MAPLE 2004
2004年2月 9号 掲載
気温差が激しい昨今、油断をしているとついつい風邪にかかってしまいがちな季節。
インフルエンザが流行った時期は過ぎても気をつけるに越した事はない。
今回は田中朝絵医師に風邪とインフルエンザの違い、またその予防と対策についてお話を伺った。
「インフルエンザと風邪とはウィルスの違いです」と田中朝絵医師は説明する。インフルエンザにはA型とB型があり、通常A型の方がB型より症状が重いそうだ。インフルエンザは特に冬に流行りやすく、バンクーバーでは昨年秋頃にフュジアンA型が流行ったらしい。また田中医師は「春にはパナマ、香港、キャルドナのインフルエンザが流行ると見ているので、今年のインフルエンザの予防注射にはこの3型に対応したものが用意されてます」と教えてくれた。
●予防注射はどういう人に?
インフルエンザの予防注射といっても、100%確実にインフルエンザから守られるわけではないが、6ヵ月から23ヵ月の幼児、65歳以上のお年寄り、また病気で免疫が落ちている人(エイズ、癌の治療中、リューマチの強い薬を飲んでいる、糖尿病、心臓病、肺病、腎臓病等)には予防注射を勧めている。
●インフルエンザ合併症
インフルエンザの合併症で一番多いのが肺炎だ。インフルエンザのウィルス自体が肺炎をおこさせる場合もあるし、またバクテリアによって肺炎になる事もある。最悪のケースでは死に至ることもあり、特に心臓血管疾患や配循環のシステムに問題のある人、糖尿病、腎臓病、異常ヘモグロビン症、ナーシングホームの住人、健康でも
65歳以上の人達は肺炎のハイリスクと見られている。
その他のインフルエンザの合併症には筋肉炎、横紋筋融解症があり、これは子供の患者によく見られるとレポートされており、腎不全に至る可能性もある。また2歳から
16歳の子供がアスピリンの使用によりライ病にかかる場合もある。吐き気が1〜2日間ほど続き、自律神経に影響をきたし、癲癇、また 10%ほどの割合で死に至る可能性もあるので、子供のアスピリンの使用は避けたい。
●風邪の合併症
風邪から発生する合併症には蓄膿症、喘息、中耳炎、気管支炎、肺炎等がある。蓄膿症の症状としては、目が痛い、上の歯茎の痛み、頭痛がする等で、これは抗生物質等で押さえる事ができる。また、風邪から喘息に至る場合がある。これは特にアトピーや喘息を持った家系の人に多いとみられている。
子供に多いのが風邪から中耳炎をきたすケースで、痛み止め、抗生物質が使用される。更に、気管支炎の症状は咳が出て、タンが緑色、肺炎の症状としては咳、緑のタン、高熱、息苦しい、
胸が痛い 等の症状が出る。
●風邪はどうやってうつる?
風邪のウィルスの主なものにはライノウィルス、コラノウィルス、RSVがあり、北アメリカではライノウィルスの感染が 10〜40%コラノウィルスが20%、RSVが
10%と見られている。風邪のウィルスは、ウィルス保持者が接触した物に触れた手で粘膜(目を擦ったり等)に触れるとうつる。またウィルス保持者の咳、くしゃみからも感染する。田中医師は「ウィルスは風邪をひいている人の手に2時間生きています。リサーチでは40
〜 90%の人に感染したと出ています」と説明する。またウィルス保持者の周囲にあるもののにウィルスが発見されたという報告もされている。「風邪のウィルスは目、口、鼻の粘膜からウィルスは感染しますが、唾液からは感染しないのでキスしても大丈夫ですよ」と田中医師から耳寄りの(?)アドバイスも。
●風邪、インフルエンザの予防と対策
外からの帰宅時の手洗い、うがいは基本。また田中医師は「目をこすったり、手の粘膜との接触を避けると有効です。暖かくして、しっかりと水分補給をとり、果物や野菜を十分に摂取して睡眠をちゃんと取り、ストレスをためないようにするといいでしょう」と話してくれた。水分と言ってもコーヒーや紅茶等は利尿作用があるため余り意味がないとされている。しっかりと水分を取ると、粘膜にある白血球がウィルスを退治してくれるのだ。
また風邪やインフルエンザをひかないために、次の事に注意したい。
○風邪をひいている人との接触を避ける。
○鼻や口を手で触れない。
○頻繁に手を洗う。特に風邪を引いている人との接触の後。
○健康的な食生活、特にビタミンCの入った果物を食べる。
○休息をとる。
○タバコを吸わない。
○ストレスをためない。
そして風邪やインフルエンザにかかってしまった場合は、しっかりと休息し、水分をとり、部屋(特に寝室)を補湿してビタミンCを取るといいらしい。ビタミンCを摂取する事により、風邪の期間を23
%減らす事ができるのだそうだ。風邪をひくとオレンジを絞ってジュースにしてたくさん飲むという田中医師は「風邪は引き初めが大切。寝る事が一番いい治療になります」と話した。
風邪をひいてしまっても、それを更に広めないためには次の事に注意をするといい。
○咳やくしゃみをする時は、ティッシュを使い顔をそむける。
○咳やくしゃみ、鼻をかんだ後は手を洗う。
○食べ物、皿、コップ、ナイフやフォーク、ナプキンを使う前には手を洗う。
○トイレでは紙タオルや紙コップを使う。
○公衆電話等の自分の鼻や口の接触を避ける。
○風邪をひき始めた最初の2〜4日間は他人との接触を避ける。
ケアポイント
〈ウエストペンダー〉
(日本語医師 田中朝絵、堀井昭)
ADD:711 West PenderVancouver, BC
V6C 3T2
TEL: 604-687-4858
時 間:
月曜日 午前 予約 午後1時〜4時
ウォークイン(田中)
水曜日 午前 予約 午後1時〜4時
ウォークイン(田中)
木曜日 午後1時〜6時
ウォークイン(堀井)
WEB:www.carepoint.ca/clinic/locations.cfm?City=Vancouver&ClinicID=22
(取材 サンプター尊子/取材協力 田中朝絵医師)