいいのかというと、資産家もやはり生命保険が必要だと浅野さんは言う。

 簡単な例を挙げると、夫婦名義でウィスラーにコンドミニアムを20年前10万ドルで買った。このところの不動産ブームとオリンピックの影響で、そのコンドが10倍に上がって100万ドルになった。ご主人が亡くなり、奥さんが相続。カナダではこの時点では遺産相続に関して税金を取られないが、奥さんが亡くなった時、子供たちが遺産を相続するにあたってCapital Gainの税金を払う必要がある。

  カナダはご存知のとおり、税額が高い。このケースだと資産の半分50万ドルが対象となり、43.7パーセントが税率(BC州)、つまり21.85万ドルを支払わなくてはならない。生命保険に入っておけば、税金は保険料からカバーされ、資産が守れるといった理由づけである。

B) どのくらいの金額の保険に加入すればいいのか

 それでは、いったい自分はどのくらいの金額の生命保険に加入すればいいのだろうか。

 もちろん、人それぞれライフスタイル、家族構成、価値観が違うので一概にいくらが妥当とは言えない。だが、目安は以下の2点がクリアできる金額が理想である。

1.すべての負債を支払う
2.被保険者が亡くなった後も、家族が同じ  生活レベルを保つことができる
 簡単な早見表を作ってみるとわかりやすい。

 

 左側に資産の一覧を作り、右側に負債に一覧を作って、それぞれ合計を出す。この例の場合、全体の負債21万ドルから、貯金の1万ドルを引いた20万ドルが現在抱えている借金となる。

 例えば、残された奥さんと子供一人に必要な生活費が月に2500ドルだとする。そうすると、
(2500×12=30,000)1年では3万ドルの生活費が必要となる。そして、この金額の利子を生み出すにはいったいいくらの元金がなくてはならないのかを計算する。計算しやすいので10%の金利だと考えた場合、(30,000÷0.1=300,000)30万ドルの元金があれば、OKということになる。ご主人が亡くなった時点で負債のすべて20万ドルを支払うとすると、生活費の元金30万ドルプラス20万ドルで50万ドルの生命保険に入っておけば、負債がすべてなくなり、残された家族は前と同じ生活が保てるということになる。

  実際には、家の税金、また子供が大学へ行く時の費用など、いろいろ細かいことが派生してくるので、信頼のおける専門家に計算してもらった方がいい。
賃借早見表  
資産(Assets) 負債(Liabilities)  
●家(30万ドルのうち10万ドル支払済み) ●家(モゲージの残り20万ドル)
●貯金(1万ドル) ●車(モゲージの残り7千ドル)
  ●クレジットカードの未支払い(3千ドル)
合計:11万ドル 合計:21万ドル




C) 生命保険にはどんな種類があるのか

 生命保険は大きく分けて以下に述べる3つの種類がある。自分の「現在」のライフスタイルに合ったものはどれなのか。「現在」とあえて言っているのは、生命保険は時として切り替えた方がより安く、有意義に生活の保障ができることもある。最後の項目「D」の具体例で比較してみるとわかりやすい。

1.定期保険(Term Life Insurance)

 別名、掛け捨て保険ともいわれるが、保険料は最も安い。ある一定期間を対象にしたもので、死亡した時に限り保険料が支払われる。通常、5年、10年、15年、20年おきに、保険料が上昇し、保障は85歳までが一般的。(「Term to 100」という保険に関しては保険料が一定で保障が100歳まで。

 ただし、その分やや割高になっている。「D」の項目参照)保険を解約しても返戻(へんれい)金はない。

2.終身保険(Whole Life Insurance)

 貯蓄性が高く、積み立て保険と呼ぶこともある。保険料は一定で、一定期間保険料を払い込むと、保険料払い込み期間が終わった後も、一生涯、死亡保障が継続される生命保険。 一定期間で終了する有期払い込みと一生涯保険料を払い続ける終身払い込みの2つのタイプがある。

 また、保険会社の経営に参加、その業績により配当金(Dividend)が分配されるので利益配当付き保険(Participating Insurance)ともいう。配当は現金で受け取っても、そのまま積み立てて利子を加算していっても良い。

  また、配当金が貯まってきたら、その中から保険料の支払いをすることも可能。現金が必要になった時、自分の積み立てた金額の90〜95%なら借りられ、配当金の金額以内ならいつでもお金を引き出すことができる。

3.ユニバーサル保険


 投資性が高く、貯蓄性も高い。例えば、100ドルの掛け金の内,30ドルが定期保険の保険料に当てられ、残り70ドルが投資のために運用される。一般的に株式や債券などに投資する人が多いが、運用成績によって保険金額、解約返戻金が大きく変動するので、投資に関心がない人には不向き。

  ただし、死亡保険金に関しては保障されている。

  また、課税されないで貯蓄ができ、10年から20年経って、保険料と同額かそれ以上の金額が貯まってきたら、その中から保険料を支払うことが可能。その時々のライフスタイルによって保険料の設定を自由に変えられるのが特長の生命保険である。

3つの生命保険の比較
生命保険の種類 保障期間 保険料 払う期間 中途解約での解約返戻金
  (死亡保険金が受け取れる期間) (月々の掛け金)    
定期保険 保険料払い込み期間 安い(短期の場合) 必要な一定期間 なし
(掛け捨て)        
終身保険 一定期間払い込むと一生涯 高い 有期払込みと終身払込み
あり
(積み立て)        
ユニバーサル 保険料払い込み期間 自由に設定できる 自由に設定できる あり
(投資タイプ)        


D) 3つの生命保険を実際の数字で比較してみると・・・
 例えば、「B」の項目に出てきた家族をご主人が40歳(ノンスモーキング)、奥さんと10歳の子供が一人とした場合、いったいどのような選択があるのだろうか。

生命保険の種類    
  死亡時の受け取り金額 保険料(月々の掛け金)
定期保険(掛け捨て) $500,000 $45.00 (10年毎に更新)
    $75.15 (20年毎に更新)
    $247.80 (100歳まで)
終身保険(積み立て) $500,000 $524.55
ユニバーサル(投資タイプ) $500,000 $275.52 
    (最低料金で計算した場合・100歳まで)

 

 左の表を見てもわかるように、定期保険は格段に安い。しかし、あくまでも掛け捨てである。そこで、浅野さんは保険を切り替えることも賢い保険の活用法だという。例えば、10年間、月々45ドルの定期保険に加入する。

 ご主人に万が一のことがあった場合に家族が困らないようにだ。そして、50歳になった時には子供はすでに成人しており、家のモゲージも残り少なくなっているので、今度は終身で額面の低い保険に切り替えるのも一案だ。

 その他にもいろいろな代案があるので、信頼のおける保険のプロに相談してみるといい。

 生命保険はまた、死亡保険のほかに、疾病保険(Disability Insurance),ガン、心臓病などの成人病保険(Clinical Illness Plan)などがあり、死亡保険との組み合わせも自由にできる。


詳しいことについてのお問い合わせは:
カナダ・ライフ  浅野 イサオさん

TEL:604-274-5234 Cell:604-720-5234
Fax: 604-274-5235
  (取材 ミネ内田ビイラー)