MAPLE 2004
2004年2月 11号 掲載
3月17日はアイルランド最大の祭日「セントパトリックデー」だ。
イギリスの西隣にある島国アイルランドの世界をちょっと覗いてみよう。
3月に入ると、緑色のクローバーを使ったディスプレイが目につくようになる。これは、アイルランドの守護聖徒セントパトリックの命日を祝う時、アイルランド共和国の国花「クローバー」を身に付けるためである。
、セントパトリックはどんな人だったの?
5世紀頃、それまでアイルランドにあった自然信仰や慣習と共存させながら、クローバーの3つの葉を「三位一体」キリスト教の「父・子・聖霊」にたとえ、平和的にキリスト教を広めた宣教者。彼の功績のおかげで敬虔なカトリック国となったアイルランドは、彼の命日をアイルランド最大の祭日セントパトリックデーとした。地元アイルランドでは静かに家族と過ごす日である。
、セントパトリックデー・パレード
アイルランド系アメリカ人が多いニューヨークは華やかなパレードで有名だが、ここバンクーバーでもパレードは行われる。
パレードは、アイリッシュバンドを引き連れ3月 日午前 時にペンダー通りからグランビル通りを越え、ドレイク通りへと続く。
、アイルランドの文化・芸術・伝統
現在、第一公用語になっているアイルランド語(一部の地域の人だけが使う)を話すケルト人は古くからのしきたりに保守的で、文字を使わず、口頭で語り継ぐ伝統を持ち、知力を高く評価した民族といわている。また、上半身を動かさずに踊るアイリッシュダンスや陽気なアイルランドミュージック、妖精の存在を今でも信じているアイルランド独自の文化と感性はゆっくりとだが世界中に浸透しつつある。
、アイルランドの食べ物・飲み物
「命の水」という意味の「ウイスキー」は、アイリッシュウイスキーがルーツといわれているが、残念ながら現在は蒸留所が3ヵ所になり、希少価値と共にますます高価に。それに変わってビールのギネスとキルケニーに注目が集まっている。深いコクと苦味、濃い琥珀色が特徴のギネスは、クリーミーできめ細やかな泡が持ち味。グラスに注ぐ時、シャムロック(三つ葉)を描いてくれる場所もある。ギネスビールのロゴマークにも使われているアイリッシュハープはアイルランドの紋章として用いられており、クローバーと共にアイルランドを象徴するモチーフだ。
アイルランドの食べ物は、凝りすぎていないので日本人の口にも合う。伝統料理はジャガイモ・羊・豚などを使った料理が多く、羊と野菜を煮込むシンプルなアイリッシュシチューや、ケール(キャベツの一種)・ベーコンの塊・野菜でゆでたベーコン&キャベツ。そして忘れてならないのは魚とポテトフライのフィッシュ&チップス、魚はタラが中心だがヒラメやカレイもあり、チップスと呼ばれるポテトフライにモルト・ビネガー(麦芽から作った酢)と塩をかけて食べる。
(取材 深瀬雅代)
MUSICIAN
・Enya
彼女の名前を知らなくても、「ロード・オブ・ザ・リング」などの映画・TVで流れている音楽を耳にしている人も多いだろう。日本でも大ブレークしたアーティスト。アイリッシュ音楽とヒーリング音楽をミックスした癒し系の音楽で、幻想的なシンセサウンドと折り重なる声が特徴。
・U2
ボノ、エッジ、アダム・クレイトン、ラリー・ミューレンの4人。1976年高校在学中に結成されたロック・バンドは、常に音楽的変化をつづけながら、シリアスで政治的なメッセージを掲げる。活動の初期からさまざまな社会問題をテーマにした歌を作り、精力的にチャリティーに参加したりしている。
MOVIE
・The Secret of Roan Inish
(邦題:フィオナの海)
アイルランドに伝わるケルトの妖精伝説をモチーフに、家族の絆、自然と人間の関わりを描いたアイリッシュミュージックたっぷりの作品。
・Braveheart (邦題:ブレイブハート)
さまざまな賞を総なめにした、メル・ギブソン監督制作主演の作品。(1995年)
13世紀末、イングランド王エドワード1世による悪政に苦しむスコットランドの独立と解放を目指して戦った実在の英雄ウィリアム・ウォレスの生涯を描いた歴史スペクタクル大作。アイルランドがロケ地として多々出てくる。
AUTHOR
James Joyce
1922年発表の「ユリシーズ」は、独特な文体で主人公がアイルランドの首都ダブリンで過ごした1904年6月16日から約20時間を描いたもの。ダブリンでは、この日をブルームズ・デー(主人公の名前)とし、彼の即席をたどる行事が行われている。
バンクーバーでアイリッシュが味わえるレストラン・パブ
The Irish Heather
バンクーバーのアイリッシュレストランといえばここ。「2004DineOut」で800人が訪れたお墨付き料理、奥にあるゆったりとしたパテオ、タイタニック・ルームと名づけられた小パーティルームは、こじんまりとした間口からは想像できない。またThe
Irish Heatherの裏手にある「非合法の場所」という意味のバーSHEBEENは週末だけ開かれる正真正銘の隠れ家。セレブも数多く訪れるここはブリティッシュ・コロンビア州一のウイスキー宝庫だ。
セントパトリックデー:アイルランド人は緑色の付いたビールを飲まないと、と話す正統派オーナーSeanさん。セントパトリックデーを祝う特別メニューは3月12日から3チョイス($25)で用意されるが、毎年混み合うので予約をおすすめ。
ADD:217 Carrall St. Vancouver BC V6B 2J2
TEL: 604-688-9779
WEB:http://www.irishheather.com
営業時間:月〜日曜日/正午〜夜中
The Wolf & Hound
オーナーやウェイトレスがライブミュージックに合わせてステップを踏みながら、ギネス($6.75)を運ぶアットホームな雰囲気。笑顔と音楽が耐えない店内で、シェフおすすめラム・シチュー($9.95)とステーキ&マッシュルームパイ($9.95)を楽しもう。
セントパトリックデー:平日だが昼から特別にオープンする。緑色の小道具を身に付け、アイリッシュミュージックや子供達のアイリッシュダンスなど盛りだくさんのイベントが満喫できる($20)。顧客からの強い要望に応え2年前から緑のギネスもあるので、お祭り気分が一層高まるだろう。
ADD:3617 W Broadway Vancouver V6R 2B8
TEL:604-738-8909
営業時間:月〜金曜日 4:00pm〜12:00am
土・日曜日 11:30am〜夜中
The Buck & Ear
港町スティーブストンでは、アイルランドのファーストフード「フィッシュ&チップス($マーケットプライス)」も新鮮でより美味しく感じる。スティーブストンホテルにある「The
Buck & Ear」のメニューは新聞タイプで、品書きと共にアイルランドの秘密やビールについて詳しく記載されている。スティーブストンならではの魚介たっぷりクラムチャウダー($7.49)の注文をお忘れなく。
セントパトリックデー:ビールの種類豊富なThe Buck & Earに登場する緑のビールとアイリッシュダンスで港町のセントパトリックデーを味わおう。
ADD:12111-3rd Ave., Richmond V7E 3K1
TEL:604-277-9511
営業時間:月・火・水曜日 10:30am〜夜中
木・金・日曜日 10:30am〜1:00am
土曜日 11:30am〜2:00am