MAPLE 2004
2004年11月49号 掲載
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宇宙から地球を見下ろすと、北極と南極の周辺に不思議なリング状のものが現れる。
これがオーロラ・オーバルだ。
この天使の頭上に輝くリングのような光の帯は、形や大きさが常に変化し、位置も刻々と移動する。
極点に近すぎてはリングの「穴」の中に入ってしまうし、極点から遠すぎてはリングの端から外れてしまうのでオーロラは見えにくくなる。
幸い、カナダにはこのオーロラ・オーバルの真下に位置する、「オーロラ・ウォッチングの名所」がいくつもある。
東京でもオーロラが見える?!
オーロラは、太陽から発生する太陽風と呼ばれる一種のエネルギーが地球の大気と衝突し、そのとき荷電粒子がネオンのように発光するのだといわれている。
しかし、オーロラの発生にはまだ謎が多いらしい。
太陽の活動がオーロラ発生の鍵を握っているのは確かで、磁気嵐と呼ばれるような強烈な活動があった日の数日後には、パワフルな太陽風が地球に達して特に素晴らしい光のカーテンに変化するのだ。
極点から1000キロから2000キロぐらいの間がオーロラ・オーバルの下になりやすい場所だが、低緯度のところでもチャンスはある。
つい先日、 月8日にも北海道の陸別できれいなオーロラが撮影されているし、確率的には東京でも 年に一度ぐらいはチャンスがあるはずなのだ。
しかし、人工的な光の多いところではオーロラは見えにくい。無理と知ってはいても、東京の光の洪水の空でひっそりと天使が光の翼を広げているかもしれないと想像するのは楽しい。
オーロラを見るならカナダがベスト!!
オーロラを求めての旅はここ数年北欧が人気だ。
癒しを感じさせる北欧のイメージを強調した広告キャンペーンが成功したらしい。
しかし、オーロラに出会う確率ならカナダの方が良いと言っていいだろう。
カナダの中でも、ユーコンのホワイトホースを中心にしたエリア、ノースウエスト準州のイエローナイフ、アルバータ州のフォート・マクマレーなど、「名所」はたくさんある。最近はマニトバ州のチャーチルで、白熊ウォッチングとオーロラを同時に楽しもうというツアーもある。
オーロラはもちろん自然現象なので、どの場所がベストと言うのはむずかしい。
例えば、私がいままで見たうちで、もっとも大きく動きも壮麗だったオーロラはアルバータ州のエドモントンのダウンタウンに現れたものだ。
エドモントンは緯度的にはオーロラオーバルの端にようやくかかるか、かからないかぐらいの低緯度だが、たまたまその夜が雲ひとつない天気で、月もなく、太陽の活動が活発な時期にあたっていたのだろう。
「はじける」ようなという表現が良く使われるが、大きく広がり、激しく動くオーロラばかりが良いとは言えない。闇夜に筆で銀色の線をスッと引いたようなオーロラも心に深く残る美しさだ。ホワイトホースでは、温泉につかりながら夜空を見上げたら、ぼんやりと赤っぽいオーロラが現れた。
心と体の両方がポカポカと温まるような不思議な気分だった。オーロラは同じものは一つもないと言ってよい。
見るたびに感動が違う。リピーターが多いのはそのせいだろう。色々な場所に行ってみるのが理想だ。
また、オーロラは真冬のものとばかりもいえない。白夜でなければ、オーロラは現れる可能性があるわけだから、秋や春先のオーロラもなかなか良いものだ。
ただし、この季節は雲が出ることが多くなるので、観察できる確率はやはり低くなる。
オーロラが一番きれいに見えるのは、空が晴れていて、周囲に人工的な光が無い場所。
オーロラはツアーで行くのがおすすめ!!
真冬にはマイナス 度を越える寒さになることも多いから、十分な準備が必要だ。むやみに外に出ては当然命の危険もある。
そこで、きちんとした防寒具のレンタルを含むツアーに入るのがおすすめ。
バンクーバーからもツアーがたくさん催行されている。
ツアーでは街から離れた場所までバスなどで連れて行ってくれるので、人工的な灯りに邪魔されずにじっくりとオーロラを鑑賞できる。
ツアーを選ぶときのポイントは、値段に含まれるものをきちんと確認すること。
また、犬ぞりやアイスフィッシングなど、昼間のアクティビティもチェックしよう。
ただし、オーロラ観察は夜遅くまで続くことが多いので、昼間はゆっくりするのもいい。
持って行くものとしては、防寒靴の良い物を選ぶのがコツ。
また寒いとカメラなどの電池がすぐになくなってしまうので、十分予備を持っていくこと。オーロラが現れるまで、カメラをすっぽり包んで外気に触れないようにする工夫が大切。
真っ暗な場所なので懐中電灯と三脚は必携。ホカロンのようなものも多めに持っていくと便利だ。
オーロラ撮影にはASA800以上のフィルムがおすすめ!!
写真に撮るのも大事だが、自分の目で心に焼き付けよう
(取材・文 宮田麻未 写真 鈴木貴之)