メープルロード2003
2003年1月 第2号 掲載

イエールタウンで酔わずしてバンクーバーを語ることなかれ

 

  ナイトライフを求めて
 飲んべぇ?には都合の良すぎるせりふかな?でもアルコールより雰囲気を楽しみたい向きにも当てはまるのでどうか最後までお付き合いのほどを。ナイトライフはない、とバンクーバーっ子も認めるここでは例えば東京の新宿、池袋、渋谷、赤坂、六本木、青山麻布周辺、とその日の気分や懐具合によって繁華街を使い分けるなんてぜいたくは許されない。ロブソンストリートとガスタウンがせいぜい?早寝早起き、アウトドアが主流派だろう。
イエ−ルタウンって? 
94年にイエ−ルタウンの一角にあるアパートを借りて暮らし始めて以来、この街の成長をずっと見て来た私にとっては、今の姿を おぉーまきばは緑♪ 本当に『よく育ったものだ』と親のように目を細めて眺めている次第である。当時はスーパーも銀行も公園もビデオ屋も何もなく、あるのは高く聳えるクレーンとボーリングの耳障りな音だけだった。イエ−ルタウンのはっきりした定義?どこからどこまで、というのもこのあたりの住人の間でさえ今一つはっきりせず、人によって言うことが違うのもおかしい。Granville BridgeのふもとにあるR&Bのパブ、「イエール」は圏外。ナイトスポットはHamilton St. とMainland St. そしてHomer St.の界隈に集中していると言って差し支えない。
ニューフェイス
 Opusは今年の9月13日にオープンしたばかり。実はこの名前に見覚え、聞き覚えがあった。ダウンタウンにある大規模なホテルにはない付加価値を持つシティホテルが私のアパートから目と鼻の先にできる、という噂が流れ、確か完成予想図なども目にしたのはもうかれこれ5年前。マネージャーのショーンさんに伺うとやはり私の記憶が珍しく?正しかった。建設、着工が予想をはるかに上回るほど難航した、と客商売のお店の支配人らしからぬ 笑みひとつ浮かべない真顔にちょっぴり苦渋を滲ませた。
 コンテンポラリーなアーバンホテルは各室ごとに内装のインテリアが違うのだという懲りようだ。エントランスを入った雰囲気に一瞬、自分がカナダにいることを忘れさせた。外国人の多い六本木あたりで女友だちと待ち合わせているような錯覚に。でも飲んだり食べたりはしなかったっけ。照明や置かれた家具はフューチャリスティックともいえる大胆なデザインで都会的洗練を極めたラウンジ。その奥に続くバー、レストラン。これが意外に平凡だ。それぞれ違った三つのメニューが用意されていてコーヒーもある。女性を最初のデートに誘うにはいいかも。ラウンジの高級感に圧倒されて、パブといった趣の『バー』で(支配人の名刺にBar と記されているのだが・・・。バーとパブの厳格な違いが分かる人、誰か教えて下さい!)グラスワインを恐る恐る注文。ハウスワインにすれば良かったのだが、そこは見栄っ張りの私?最近はまっているオーストラリアのShirazを頼んだのがまずかった。いや、味ではなくて・・・。いくら何でも一杯、$10はいかないだろうと踏んだのだが、なんと$14。お見それしました。でもビールもワインもグラスで$6、7ぐらいからあることはある。
 賑わいをみせるイエ−ルタウンの中心からは一歩、はずれている。客層は25歳以上。  落ち着いた大人のムードを求めているのならばお勧め出来る。軽く一杯だけでもOK、おつまみを1、2品取って数時間過ごすも良し。また一杯飲むだけのつもりでいたけどお腹が空いてきてしっかりフルコースが食べたくなってもこの季節、傘入らず。雨に濡れずレストランへ移動できる。ただお財布と相談してから行く場所であることだけは間違いない。お誕生日とかアニバーサリー、特別 な日に特別な人との上質な時間は約束してくれそうである。
Opus 350 Davie St. V6B 5Z6
Phone: (604)642-0557 www.elixir-opusbar.com
営業時間:6:60 p.m.-2:00 a.m.

対する老舗は太っ腹
 Yaletown Brewing その名が示すようにイエ−ルタウンの顔、である。オープンは94年12月。自家製のパンならぬ ビールを提供するのが売りで醸造所が入って左手の奧にあり(右手はレストラン)ガラス越しに一望できる。自宅のポスタルコードは要チェック。もし「V6B」だったら2ヶ月に一度、できたてのイエールタウンビールが無料でふるまわれ、フリーフードもあり。と、この店は地元の住人とのコミュニケーションを図って、地元重視、密着型のスタンスを取っている。いつ行ってもざわざわと賑わい喧噪と活気に溢れているから今日は一杯(いっぱい?)やるゾ−、といった気分のときには最適だ。値段もワンドリンク$5、6とリーズナブル。ピーク時をはずした山手線、くらいの混雑のパブ内にはプールテーブルもあり、女性客がキューを構え、突いた球の動きに歓声をあげる姿もよくみられる。ボックス席は少ない、と思っていたが日中、写 真を取るため訪れてみると結構あった。が、ここで座ることは期待しないでグラス片手に立って飲もう。そしてもし日曜日ならテーブルに着いて得をしよう。ビールなら割引価格、ピザは半額に。給料前?仕送り前?のピンチを救ってくれる強い味方となる。語学を習得中!の学生さんなら滞在中に一度は訪れ、カナダ人ウォッチングするには絶好のスポット。
Yaletown Brewing Co. 1111 Mainland St. V6B 2T9
Phone: (604)681-2739 営業時間:11:30 a.m.-1:00a.m.

ストーリーのある店
 Section(3)はこじんまりしたファンキーな店。週末(木、金、土)にはDJが入るからハウスミュージックが楽しめる。シアトルに住むアメリカ人の友人がこの店の名前の由来を教えてくれた。94年にスタートしたときは「デ・ニーロ」。各種変わり種オムレツに役者の彼が演じた数々の役名をつけるなどユニークなメニューだったという。ところがハリウッドの超大物スターが何処で聞き付けたのか、この店を告訴するぞ、と申し入れたため、彼のファンであったろうオーナーは法律用語である「セクション(3)」に店名を変えて99年にリオープン。 (セクションは裁判所で読み上げられる「第二条の第三項」といったケースの「項」の意味。セクション(3)とはPrivate Actを指す)。話の信憑性はいかに?とオーナーに聞くとその通りだった。
 バーらしく暗い。でも食べるほうも充実。電話番号を知りたくてもらったビジネスカードにも『eat, drink』とあって昼間からオープン、になるほど、と納得。ドリンクは一杯$4、5から。日曜、火曜、水曜はスペシャルのビールが$2.95。これは嬉しい。でもセカンドオーダーを頻繁に尋ねて来るので一杯でねばるのは難しそうだが、一回のぞいて、通 を気取ろう。
Section(3) 1039 Mainland St. V6B 5P9
Phone:(604)684-2777 www.sectionthree.com
営業時間:平日 午前11時から12時半頃まで(客入りによって早く閉めることアリ) 週末(木金土)のみ2時まで

どこに行こうか迷ったなら・・・
 チェーン店で人気のマイルストーン。くどくどしたメニューの説明はいらないだろう。ある意味では取り立てて特徴、と言えるものがなく、だから誰と行っても無難、といった妙な安心感がある。ロケーションによってその趣が極端に違う気がするのは私だけだろうか?目抜き通 りのロブソン店はイギリスのパブっぽいし、デンマン通りのはイングリッシュベイを見渡すパティオに座れば太陽サンサンでリゾート地のイメージ(もっともこれは夏季限定ではあるけれども)が浮かび面 白いなぁ、と思うのだが。イエ−ルタウン店は程よく暗くて、くつろげる。適度なざわめきで話が弾む。ボックス席が広がる店内の左手のほんの一部がバーとなる。カナックス戦の行方は気になるけどちょっと一杯ひっかけてから帰りたい、なんてわがままも叶えてくれるし、カウンターに腰を落ち着けてレストランのメニューからじゃんじゃんオーダーしたっていいのだ。前述のYaletown Brewingとは1ブロック隔てて同じHelmcken St.に面している。値段的にもどっこいどっこい、どちらもテレビがある。今宵、ゆっくり語らう時間を持ちたい?、ワイワイ騒ぎたい?前者ならHamilton St.へ、後者ならMainlandSt. で決まり!
Milestone's 1109 Hamilton St. V6B2Y1
Phone: (604)684-9111 www.milestonesrestaurants.com
営業時間:月曜〜木曜 11:00 a.m.-11:00 p.m. /金曜、土曜 10:00 a.m.-midnight/ 日曜 10:00 a.m.- 10:00 p.m.

ブレークし続ける ホットなスポット
 クリスマスイブも大晦日も地を掘るボーリングの音は鳴り止まなかった。イエ−ルタウンのブレ−クは進行形、バンクーバーで一番新しい大人の遊び場だ。だから毎日が発見の連続。次回はもっとマニアックな最新穴場情報などお届けできることを祈っている・・・。         (取材 Ryoko Wilkings )