MAPLE 2004

2004年5月 22号 掲載


シーズン到来!
体験サーモンフィッシング


この大きさ、美しさ。20分間の挌闘のうえ、見事なサーモンを釣り上げた野々村さん

  新緑が眩しい5月のバンクーバー。いよいよさわやかな夏の季節がすぐそこまでやって来た。夏といえばマリンスポーツ。バンクーバーといえばウィンタースポーツと思っている人も多いけど、実はマリンスポーツもとっても盛ん。そこで今回はバンクーバーの代名詞、豪快なサーモンフィッシングに挑戦。

 参加したのは、M&Mチャーターのサーモンフィッシング半日コース。ガイドは井上さん。同乗したのは釣り大好き愛知出身の野々村さんとボート大好き黒崎さん。果たしてサーモンは釣れるのだろうか。期待と不安を胸にいざ

朝7時集合、
眠い目をこすりながら出発


 ダウンタウンに集合、井上さんのバンに乗り込みノースバンクーバーのモスキートマリーナまで移動。たくさんのボートが並ぶマリーナに、井上さん自慢の愛艇「M&M号」が静かに我々を待っていた。全て井上さん任せ、自分たちで特に準備することなし。

さっそく乗り込み出発進行
曇りのち快晴


 昨夜の雨がまだ少し残る灰色の雲も、時間が経つにつれ東の方へと流れていく。目覚まし代わりの冷たかった風もしだいに頬に心地よくなってきた。ボートは岸を離れどんどんスピードを上げていく、左にはまだ眠たそうなダウンタウンが、その隣には緑美しいスタンレーパークが近づいてくる。そして気づくともう真上にライオンズゲートブリッジが。

 ボートはさらに沖を目指す。もうスタンレーパークが後ろに見える。空も徐々に明るくなり、陽が差し始めた。いよいよ、サーモンフィッシングの始まり。

ちょっと寄り道、カニ罠を仕掛ける

 スタンレーパークが後ろに見えた頃、ボートが急にスピードを落とした。何事かと思うと、ここでカニの仕掛けを落とすという。この沖では商業用の漁が始まる前の6月末まではカニが良く取れる。えさはチキン。匂いにつられてかごに入ってくるらしい。果たしてわんさわんさとカニが青いかごの中でうごめいているかは帰りのお楽しみ。

いよいよ、
サーモンフィッシングに挑戦!


 ボートは再び沖へ向かって進み出した。もう空はすっきり晴れて、快晴。頬をなでていく風は気持ちよく、波を切って進むボートはゆりかごのように心地よく揺れる。すっかり仕事も忘れてクルージングを楽しんでいると、ボートがスピードを緩めた。いよいよポイントに到着。

  マリーナから約 分。場所はブリティッシュコロンビア大学沖から北西に約3キロの所。この日は周りに他のフィッシングボートも見当たらない。贅沢にもバンクーバーの海を貸し切りだ。サーモンたちも我々にかかるしかない。

 ボートを止めると、早速井上さんが忙しく動き出す。ボートの後尾に取り付けられた竿立てに竿をたて糸を垂らす。返しのない針(ダウンリガーという)について説明をしながら手際良く竿をたてていく。その間もボートは揺れている。なれない人はどこかにつかまっていないと振り落とされそう。でもこの揺れがまた気持ちいい。

  すっかり準備は整った。トローリング開始、あとはサーモンがかかってくるのを待つだけ。果たしてかかってくれるのだろうか。
かかった!しかも大物!

無事釣り上げられるのか?

 糸を垂らしてもう1時間近く。竿はうんともすんとも言わない。船の上では雑談に花が咲く。今回参加した野々村さんは明日結婚式を控えてのサーモンフィッシング。しかも、未来の花嫁はダウンタウンでショッピングとか。それを聞いて一同「エ〜」と雄叫びをあげる。

「いいの?」との問いに、「もう全部準備は整っているから」と余裕のコメント。納得。

 まだまだサーモンは眠っているらしい。では、ポイントを少し変えて。ボートが少しぐるっと回転する。今まで西を向いていた先頭は、美しい山々を望む北側に。なんでも潮と潮がぶつかる潮目に魚がいるらしくそのポイントをトローリングをしながら探る。

  舵を取るのは同乗した黒崎さん。一級船舶の持ち主で、日本ではボートライセンスの先生をしながらヨットのインストラクターもやっていたという海の女。かっこいい。

 ポイントについて再び話しが弾み始めたその時、「かかった!」と突然井上さんが大きな声で叫んだ。一同竿の方に向くと1本の竿が大きく力強くしなっている。野々山さんがヒットした竿を握る。かなりの引き。

  「これは大きいぞ」との井上さんの声を聴きながら、野々山さんの竿裁きを見守る。日本では自身でボートを出して釣りに行くという釣り好き。「巻いて、放して」との井上さんの怒号のような指示に従って巻いては放し、放しては巻きを繰り返す。 分後ようやくその姿が。間違いなくキングサーモンだ。

  しかもかなりの大物。しかし油断は禁物。慎重に裁きいよいよ船縁まできたところをネットで一気に。「やった!」見事成功。しかもM&M号今シーズン一番の大物。 センチ、 パウンド(約9キロ)。釣られたばかりのキングサーモンはほのかに紅みがかった銀色で何とも美しい。

  いくらこれまで釣った写真を見せられてもこの目で見るまでは・・・と思っていただけにこれには脱帽。見事なキングサーモンの1本釣り。 分間の死闘に「腕がしびれた」と野々村さん。それでも心地よい疲れのようで顔には満面の笑み。

 さあ、サーモンがいるのもわかった。これからどんどん釣り上げるぞおとみんな意気込んだが、残念ながら時間切れ。この日の釣りはこれで終了。しかしみんな結構満足顔。帰りに仕込んだカニを引き揚げ、ノースバンクーバーまで来た道のりを帰っていった。

海の上は最高。
クルージングとしても楽しめる


 とくに釣りに興味がなくても海の上で船に揺られるのは最高の気分。開放的になるというか、気持ちが解き放たれるというか。南にバンクーバーの街を、北にまだ雪を頂きに被った山々を見ながら何ともリッチな気分。

  バンクーバーの爽やかな風をうけていると日頃の喧騒も忘れ、心が透き通っていく。普段忙しい人ほどおすすめのリフレッシュ方法。ランチやワインなどを持ち込んでにぎやかに楽しむもよし、ひたすら釣りに興じるのもよし、贅沢なひとときが間違いなく味わえる。

シーズンはこれからが本番

 今回釣れたのはまだまだ序の口。これから本格的なシーズンを迎え、さらなる大物が釣れるという。「7、8、9月には、銀ザケ(コーホーサーモン)、紅ザケ(サーカイサーモン)、ピンクサーモン、そしてサーモンの王様キングサーモンが釣れますよ。

  数も型も大きくなっていきますね」と パウンド(約 27キロ)、123センチを釣り上げたバンクーバー記録を持つ井上さんが太鼓判を押す。挑戦したい人はぜひこの夏バンクーバーの海に出かけてみよう。

M&Mチャーター

 今回ガイドを務めてくれた井上正彦さんが経営しているボートのチャーター会社。この道 年、年間を通してサーモンフィッシングを行っている。

 釣りをする場合、ボートは26 フィート(6人乗り)と 28フィート(7・8人乗り)があり、一艘を友達同士などで貸し切ってもいいし、相乗りもできる。コースは今回のような半日コースから、バンクーバー島まで足を伸ばす一日コースもありバラエティに富んでいる。

  料金はグループサイズにより半日5時間450ドルから。ノースバンクーバーまで直接行く手段がない場合はダウンタウンであればピックアップもしてくれる。釣れた魚は冷凍にして日本へ持ち帰りもしくは送ることも可能。詳しいことは直接問い合わせるか、ホームページを参照。       (取材 三島直美)