SPECIAL 2003
2003年10月 第44号 掲載
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ダイエット
基本の食生活を見直そう
外の寒さとともに、身体は脂肪を身につけて冬支度に…と収穫の秋のおいしさにひきつけられて、ついつい食べすぎてしまうこの季節。ダイエットを支援する特集をお届けしよう。
日本では看護婦を経験し、バンクーバーのCanadian school of natural nutritionで栄養学を学んだ上薗美代子さんに、健康的に痩せるために知っておきたい栄養についての知識を紹介してもらった。
痩せるための栄養学的手引き
1.運動
摂取したカロリーを燃やすにはやはり運動が一番。
筋肉がつくことで基礎代謝率(何もしない状態で消費されるエネルギー)が上がる。また有酸素運動は身体の解毒にもなり基礎代謝をあげる。(呼吸法も効果的)。その結果、カロリーをより効率的に燃焼でき、長期間の体重維持が可能になる。
2.食事
食事の根本的な点を見直すだけで、体重減量、リバウンド予防、体重維持につながるだろう。
(1)精白された食品をやめる。
精白された食品の過度の摂取は、すい臓や副腎を刺激し、血糖の調節に影響を及ぼし精白製品への依存を起こす(主には砂糖、小麦製品)。その結果、体重増加、糖尿病や精神の不安定をもたらす。
無精製の食品にはビタミン、ミネラル、たんぱく質等が豊富だが、精白食品は栄養分が搾取されているため、いくら食べても栄養が身体に補給されず、身体はさらに食べ物を要求するようになる。
表.精白された食品と無精白または健康的な代用食品
| 精白された食品 | 無精製のものまたは健康的な代用食品 |
| 白砂糖またはブラウンシュガー(色がついているだけのものが多い) | 表示にunrefined と書かれたもの メープルシロップ、ライスシロップ、はちみつ 注)健康的といっても糖分なので身体への影響はある |
| 小麦製品(パン、マフィン、ケーキ、うどん、パスタ等) | 全粒粉やライ麦のパン、ブラウンライスのパスタ、そば。 |
| 白米 | 玄米;玄米は消化しにくいので、良くかんで食べよう。玄米食に抵抗が強いようなら白米と半々にする、麦や粟、玄米もち米と混ぜる方法もある。 |
(2)甘いものを食べ過ぎないようにする。
フルーツなどはビタミンの補給や腸をきれいにする点ではいいが、なにぶん甘いものは体重増加の原因になるため摂取には注意が必要。
炭酸ドリンクやアルコールには糖分がたっぷり。飲み物は水かお茶類に。
(3)加工食品、ジャンクフードを避ける。
これらには薬品的な物や、質の悪い油がたくさん含まれている。身体が毒されていると代謝を阻害し、体重増加のもとに。
(4)良い油と悪い油を知っておこう。
炭水化物やたんぱく質のカロリー摂取量が4kcal/gと比べ、脂質は9kcal/gと非常に高い。体重を減らすには油分は避けるべきだが、脂質をすべて抜くとホルモン調節などに影響が出て、体重も減りにくくなる。油分を控えると同時によい油をとることも大事だ。
よい油の選び方
a) 「Cold press unrefined」 と書かれている物を選ぶ。
「エクストラ・バージン・オリーブオイル」や「ごま油」が調理にはよい。
b) 必須脂肪酸を摂ろう。
これらは血圧を下げる、動脈硬化を予防する、炎症を押さえる、抵抗力を高める、などの働きがある。
必須脂肪酸を含む食品
魚:特にサーモン、いわし、サバ類
豆類:特にフラックスシード(有機亜麻仁油)、ひまわりの種、アボカドなど。
避けたい脂質
精製されたオイル、動物性脂肪(ほどほどに)。マーガリンやショートニング(トランス脂肪酸を含み身体への悪影響が研究結果として出ている)
3.よい消化は体重をへらす。
不消化は体重増加だけでなく、さまざまな身体の不調や病気を引き起こす。
良い消化のためのアイデア
*とにかくよく噛む!唾液も大事な消化液。余計に食べないためにも効果的。
*食事と一緒に大量の水分をとらないこと。消化液を薄め不消化の原因になる。ちなみに食事の30分から1時間前に水分をとると、胃を刺激して消化液の分泌がよくなる。
*内臓を疲れさせない適量を食べる。良い消化を促すには少しずつ5、6回に分けて食べるのも一手。
*とにかくリラックス。ゆっくり時間をかけて楽しんで食べよう。
*夜の食事は8時までに。ランチを1日のメインの食事にして、夜は軽めに。
*運動 食後5分ほど休んだ後、15分ほど歩くと消化の助けになる。
4.精神面のケア
肥満は体の奥深くの問題の一部分である場合が少なくない。私たちがストレスを感じたり、不安定だったり「何かが物足りない!」と感じているときに、余計な物を食べてしまう。その罪悪感によるストレスから、また食べる、この繰り返しによる肥満も多い。
何にストレスを感じているのか?と自分に目を向け、自分に気づき、いたわることで気持ちが平静になると、防衛策として食べていた余計な物は必要がなくなるだろう。
そこで上薗さんは、自分を知るための“精神面でのお助けツール”も紹介してくれた。
精神面でのお助けツール
精神面を強化する各種運動、特にヨガ、気功、武道などや、自分に気づきをもたらす瞑想会や講習会に参加する。自己啓発本を読む。日記をつける。各種のヒーリング(針灸、マッサージ、アロマ、レイキなど)やメンタルまたはスピリチュアルカウンセリングを受ける。
自分の取り入れやすい方法で精神面からダイエットを!
上薗さんいわく、「Canadian school of natural nutrition(上薗さんの通った栄養学のカレッジ)へ行き栄養学を学ぶと、恐くて変なものが食べられなくなる」とのこと。これは「急がば回れ」の究極のダイエット方法かも?
ここでダイエットの達人、パン・パシフィック・パーソナル社長 石崎みゆきさんのダイエット歴とダイエットに関するアドバイスも紹介しよう。
石崎さんのダイエット遍歴
高校入学時 中学のテニス部をやめたときより肥満が加速―73キロ
ヨ
アメリカのダイエット本の方法「炭水化物ゼロ、水を毎日1.8リットル、限定された野菜や果物、肉類の摂取」で1ヵ月で60キロに。
だがこの方法を始めてから、腸の働きが鈍くなり便秘症に。
ヨ
高校卒業後 便秘解消のためにヨガを開始。
短大時代 合気道部で稽古に励みつつ、平日は食事を抑えて週末思う存分食べる自己流ダイエットで53−55キロ台をキープ
ヨ
ダイエットをさらに学ぼうと痩身専門のエステティックサロンに入社。機械による部分痩せと食事療法の指導にあたる。
顧客の痩せ願望に接し、プレッシャーを受けてつねに「痩せなきゃ!」と意識。ローカロリーの食事で一時は39キロに。
生理が止まり、極度の冷え性、貧血気味になる。
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原因不明の背中の激痛のために倒れ病院に運ばれ1ヵ月の入院。
退院後も指圧の先生のもとに3年以上通う。
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生理不順、新陳代謝の不良が際立ち、「食べなくても太る」現象が始まる。
医者からは「栄養バランスの取れた食事をして、間食をせず、適度な運動をとりなさい」と言われるが、聞き流してしまい、当時話題の「鈴木その子式ごはんを食べて痩せる!」の方法で食事療法を行う。痩せる点では効果は見られなかったが、和食中心の食事になる。47−48キロ。
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その後、自己流で朝と昼ごはんは炭水化物とカロリーの少ない野菜中心の食事、夜は野菜とたんぱく質のみの食事を開始。
合わせて各種のスポーツやダンスを行い、46−49キロ台をキープしている。
石崎さんは、タップやバレー、ヒップホップダンスを週に4〜5回、夏場はテニスやゴルフ、冬場はクロスカントリースキー、1年中、週に一度は約6〜7キロのジョギングを行うように心がけ、ビタミン剤も毎日飲んで、最近は新陳代謝が良くなり冷え性が解消されたとのこと。「今思えば、医者が言ったことが、本当に基本だなと思います。特別な食事療法は長続きしないし、薬なんてもってのほか。オーバー体重量にもよりますが、月に1キロぐらい痩せるのが一番体に無理が無く、リバウンドもしにくいと思います。ダイエットは、体重を落とす事よりも維持させる事がとても重要です。私は肥満体質であるお陰で、体重キープのためにいつも運動をする習慣が身につき、健康でいられると今は自分の肥満体験にも感謝しています」と語ってくれた。
石崎さんからのアドバイス
ダイエットに関する知っておきたい基本のこと。
@基本的な食べ物・飲み物の栄養やカロリー、特にジャンクフード、菓子類、清涼飲料水、ファーストフード等のカロリーは知っておくべき。
A定期的な運動は確かにカロリーを消耗しますが、運動で消耗するカロリーはさほどではない(バニラアイスクリーム1個=早歩き90分ぐらい)。定期的に運動をする最大の目的は、「健康な体にする」イコール「新陳代謝の良い体にする事」また、運動は自分の体とコミュニケーションを取る(自分の体を知る)とても良い機会でもある。
ダイエットに関しては話だしたら止まらないという石崎さん。こうした体験を参考に、ダイエットを通じて健康的な生活を行うつもりで自分に合った継続できる方法で取り組みたいものだ。
(取材 平野香利)