SPECIAL 2003
2003年11月 第45号 掲載
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BC SPCA のことを知ろう!
ウェブ掲示板で、猫の虐殺の様子をライブで写真公開した事件が日本で問題になったのはまだ記憶に新しい。また昨今増えている日本の少年犯罪では、小動物への虐待から始まったケースも少なくない。「病気になったから」「歳をとったから」「躾ができないから」「引っ越すから」などの手前勝手な理由で、日本の保健所では年間約60万頭のペットが殺処分されている。また、予算などの関係で安楽死とは程遠いガスでの窒息死という方法を取られているだけでなく、保健所に連れていかれてから3〜7日間しか生きる猶予が与えられない。さらに、日本ではペットを連れ出され、殺害されても「器物損壊罪」しか問われない。
まだまだペットが「所有物」という感覚で売買され、流行に合わせてブリードを変え、飽きれば捨てるという行為が日常茶飯事で行われている日本。このような事実を踏まえ、ここカナダではどのように動物愛護をとらえているかを探ってみよう。
カナダでは1822年に動物保護に関する法律が制定された。1869年にカナダで最初のSPCA(Society for the
Prevention of Cruelty to Animals)が設立され、1898年にBC SPCAが動物福祉精神と愛護法にもとづいて活動を開始した。
BC SPCAは日本でいう保健所と動物愛護協会が一緒になったような非営利団体であり、「世界は多くの生き物によって空気、水、土地のエコーシステムを分かち合っている。我々は全ての生き物の相互関係に気付き、重視するものである」という信念に基づいて、「地球を分かち合う動物の保護とその生態水準の改善に献身し、生活が人間の手にかかっている動物達が最低でも以下5つの条件を与えられる世界を作ることができるように全身全霊をかけて社会に影響し続けることを誓う」というポリシーを掲げている。その5つの条件は以下の通りである。
1.飢えや渇きからの解放
2.苦痛、怪我、病気からの解放
3.困窮からの解放
4.不快からの解放
5.健康を増長する行動表現の自由
バンクーバー SPCA
現在BC州には計40のSPCAの支所やシェルターがあり、昨年は約6万匹のペットが救出されたり、持ち込まれたりなどしてそれぞれのシェルターに引き受けられた。その約半分は現在新しい飼い主を見つけ、幸せに暮らしているとバンクーバーSPCAのマネージャーであるマーク・タカーさんは教えてくれた。現在バンクーバーSPCAには犬が15匹、猫が約50匹、ウサギが約30匹、ハムスターが4匹、ラットが7匹、鳥が1羽保護されている。飼い主がペットを手放すのに一番多い理由に「引っ越し」があげられるそうだ。これについてスタッフのニッキ・クラウダーさんは「ペットを飼うということは、家族の一員になるということです。引っ越すからとか、躾ができないから、大きくなったからという理由で子供を捨てる親がいるべきでないように、家族の一員であるペットを手放すべきじゃない。動物を飼うというのはその動物の一生を責任と愛情を持って請け負うということです」と話す。
バンクーバーSPCAは敷地約2万平方フィートあり、敷地内には安くペット達を看てくれる動物病院も置かれている。犬や猫達はそれぞれ一匹ずつにケージが与えられており、フォスターファミリーもいれると約200人はいるというボランティアの人達によって、少なくとも1日2回は散歩に連れ出してもらっているそうだ。「ノー・キル」がポリシーのSPCAでは、難病や精神的疾患でない再出発可能な動物達は、日本のように「処分」されることはなく、新しい飼い主が見つかるまでずっと面倒をみ続けられている。
BC SPCAはその資金の大半が企業や個人の寄付金によって賄われており、ボランティアや寄付のPRにも力を入れている。寄付金の他にも、いらなくなったタオル、毛布、ペットフード、ペットのおもちゃなどの寄付も受け付けており、まさに地域一体となって不運な動物達を支え続けている。BC
SPCAの主な活動内容は、
1.里親探し
2.虐待調査(警察的権利の行使)
3.緊急救助
4.フォスターケアー
5.低価格での病院事業
6.疾病予防
上記の他にも飼い主教育のプログラムや、ユースのプログラムなどを設けて命の大切さを教育している。
バンクーバーSPCAのマネージャーのマークさんは、「SPCAがここまで機能できる団体になったのは、地域の皆さんのお陰です。そしてこれからも続けてのサポートをお願いしたいです。そうすることによって、私達の活動も可能になってきます。例えばケロウナの火事では、オーナーが戻れなくなったペット達に餌をあげたり、家がなくなったペット達には緊急の避難所としてシェルターを与えることができました」と、コミュニティーとの相互協力の大切さを話す。
SPCAでボランティアを!
SPCAでは「物」や「お金」の他、私達からの「時間」を必要としている。ボランティアには、
1.ドッグウォーカー(犬の散歩)
2.イベントボランティア(SPCAの募金活動)
3.フォスターファミリー
(特別なケアが必要な動物たちに短期間の家を提供)
4.ケンネルクリーニング
(猫のケージや犬のケンネルの掃除)
5.アダプションカウンセリング
(新しい飼い主と未来のペットのマッチメイカー)
6.アニマルホスピタルケア
(病気や怪我をした動物達の看護)
7.アニマルグルーミング
(動物達のシャンプーやグルーミング)
上記に上げた以外にも、それぞれのシェルターでいろんなボランティアを募集しているので、直接そこで相談してみよう。
これからペットを飼おうと思っている人達へ
カナダでは日本のようにペットショップで犬や猫を売っているのをほとんどみかけない。カナダではペットショップで売り出されるような純血種は大抵「パピーミル」と呼ばれる、金儲け主義の人達によって「生産」されているからだ。まだ子供のようなメス犬を無理矢理交尾させ、1年の間に休む間もなく何回も出産させられて作られるケースが多い。そういう親犬達はまだ3、4才で体力が尽きて死んでしまうことが多い。最近では今年10月23日にBC州最大のパピーミルが動物愛護法違反で起訴された。
ではどこでペットを手に入れるか。是非ともSPCAのシェルターを訪れてみて欲しい。純血種はほとんどいないが、雑種の犬や猫達のほうが実は頑丈!つまり獣医費がほとんどかからない。SPCAのペット達はwww.petfinder.orgで紹介されている。
なによりもまず、自分自身に責任のあるオーナーになれるのか(糞の後始末、躾、生涯ともに暮らせるか)、ペットを飼える金銭的余裕はあるか(予防注射、去勢/避妊手術、ライセンス、病気)、ペットと過ごす時間はあるか(毎日の散歩、コミュニケーション)、自分の生活を犠牲にする覚悟はできてるか(長期旅行ができない、家を長く留守にできない)などを問いかけてみて欲しい。
(取材 サンプター尊子)
バンクーバー(Lower Mainland)のシェルター
ボランティアや、寄附に興味がある人は、詳細をwww.spca.bc.caのサイトでチェックしてみよう。(英語)
Vancouver Animal Shelter
1205 East 7th Avenue Vancouver,
British Columbia V5T 1R1
Phone:604-879-7721
F a x:604-879-1498
Volunteer Inquiries Phone:604-850-1584
Volunteer Email Contact:abbotsfordspca@hotmail.com