MAPLE 2004

2004年10月43号 掲載


南オカナガンのセンター
ワインカントリーのペンティクトンへ

 

 今年で24周年を迎えるオカナガン秋のワイン・フェスティバル。100以上のイベントが催されるこのお祭りは毎年、オカナガンの中心地、ケロウナとペンティクトンを中心に大いに盛り上がる。

  南オカナガンの中心地として“ワインカントリー”と呼ばれるペンティクトン地域を会期中に訪ねた。

 年間100万人以上の観光客を迎えるこの町に住む人々は親切で優しい。リピーターの旅行者が多いのも頷ける。年間を通してお天気が多いオカナガン。

  燦々と降り注ぐ太陽の下、果樹園やワイナリー巡りに出掛けよう。

ビーチに佇むピーチのオブジェ

 ペンティクトンの街は人口4万人強。年間日照が200日を超えるサニーな環境からか引退後の生活をエンジョイする人々も多い。メインストリートを中心に、5本のストリート、7ブロック間という比較的小ぶりなダウンタウン。

 アンティークな雰囲気のこの街には古着屋、古道具屋などが軒を連ねている。ダウンタウンの南にあるオカナガン湖のビーチには直径2・5mはありそうなピーチのオブジェが設えてある。売店の役目を果たすこの巨大なピーチの前で人々は思わずシャッターを切ってしまう。

 ピーチのあるロータリーパークにはペンティクトンの姉妹都市である北海道池田市が協賛して日本庭園を建設中。土塀に囲まれたガーデンはさぞかし見応えあるものになることだろう。

大手ワイナリー、レッド・ルースター


本格的日本料理の『一心』

 BC州の内陸に位置するオカナガン。鮮魚を楽しむにはほど遠い土地というイメージを払拭したのがこの『一心』(いっしん)ジャパニーズ・デリ。賑やかなメインストリートにあるこのお店は、お昼時には列が出来るほど。

  人気のコンボ、寿司コンボはどちらも8ドル50 セントからでボリュームたっぷり。ミニちらし丼にはぎっしりとお刺身が盛られていて思わず感動。新鮮でおいしい魚で腹ごしらえをしてワイナリー見学に出発。

ナラマタ方面に点在するワイナリー

 オカナガン湖を北東に回り込む形でナラマタの街まで続く道には大小交えた10 のワイナリーが点在している。ワインフェステイバルの折りにはツアーバスも運行され、どこのワイナリーの駐車場もほぼ満車。

  この中では大規模の『ヒルサイド』は、木造の高い建物が目印。念願のテイスティングに挑むが、観光客が多いため かグラスに雀の涙ほど、ほんのちょっぴり注いでくれる。そのお向かいにある『レイク・ブリーズ』にはコートヤードでランチを楽しむ人が沢山いた。

  新しい建物と噴水が魅力の『レッド・ルースター』は気軽にテイスティングに応じてくれた。但し、高価なアイスワインの味見は1人3ドル。2階にはアートギャラリーも併設している。まとめ買いすると割引があるため、半ダース、1ダースと何本もワインを買い込んで大箱を抱えて車に乗り込む人もいた。

  小規模ながら『カルト・ワイン』と呼ばれる手に入りにくいワインを作っている『ポプラ・グローブ』は開催2日目にして人気ワインは売り切れ。どこのワイナリーも大盛況だった。

懐かしの蒸気機関車に乗ろう!

ケトル・バレー・スティーム・レイルウェイ


 ペンティクトンから14 キロ北上するとチューダー様式の小さな町、サマーランドに差し掛かる。ハイウェイから降りて10 分ほど山道を走ると、蒸気機関車の駅、プレイリー・バリー駅に到着。入り口には年代物の貨物列車が置かれ、既に懐かしい駅舎の雰囲気。

 早速、駅に入ると、一気にタイムトリップしたような錯覚に陥る。スタッフは皆、旧式のユニフォーム姿で暖かい笑顔で迎えてくれた。

 キップ売り場でチケットを手に入れたら、車掌の声が掛かるまで待合室のベンチに腰掛ける。機関車がホームに入ってくる呼び物の車両入れ替えの儀にはカメラを手にした観光客が次々とシャッターを切る。

 このケトル・バレー・スティーム・レイルウェイは1910年から1915年の間に作られたものを1999年よりリストアして キロの往復路線として復興。

 車掌の「エブリバディー・オン・ボード!」の掛け声を合図に乗車してチケットに指定してある席を探す。客車2両、オープン・エアーの車両が2両あり、270名を集客できる。

  4人掛けのゆったりとしたシートに腰掛けるとゆっくりと機関車は動き出した。1時間半の乗車中はのんびりと渓谷を眺めるも良し、エンターテイナーのバンジョーに合わせて合唱するのもまた一興。 ヵ国語の歌をレパートリーに持つエンターテイナーは『すきやきソング』(邦題『上を向いて歩こう』)を完璧な日本語で歌ってくれた。

 5月中旬からサンクスギビングまで運行されているこの機関車は、イースター、父の日、BBQ付きシアター、サンタクリスマスなどのテーマイベントも催している。12 月18 ・19 日にはクリスマストレインが運行される予定。貸し切りも受け付けている。

癒しの民宿『川上山荘』

 「オカナガンに癒しの宿がある」という噂を聞きつけて訪ねたのがサマーランドの『川上山荘』。一度訪れると病みつきになり、毎年訪れるリピーターが後を絶たないという。実際に泊まってみた筆者がこの宿の魅力をご紹介したい。

 ペンティクトンからHWY97 を北上し、スマック・リッジ・ゴルフコース(&ワイナリー)を越えたらMatsu Roadを湖の見える方にに折れる。『Jim Kawakami』の表札を確認して敷地に入ると、その広いこと。 エーカーもある湖に面した斜面に、段々畑のように果樹園が広がっている。

 『川上山荘』は1959年に岡山から移民してきた川上ジム・洵子夫妻によって始められた。

  買ったその年に大寒波に襲われてりんごの木が全滅。2人で植え直すことから始めたこの果樹園には、さくらんぼ、杏、桃、梨、プルーン、りんご(5種)など、多種の果物が栽培されている。

オカナガン湖を臨む川上山荘


  一人娘のジェニーさんは7ヵ月の未熟児で生まれ、虚弱児として医者から匙を投げられるが、病弱な子供を育てる中で食べ物の大切さに痛感。以来、自然農法家としてお2人で有機農園を切り盛りすることに。

 現在、ジェニーさんはエアロビクス・ワールド・チャンピオンの金メダリストに輝くほど元気溌剌と活躍している。

  1972年には地元の人々の協力を得て自分たちの手でこの山荘を建てる。未だに睡眠時間4〜5時間で働き続けるお2人は、「多くの方々のお陰でここまでやってこられました」とあくまでも謙虚に微笑まれる。

 ベースメントに2部屋、小さな離れが1棟のこの山荘では、ベランダに湖が見下ろせるジャグジー( 時間いつでも入浴可)があり、旅の疲れをゆっくりほぐせる。待望の夕食のテーブルには農園で取れた新鮮な野菜の料理が所狭しと並ぶ。

 宿泊客同士、テーブルを囲んで話が弾み、一つ一つ手で割って薫製にした胡桃やドライプルーン、自家製りんごジュース、はたまた手作りキムチまで勧められる。お2人の暖かいおもてなしと自然食に正に身も心も癒されていった。
(取材 北風かんな)

Hillside Estate Winery
ADD 1350 Naramata Rd.
Tel 250-493-6274

Lake Breeze Vineyards

ADD 930 Sammet Rd.
Tel 250-496-5659

Red Rooster Winery
ADD 891 Naramata Rd.
Tel 250-492-2424

Poplar Grove Winery
ADD 1060 Poplar Grove Rd.
Tel 250-492-4575

『一心』ジャパニーズ・デリ
ADD #101-449 Main St.
Penticton
Tel 250-770-1141
ランチ 11:30am-2:30pm
ディナー 5:00pm-9:00pm
日曜定休

Kettle Valley Steam Railway
ADD 18404 Bathville Rd. box 1288, Summerland
乗車料 大人 $16 / シニア $15 / 中高生 $14
子供$10 / 3歳以下は無料。
団体(20名以上)割引、家族割引有り
Tel 1-877-494-8424
Web www.kettlevalleyrail.org

川上山荘
ADD 19609 Matsu Rd.
Summerlnd. BC V0H 1Z0
Tel 250-494-1029
宿泊料金 1人 $70(1泊2食付き)
ペンティクトンへの行き方
バンクーバーからHWY#1を東にホープまで。
コクイハラHWY(#5)でメリット経由、HWY 97Cでウエストバンク、HWY 97を南にペンティクトンへ。
所要時間約5時間。