MAPLE 2004
2004年7月 30号 掲載
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サレー市ソフトボールシティで7月3日から11日まで開催された、第11回カナダカップ・インターナショナル・ウーマンズ・ファーストピッチ・トーナメントは、日本の優勝で幕を閉じた。
アテネオリンピック出場5チームが参加
毎年、質の高い国際大会で知られるカナダカップ、今年は特にオリンピックイヤーということもあり注目が集まった。日本からは、オリンピックへ出場する宇津木監督率いる日本代表チームJapan(ジャパン)と
歳以下の若手選手を中心とするJapanese Elite Team(ジャパニーズ・エリート)の2チームが参加。
この他、中国、台湾、オーストラリア、カナダチームもアテネ五輪に出場するナショナルチームが参加した。
予選ラウンドジャパニーズ・エリート全勝、1位で通過
参加 チームが各8チーム、レッドとホワイトに別れて総当たり戦を繰り広げる予選ラウンド。7月3日から8日までの6日間で7試合をこなすというかなりの過密スケジュール。試合が、夜
時まで行われるということも少なくなく、昼と夜の気温差が大きいバンクーバーでは、ケガや体調管理にも気を遣う。
そんな予選ラウンドで、ジャパニーズ・エリートはどの試合も危なげない展開で圧倒的な強さを見せ、レッドで7戦全勝、1位で予選ラウンドを通過した。ジャパンは、予選5日目オーストラリアとの対戦でまさかの敗戦を喫し6勝1敗、ホワイト2位で決勝ラウンドに進んだ。
決勝ラウンド1日目第5戦、ジャパン対ジャパニーズ・エリート早くも激突
レッド、ホワイトの上位4チーム計8チームで戦う決勝ラウンド、1日目の9日第5戦、初戦を順調に勝ち進んだジャパンとジャパニーズ・エリートが、早くも激突した。予選2日目の試合後、「ジャパンチームを倒して優勝したいです」と笑って語ったエリートチームキャプテン鈴木由香選手。
結果は1対0と惜しくもエリートチームの勝利はならなかった。
ここで最強のライバルジャパニーズエリートを倒したジャパンは、そのまま決勝戦まで駒を進めた。一方エリートチームは、敗者復活戦の決勝でオーストラリアに敗れ、決勝での日本対決はならなかった。
決勝戦、日本、オーストラリアと3度目の対決
決勝戦は、日本とオーストラリアの対戦となった。予選ラウンドでは1―5で敗れたものの、決勝ラウンド準決勝では3―2で勝ち、1勝1敗で向かえた決勝戦。三回までは上野投手の好投でオーストラリア打戦を完封、代わった高山投手も2回を無得点に抑えた。
打戦は、五回裏三科選手の三塁打をきっかけに佐藤選手のヒットでまず1点、さらに山田選手の内野安打で2点目をいれ五回を終わってジャパンが2―0とリードした。
しかし、六回表に1点を返され2―1で向かえた七回表。
一死一塁、モスリー選手の打ったボールはレフトとショートの間、レフト佐藤選手が飛び込んだグローブからボール1個手前に落ち一死一、二塁、一打同点。会場も何となくオーストラリア逆転のムードが漂い始めた頃、次の打者が打ったボールはまたしてもレフトの同じ場所へ。
スタンドが息を飲んで見守る中、今度は佐藤選手が見事ダイビングキャッチを決め、走者動けず、二死一、二塁。次打者クロフォードがセンター前ヒット、同点かと誰もが思った瞬間、センター山田選手から矢のようなストライクが投げられ、本塁タッチアウト。
時計の針が 時を指すまで残っていた観客から惜しみない拍手が両チームに送られ、劇的な幕切れで日本が優勝を果たし、宇津木監督が宙を舞った。この日は約8200人のソフトボールファンが試合を観戦した。
次はオリンピック、金メダル。
今大会なんといっても注目は日本代表チーム。日本からは多くのメディアが駆けつけ、日本チームの一挙手一投足を追いかける。
優勝を飾った宇津木監督は、「これである程度自信もついたし、いい経験ができたと思います」と大会を振り返り、アテネに向けて「あと1ヵ月、ここで見つかった課題をひとつひとつこなして、オリンピックまでがんばっていきたいと思います」と語った。
オリンピックの目標はとの問いには、「銀の上は金しかないので」と今大会2日目での言葉。8月 日から始まるアテネ五輪へ向けてここから「ジャパン」の本当の戦いが始まった。
日本代表チーム |
日本代表チームの横顔
カナダカップには毎年顔を出している宇津木監督。9回、 回大会は視察だけだったもの、9回出場。今大会も当初はエリートチームだけのエントリーだったが、日本代表チームの国際試合数が少なかったため、急きょ参加を決めたという経緯がある。「それでも大会本部側は快く承諾してくれました。
この大会は私も参加が楽しみな国際大会のひとつで、大会の雰囲気や環境がいいので試合に集中できるし、毎年来ているので顔なじみも多くて、第二の故郷みたいな感じがありますね」と笑って話す。
「バンクーバーのソフトボールファンは、いつもフェアにプレーを見てくれています。だから応援されていることに感謝して、感動を与えるプレーを見せたいといつも思っています」と語った。
予選最終戦中国戦を終えた後、日本代表キャプテンの宇津木麗華選手は、「今回の日本代表チームは、若手選手とベテランとがうまくかみ合ってまとまったいいチームになっていると思います。ここでの反省を活かして、ここからオリンピックまでたいへんだけど、金メダル目指してがんばりたいと思います」と力強い言葉を残した。
予選の中国戦で完封試合を成し遂げた日本代表エースの上野由岐子投手は、2回目の完封試合。「嬉しいです」と率直に気持ちを語り、「ここまで1試合1試合課題を持ってピッチングしています。ここで油断しないで気を引き締めてがんばります」と笑った。上野選手は今大会のMVPを受賞した。
決勝戦で超ファインプレーを見せたセンターの山田恵里選手は、ベストディフェンシブプレーヤー賞を受賞。
「最後のプレーになったんで印象だけでもらった感じですけど。(あの送球は)自分でもびっくりしました」と照れ笑いしながら語った。 (取材 三島直美)