SPECIAL 2003
2003年11月 第48号 掲載
こんな派手な個人住宅のイルミネーションは今年は見られないかも? |
11月の中旬からデパートやショッピングモールはクリスマス気分を盛り上げようと必死。でも、本当のホリデー・シーズンらしさが盛り上がるのは、ノースショアの山々が雪化粧をして、12月に入ったこれからの数週間だ。クリスマス・ショッピングに走り回るのも、もちろんエキサイティングだが、今年は仲の良い友達や恋人といっしょに、ゆったりとクリスマスを味わってみるのはどうだろう。おすすめのイベントも盛りだくさんだ。
★お金をかけなくても十分ロマンチックな気分になれる!
ロマンチックなクリスマスといえば、キャンドルライトにシャンパン…ドレスアップしてディナーというのが定番だが、「そんな余裕はありませーん!」というカップルにも素敵な場所はたくさんある。まず、これからの週末のデートは大きなホテルのロビーから始めよう。
フォー・シーズンズやホテル・バンクーバーなどのロビーは、毎年美しいクリスマス・ツリーが飾られることで有名。特にフォー・シーズンズは、チャリティ・イベントも兼ねており、協賛する企業がそれぞれ工夫に富んだ飾り付けをする。中には、真っ赤なドレスを着たバービードールをビッシリ飾った、ちょっと「ここまでやったら、気持ちが悪くないか?」と言いたくなるようなものもあるが、1つ1つ2人で批評しながらロビーを巡るだけで、十分楽しい。
サットンプレイス・ホテルは上品でゴージャスなツリーが自慢だし、ハイアットやホテル・バンクーバーも要チェック。パン・パシフィック・ホテルに出かけるなら、同じ建物内のカナダ・プレースで行われている「クリスマス・アット・カナダ・プレース」ものぞいてみよう。アベニュー・オブ・ツリーと呼ばれるエリアには、きらびやかなツリーがずらりと並べられている。
★週末の小旅行はビクトリアへ
ビクトリアのブッチャート・ガーデンのクリスマス・デコレーションは世界的に有名。真冬でも十分庭園を楽しめるように工夫されているし、赤や白のポインセチアを贅沢にアレンジしたデコレーション、巨大なツリーも名物だ。もし雪が降った夜なら、ライトアップもいっそう幻想的で一生の思い出になるだろう。
また、ビクトリアは町全体に19世紀のクリスマスの雰囲気を再現しようと、さまざまなイベントが企画されている。チャールズ・ディケンズの物語に登場しそうなコスチュームを着た人がダウンタウンの通りを行き来したり、オークベイの商店街では本物の雪まで用意するそうだ。
ビクトリアまで遠出しなくても、バンクーバーのバンデューセン植物園でも夜間のイルミネーションが始まる。12月5日から31日まで(25日は休園)の5時から9時まで、毎日オープン。美しい音楽を聴きながら、夢の世界の散歩を楽しむことができる。また、ウエストエンドに住んでいる人なら、スタンレー公園のイルミネーションもおすすめ。ミニチュア列車の周辺のライトアップが特にきれい。このミニチュア列車、大人が乗っても心がうきうきしてくる。列車の中から眺めるイルミネーションの美しさは、きっと2人の心に長く残るだろう。
★空に浮かんだスケートリンク
12月に入ると、新聞の週間天気予報は雨の印がずらり…と、いう感じだが、もし「今夜は保証付きの晴れ!」という予報が出たら、グラウス・マウンテンへ登ってみよう。今年は順調に雪が降っているので、スキーやスノボーがベストコンディションで楽しめるのも間もなくだろう。しかし、「ロマンチック」がテーマなら、おすすめはスケートだ。スキーやスノボーでは手をつないで一緒に滑るのは無理だが、スケートなら話は別。
グラウス・マウンテンのスケートリンクは、ぎっしりと宝石を敷き詰めたようなバンクーバーの夜景を眺めながら滑ることができる、めずらしい「山岳スケート場」。スキーやスノボーより気軽に出かけられるので、その日の天候しだいで即決できるのも嬉しい。そして、ひと滑りした後のホットチョコレートで心も体もたっぷり温まるはずだ。
グラウス・マウンテンでは、スケートのほかに、クリスマスキャロルやクリスマスの映画上映など、クリスマスをテーマにしたイベントを年末まで毎晩行っている。ただし、25日はお休みなので要注意。
★ちょっと贅沢をしたいならディナー・クルーズ
クリスマスが近づくと、家の周辺にイルミネーションをつけるのはカナダの家庭のおやくそく。アパートの窓に無理やり飾っている人もいるほど。家によっては、前庭いっぱいにサンタや雪だるまの飾りを「建設」するところもあるし、ご近所揃ってイベント化している地域まである。毎年、有名なところは新聞などでも紹介されるので見物客が押し寄せて車の渋滞がおきることもあった。
しかし、今年はやや様子が違う。トロントの大停電の影響ではないだろうが、最近は節電が「流行」中。ダウンタウンのイルミネーションも特殊な節電モードのライトを使っているほどだ。あまりに派手なイルミネーションはややヒンシュクを買う感じ。新聞に、電力会社の「イルミネーションはひかえめに」の大形広告も出たほどだ。とはいえ、やはり、住宅街のイルミネーションはホリデー・シーズンにはかかせないもの。ご近所を散歩して、自分だけのお気に入りスポットを探してみよう。
バンクーバーの「おやくそく」で、今年も人気があるのはキャロル・シップ。船にたくさんのイルミネーションを飾り付け、何艘もいっしょになって港をめぐる。クリスマス・キャロルを歌う声が水の上を流れ、岸辺からうっとりと眺める人も多い。もともとは40年ほど前に、1艘の船で始まったイベントだが、今では個人のヨットから大形のクルーザーまでたくさんの船が行き来する。船の中でディナーを楽しみ、行き交う船を眺める贅沢なツアーもある。「今年のクリスマスは特別…」という気合の入ったカップルには、やや料金は高いが思い出作りにはぴったりだ。
★静かに教会で過ごすのも、もちろんおすすめ
クリスマスは本来宗教的な行事。クリスマス・イブには、多くの教会でクリスマス・キャロルを中心にした礼拝が行われる。商業的なクリスマスから一歩離れて、静かにイブを迎えるのも良いだろう。クリスマスだけのにわか信者でも、ほとんどの教会はあたたかく歓迎してくれるはずだ。 (取材・文 宮田麻未/写真 神尾明朗)
Information
● キャロル・シップ
ウェブ:www.carolships.org
● バンデューセン植物園
ウェブ:www.vandusengarden.org
● ブッチャート・ガーデン
ウェブ:www.butchartgardens.com
● スタンレー公園のイルミネーション
ウェブ:www.city.vancouver.bc.ca/parks/brightnights/
● カナダ・プレース
ウェブ:www.christmasatcanadaplace.com
● グラウス・マウンテン
ウェブ:www.grousemountain.com