SPECIAL 2004
2004年10月 44号 掲載
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日本産コシヒカリ |
バンクーバーの小売店で売られている日本の銘柄米のほとんどがカリフォルニア米であることは知っていただろうか。
味も香りも限りなく日本産の美味しいお米に近いが、やはり日本米が一番という人に、今回は朗報である。
日本のJAが企画・販売を担当し、日本政府のバックアップを受けて本格的に日本産コシヒカリの北米販売に乗り出した。
そこで最初に大々的に上陸したのがここバンクーバー。今回は、このバンクーバー日本産コシヒカリ販売キャンペーンのために来加した鶴留尚之さん、新藤大佑さん、黒田泰博さんに、日本産コシヒカリの特長や今後の北米販売について話をうかがった。
北米進出のきっかけ
実は北米には6年前1998年(平成 年)から日本産の米の販売を始めていた。決して大々的なものではなかったが、少しでも日本産米を知ってもらおうと始めたものだった。
しかし、今回は本格的な日本産米キャンペーンと題しての売り込み。企画を担当した 全中の食料農業対策部米消費拡大・食生活対策室の新藤大佑さんは、「北米への市場拡大を狙った大々的なキャンペーンです」と説明する。
もちろん、まず日本で取れた日本米のおいしさを知ってもらうというのが一番の目的というが、実際、日本での米の消費量は落ち込む一方で、政府がやっと米の販売に関して海外へ目を向けたと言うのが今回の大きなきっかけとなっている。
さらに、日本産米が海外で認められれば、日本での消費にも弾みがつくのではないかとのねらいもあるという。
バンクーバーを拠点に
バンクーバーで日本産コシヒカリが販売され始めたのは2003年から。特定の小売店の棚に置かれていただけで、これまで特に宣伝などは行わなかった。それが方向転換したのは今年に入ってから。
4月にバンクーバーで活躍する一流シェフを招いて日本産コシヒカリを食材にした料理の鉄人さながらのイベントが開催された。そして今回の販売キャンペーン。バンクーバーにある小売店で試食会も開催された。
バンクーバーを選んだのは、一つにはバンクーバーを拠点にしている食料品卸会社と知り合ったのがきっかけ。「初めてここに来た時、この町が北米で一番と言っていいほどの食文化を持っていて、しかも日本食レストランの質がとても高くて美味しいのに驚きました」と鶴留さん。米を食べるということが、生活の一部として根付いているこの町を拠点に決めたことに間違いはなかったと納得している。
日本産コシヒカリのおいしさを知ってもらいたい
しかし、カリフォルニア産日本米だって決して日本産米とのおいしさの違いに昔みたいに天と地ほどの差があるわけではない。はっきり言ってうまく炊けば結構美味しく食べられるように品種改良されたものも多い。しかも値段も手頃である。
このような状況で、日本産コシヒカリがこれから競争に勝って行くには、まずその独特のおいしさを知ってもらうしかないと、今回の試食会が開催されたのである。「ほんとに食べてもらわないことにはこのおいしさが伝わらないと思うので」と3人とも力を込める。特長は、なんといってもその独特の甘みである。
さらに色、つや、香り、透明感そして炊きたてのふっくらとした感じ、これぞ日本の「白いご飯」である。「炊きたてはもちろん一番美味しいです。しかし日本産米が他の産地の米と違うのは、冷めてもそのおいしさが変わらないところにあります」と
全農米穀販売部主食課の黒田さんは強調する。やはり、日本のお米では日本産米に敵うものはないと言うことなのだろう。
今後の課題
おいしさだけを強調すれば米の販売が北米でうまくいくのかといえば、やはりそうではない。最も厳しいのが価格競争である。日本産コシヒカリは今のところ扱っている中国系小売店
& で2・5キログラム(5・5パウンド)入り通常価格21・99ドル、これは他の最も値段の高いカリフォルニア産日本米の2倍以上の値段である。
「質の良さには絶対の自信があります。だから食べて頂ければ美味しいと確信してもらえる自信はあるのですが、ただ価格競争となるとまだまだ課題は残ります」とやはりこの点がこれから解決していかなくてはならないポイントとなることを認識している。
「しかし、まず食べて美味しいということを分かってもらわないと、例え値段が下がったとしても手にとってもらえなくなりますから」と、とことん味で勝負。
今回試食会が行われた中国系食料品店の スーパーマーケットチャイナタウン店食料品部門ヘッドのエドモンド・ラムさんは、「当店でも日本人のお客さんは非常に多いですので、こうして日本産米を知ってもらう機会がもてたのはとてもいいことだと思います」と語った。
ここを拠点に、アメリカ西海岸へ
米の文化、そして美味しさの質がわかるこの土地を拠点に、これから西海岸へとひろげ、北米全土で大々的に日本米のおいしさをアピールしていきたいと考えている。政府の後押しもあり、これからますます北米キャンペーンを強化していく予定であると言う。
「なるべく日本で食べられるお米と同じ状態でお届けできるように、日本の米農家が手間と時間と愛情をかけて作った日本の美味しいお米を少しでもそのおいしさのままバンクーバーのみなさんのお手元に届くようにと、真空パックで販売されています」と徹底した品質管理を強調する。
「今回は間に合いませんでしたが、来年は是非新米をバンクーバーのみなさんにお届けしたいと思っています」と新藤さん。バンクーバーで日本産の美味しい新米が食べられる日もそう遠くはなさそうだ。
お鍋で出来る日本産米のおいしい炊き方
今回来加した 全農の黒田さんはお米のエキスパート。美味しい日本産米の炊き方を伺った。現在日本で売られている炊飯器は高性能のものが多く、比較的どれでも美味しく炊けるということだが、お鍋で炊く方が美味しいという。お鍋でも失敗しない美味しい炊き方を紹介してもらった。
@ 米と水は1対1。
A 米と水を入れた鍋を火にかけ、最初は強火で沸騰するまで炊く。
B 沸騰したら、弱火にしてふたをして約 分。
C 分くらいたったら火を止め、4分から5分蒸らしてできあがり。
「バンクーバーの美味しい海の幸を使ったおかずと一緒にぜひ味わってみてください」ということだった。お料理レシピは 全中のこちらのサイトを参考に。www.gohan.ne.jp
(取材 三島直美)
日本産米コシヒカリを販売している小売店
日本産米コシヒカリは、クマイ・ハーベスト・ライスのブランド名で販売されている。
●Izumiya
(#160-7971 Alderbridge Way, Richmond)
●T&T スーパーマーケット チャイナタウン店 (179 Keefer Place, Vancouver, スカイトレイン スタジアム駅前)
●Osaka-ya
(1000-3700 No.3 Rd. Richmond, Yaohan Centre内)
●Angel Seafoods Ltd.
(1345 Grant St. Vancouver)