SPECIAL 2003
2003年9月 第35号 掲載
バンクーバーに「SOTAI CANADA Clinic for Natural Body Alignment」をオープンする予定の小崎恒志氏。その小崎氏が実践するのは操体法と呼ばれる身体療法だ。
■操体法とは 操体法を簡単に説明すると、橋本敬三医師(1897〜1993)が民間療法の1つで筋骨格系の矯正法である正體術(整体とは異なる)に西洋医学の知識を統合して生み出した運動療法といえる。
療法はいたってシンプル。まず本人が身体の関節を動かして、より動きやすく気持ちのいい動きを探す。その後、療法を実践する「操者」が、身体を支えながら本人の気持ちのいい方向へと誘導する。そして一番気持ちよく力が入った状態で数秒間維持した後、瞬間脱力する。これを呼吸と合わせて行う。
「気持ちよく力の入った状態は、身体の歪みが最も矯正された状態。その状態を数秒間維持した後の瞬間脱力によって深部の筋肉が緩み、対になっている筋肉のバランスがとれ、心身の不調を生み出す体の歪みが解消されるんです」と小崎さん。また、本人の快い感覚をもとに身体を動かすので、痛みがなく、いくつかの運動パターンであれば自分だけでも実践できるといった特徴がある。筆者も体験してみたところ、首筋の突っ張りが取れたり、腰の動きがスムーズになったりなど身体への効果
が即座にわかった。 今回は、自分でできる「身体バランスの検査」と「バランスを整える方法」について小崎さんに紹介していただいた。
■自分でできる操体法の例
1.バランスの検査(動診) うつぶせに寝て腰の上で両手を重ねた状態になって、 (1)上半身を使って、片方ずつ肩をねじり上げる。
(2)膝(ひざ)を伸ばしたまま足全体を片方ずつ上げる。 この動きで、どちらの肩や足がより楽で気持ちよく上がるかを確かめておく。
2.バランスを整える方法(操法) 上げやすい側の肩、足を確認したら次のA〜Dの運動を選択して行おう。(2)から(4)は各パターン共通
の動きとなる。 A. 上げやすいのが右肩&左足の人
(1)右肩を上げてあごを伸ばし、できるだけ腰に違和感がないような姿勢を探す。この時、左足を身体のバランスが取れる程度に上げる。
(2)ポーズが決まったら動かずに軽く呼吸を3回繰り返す。3回目の吐く息で肛門を締めるようにする。
(3)3回目の呼吸を吐ききって息を止め、3秒間頭のなかで数えたら一気に全身を脱力する。
(4)動作が気持ち良ければ、息が整うまでリラックスした後、3回を限度に同じ動作を行なっても構わない
。 B.左肩&右足の人
(1)左肩を上げてあごを伸ばし、できるだけ腰に違和感がないような姿勢を探す。この時、右足を身体のバランスが取れる程度に上げる。
(2)〜(4)を行う。 C.右肩&右足の人
(1)− ア 顔を左に向けて、左ひじを折りたたむようにして身体の脇に寄せる。このとき手のひらは下向きに。
イ ゆっくりと膝を伸ばしたまま、右足を上げる。かなりきつい動作なので、上げた方の足を広げたり閉じたりしながら、できるだけ腰に違和感が出ないような姿勢を探す。
ウ このときひじは床につけたまま手のひらでしっかり身体を支えよう。 (2)〜(4)を行う。
D.左肩&左足の人
(1)− ア 顔を右に向けて、右ひじを折りたたむようにして身体の脇に寄せる。このとき手のひらは下向きに。
イ ゆっくりと膝を伸ばしたまま、右足を上げる。かなりきつい動作なので、上げた方の足を広げたり閉じたりしながら、できるだけ腰に違和感が出ないような姿勢を探す。
ウ ひじは床につけたまま手のひらでしっかり身体を支えよう。 (2)〜(4)を行う。
小崎氏からのアドバイス:「操法を行う場合は、あくまでも『やりやすい、気持ちよさのあるほう』のみにすべきです。左右両方行ってしまうとバランスはとれず歪みが残ります」。
操体法を実施する場合の唯一の指標は「気持ちよさ」。この自分の身体の感覚に耳を澄ませる行為そのものが、自己治癒力を最大限に引き出し、やりすぎによる症状の悪化を防ぐことにつながるそうだ。
(取材 平野香利)
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小崎恒志(おざきこうし)氏プロフィール
1960年生まれ。岩手県出身。中学時代より再発を繰り返していたリュウマチ熱(膠原病の一種)が、西洋・東洋の医学の両方を用いた医師のもとで劇的に完治。小崎氏の母はそこで実践していた操体法に釘付けとなり、操体法治療師として開業するまでに。小崎氏も柔道整復師の資格を取得後、8年前より母同様治療師の道に。カナダでも類似の操法による治療家のもとで勉強し、独自のスタイルを築き、現在に至る。
「SOTAI CANADA Clinic for Natural Body Alignment」9月中旬オープン見込み 興味のある方はTel:604-319-0061、
E-mai:kochin@silver.ocn.ne.jp (小崎)まで